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第32話.童貞裁判〜その「貞操」、異議あり〜

作品のジャンルを、

「恋愛:現実世界」から、

「文芸:コメディー」へ変更しました。


理由は、この作品、”恋愛”していないことに最近気づいたからです。

しいて言うならば「ラブ?&コメディー」の今作を引き続き宜しくお願いします。

「それでは、お兄ちゃんの童貞裁判を開廷します!」


円香の掛け声と共に、なんかよくわからないノリで、当初のプロットには無かった俺の童貞を審議する裁判が始まってしまった···


「被告がお兄ちゃん,検察側が春子さん,弁護側が楓さん,傍聴人が咲夜さんです」


「みんな、がんばってね〜」


くそっ、咲夜のヤツ、のんきにしやがって。

元はと言えば、お前が火付け役だろうが。


何が悲しくて、自らが童貞である事を証明せにゃならんのだ。

俺だって好きで童貞やってるわけじゃないんだぞ。


火のない所に無理やり煙をたてやがって。

責任取って、本当に俺の童貞を奪ってくれても構わんのだぞ。






「では、春子さん、お兄ちゃんが童貞ではない可能性を示してください」


「わかりました。和哉君、コンドームの商品名を3つ答えてください」 


「えっと、オカモ〇ゼロワン,サガ〇オリジナル,Z〇NE(ゾ〇ン)


「どうでしょうか、彼はスラスラと答えることができました。これは、普段からコンドームを使用している証拠になるかと思います」


「異議あり!」

バンッ、と机を叩きつけた後、人差し指を春子に向け突きつける緑川。

こいつ、案外ノリノリだな。


「名前を知っているだけなら、決定打に欠けるわよ。童貞バレ対策で覚えているだけかもしれないし。ちゃんと”使用している”ことを示してもらえないと、証拠として成立しないと思います」






「···おっしゃる通りです。そう言われると思って、ここに現物を用意してあります」


春子は、カバンの中からZ〇NE(ゾ〇ン)の箱を取り出した。


···なんで用意してあるの?


その箱を不慣れな手つきで開封し、10ケ入りの内の1つを手に取り、俺に手渡してきた。


「和哉君、実際にコレを、私たちの目の前で装着してもらえますか?」






「···なんで着ける必要があるんだ?」


「その装着スピードを見て、和哉君がどれだけ着け慣れているか判断します」


「やらないとダメ?」

「ダメです」


はぁ~、ゴムを着けてる姿って、なんか情けないから見られたくないんだけどなぁ···






「お兄ちゃん、準備はいい?」


「待ってくれ、コンドームは持ったけど、”えのき”の準備がまだだ」


俺の”えのき”は少しへニャっていて、ビンビンには程遠い状態だった。


「和哉君、コレを見て、大きくしてください」


そう言った春子は、自らのスカートをたくし上げ、パンツビューを俺に提供してくれた。


ピンクベースの下地に、透け感あふれるシースルーの黒レースが重ね合わされた、”大和撫子”のイメージとは対極のようなドスケベパンティーだった。






「お兄ちゃん、()っきくするなら、私のパンツを見て()っきくなってよ」


そう言って、円香も自らのスカートをたくし上げる。

白地にピンクのセンターリボンと、春子のドスケベパンティーに比べて地味な、こいつには似つかわしくない清楚系のショーツだった。


「はい、次は楓さんのターンだよ!」


「なに、この流れ、私はやらないわよ、バカらしい」

呆れた表情で顔をプイッと横に向ける緑川。


「楓さんが遂にFA〇ZAデビューか···」

「緑川さんも有名人になるのね。今のうちにサインをもらっておきましょう」


「···くっ!わ、わかったわよ、やります!やればいいんでしょ!」


ヤケクソ気味の緑川は、勢いよく自らのスカートをたくし上げた。


意外にも、白と水色のストライプパンツだった。


「お前、こういう系の下着も履くんだなぁ、結構かわいいところあるじゃん」


「うるさい!感想なんて求めてないから、さっさと()っ立てなさいよ!」


眉間にシワを寄せ、ひどく険しい目つきでこちらを睨みつけている緑川。


その表情に反して、自ら着用中の生パンツを見せてくれているそのギャップが、俺の性癖に突き刺さった。


そのブーストが無かったとしても、美少女3人が俺の目の前で、俺にパンツを見せる為に自らスカートをたくし上げているのだ。

これで立たない方がどうかしているだろう。






「和くん、もうズボン越しに分かるぐらいビンビンじゃん。結局、誰のパンツが1番貢献度高かったの?」


咲夜が、意地悪な笑みを浮かべながらそんな事を聞いてくる。


「そんなの、決まってるだろ」


「私のパンツですよね、和哉君」

「私のパンツだよね、お兄ちゃん」

「私のパンツが無意味だったら、許さないわよ」


俺は、1番貢献度が高かった相手を指差した。


「咲夜、お前さっきから、スリングショットがズレて乳首丸見えだぞ」






「では、茶番はここまでにして、お兄ちゃんに実践してもらいましょう」


もう今回のエピソードに関してはその全てが茶番だろ、と思いつつも、コンドームを左手に持ってスタンバイする。


「和哉君、どうぞ」


なぜ俺は、美少女4人に見つめられながらコンドームを装着するのだろうか?

しかも、見られるだけで、この後使わせてくれるというわけでもないし。


こんな急に思いついたバカみたいなエピソード、さっさと終わらせて本題の動画撮影を始めなくては。


主人公としての股間,もとい沽券(こけん)にかけて、いっちょやってやりますか。






俺は、勢いよく自らのズボンとパンツを同時に降ろした。


ボロン。


「うっわ、見るからに臭そうね···」

「臭そうじゃなくて、実際かなり激臭ですよ、楓さん」

「使い込まれてそうな、グロい色をしていますね···」

「春タン、それはただ、ソロプレイのやり過ぎの結果だと思うよ」


「なぁ、もう着け終わったんだけど」


「え!?和くん、かなり速くない!?緑ン、タイムは?」


「個包装の開封を含めて5秒···意外ね、なんでこんなにスムーズなの···」


「緑川さん、これは十分証拠として価値のある結果ではないでしょうか?」






「いや~、春子さん、実はコレには理由があってね···」


頭を掻きながら、申し訳なさそうに笑う円香。


「お兄ちゃん、VR動画で致すときはゴムを着けてやる派だから、使い慣れてるんだよね」


「だって、その方が動画に没入できて、キモチイイんだもん」


「あと、オナホ使うときにも、時々ゴムしてるよね」


「あぁ、貫通式のヤツとか、終わった後洗うの面倒くさい時とか、ゴム使ってるな」


「円香、知ってたなら、検証前に教えてくれたら良かったのに」


「ごめんごめん。今ちょうどその事を思い出したの」


ウソつけ、絶対面白がってただけだろ。


まぁ、おかげで春子と緑川の今日の生パンツが拝めたわけだから、許してやるけども。






「いや〜、振り出しに戻っちゃったね〜、和くんが童貞か否か、分からなくなってきたよ〜」


いや、分かるだろ。

俺の脱童貞を疑っているのは、この世界で春子ただ1人だ。


「次は弁護側、楓さんから、お兄ちゃんが童貞である証拠を提示してください」


「分かりました」

そう言って、緑川が俺の方へ顔を向ける。


「青山君」


ドキッ!

作中で初めて、緑川が8話で初登場してから初めて名前を呼ばれた。


「見て、円香、この男は、同年代の女子に名前を呼ばれただけでトキメいている···こんな免疫の無いヤツ、童貞じゃないと説明がつかないわ」


「お兄ちゃん、どうですか?トキメいちゃってますか?」


「はい♡拙者(せっしゃ)の心の中の子宮が、キュンキュンと(うず)いております♡」






「しかし緑川さん、それだけでは説得力に欠けていると思いますが···」


「分かっているわ。青山くん、私の質問に答えなさい」


「はい♡なんでも聞いてクレメンス♡」


「あなたが女性の脚を触った時に、スネ毛の感触があったとして、何を思うかしら?」


「はい、女の子にスネ毛なんて生えるわけがないから、その人は女装している男性だと思います」


「な!?」「ん!?」「と!?」


なんだ3人とも、驚いてどうしたんだ?






「次の質問に移ります。あなたの男友達が、『彼女に昨日の夜付けられたキスマークが消えね〜んだけどw』と話しかけてきた時、あなたは何を思うかしら?」


「念入りに手洗いしても消えないようであれば、クリーニング屋に早々に持ち込んで、プロの技術で対処してもらった方が良いと思います」


「「「···」」」


どうした、3人とも、そんな唖然とした顔をして。

俺、何かやっちゃいました?






「桃瀬さん、いかがかしら。”女性にスネ毛は生えない”,”キスマークは洗濯して消す”、これらの証言によって、彼が童貞であることに疑いは無くなったと判断しますが」


「確かに、その通りですね。認めましょう、彼が、和哉君が、童貞糞野郎であることに疑いは無くなりました」


糞野郎は余計だ。


「宜しい、以上をもちまして童貞裁判を閉廷します!お兄ちゃんは、童貞糞野郎です!」






そう、俺は童貞だ。


周りがなんと言おうが、自分自身をどれだけ(だま)そうが、俺が童貞である事実は変えられない。


だけど、だからこそ、青山和哉は思う、願う、祈る。


それでも俺は、ヤってみたい、と。






「和くんの貞操が無事で、良かったね春タン」


「はい、黒峰さんの協力のおかげです」


いや、そもそも咲夜の冗談が事の発端なわけだが。

過去イチ不要なエピソードだろ、今回は。


「春タン、あたしのことは、下の名前で呼んで欲しいな〜」


「いえ、それはお断りさせて頂きます。和哉君にちょっかいをかけるドロボウ猫は、私にとってはライバルにあたるので」


ほんと、いつの間に春子とのフラグが立ったんだ?

エピソード読み飛ばしたりしてないよな···


ただ、春子の場合、好意を向けられているというよりは、懐かれているといった方が適切なような気がする。


気に入ったオモチャに固執する子供のような感覚、おそらくそのようなものだろう。


「え?じゃあ、春タンが緑ンを名字呼びしてるのも、和くん絡みの(もつ)れだったりするの?」


止めてくれ、咲夜。

これ以上話を脱線させないでくれ···






「〜というわけで、明日から撮影を開始します。機材や衣装はあたしが用意するから、この風紀委員室に放課後集合ということでヨロシクです!」


撮影の日程としては、初日はモモ子役の春子、2日目はムム子役の円香、3日目はミミ子役の緑川、4日目は3人合わせてのクライマックスシーンの撮影を行う事に決まった。


ドウテイ役の俺は、4日連続の撮影となる。


ハードな日程だが、まだ10人以上の性力の達人(スペル・マスター)のストックと、夏休み編+秋の学校行事編が控えているのだ、立ち止まってもいられない。


「んで、5日目の土曜日にあたしが編集を行って、6日目の日曜日に上映会だね。ちょうど休みだし、あたしの家で打ち上げパーティーでもしようよ!」


「いえーい!打ち上げパンティー!」

「あなた、一度耳鼻科を受診した方がいいんじゃない?」






「そういうわけで、今日はもう解散!春タン、明日もヨロシクね!」


「はい、目指せアカデミー賞です!」


「和くんもヨロシクね♡」


「あぁ、任せろ。いい作品を撮ろうぜ、咲夜」


明日から忙しそうだし、今日は致すのも程々にして、早めに寝るとしよう。


この4人で各1回ずつ、4回だけ致して、それで打ち止めにしておこうと思う。

当作品をご愛読頂きありがとうございます。

ついに、今作も10万字を超えました!

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