第15話 フルスロットル
ショーン達は最上階に着いた。
「ここは?」キューが聞いた。
「ここは宇宙船の駐車場って所だ。俺の宇宙船のところに来てくれ」
ショーンはすたすた歩いた。
さまざまな宇宙船が停泊していた。大型の物や小型の物。キューたちはキョロキョロ眺めた。
「これだ。俺の宇宙船。コマンダーX10。早いぜ」
ショーンの宇宙船はスピードの出そうなデザインだった。
「あまり時間はない。アシュタールもすべてのゲートを封鎖するだろう。行くか?きみたちも?」
「どうする?コング?」キューはあたふたした。
「ここにいてもしょうがない。神の国に行くはずだったからな。マウル星に帰りたいぞ」
「よし!行こう。マウル星へ!」
キュー、コング、ジル、ちいはショーンに続いて、宇宙船に乗り込んだ。
宇宙船の中はさまざまな計器とケーブルが張り巡らせていた。
「キュー。君に副操縦士を任せたい。いいかな?」
「え!僕にできるの?」
「出来る。君は運転がうまそうだ。頼む。みんな。席に着いて、シートベルトを締めてくれ。すぐ出発する」
コング達は席に着き、シートベルトを締めた。キューはドキドキしながら、副操縦士席に着いた。
「よし。滑走路に移動する」
宇宙船は動きだした。
「うわぁ。かっこいいなぁ」キューは複雑な計器とコックピットから見える景色に見とれた。
「離陸滑走路、風向よし。フラップ設定、トリム調整、オートブレーキ設定よし。行くぞ。キューくん。この計器を見ててくれ。エラーになると赤くなるから、赤くなったら教えてくれ」
「分かった!」
「本当は管制塔とやりとりするが、どうせゲートを閉めるきだ。このまま突破する。少々ゆれるぜ。みんな」
ショーンは無線信号でゲートを開いた。ゲートが空き始めた。
しかし、途中でゲートが開かなくなった。
「あれ?開かない」
その時、宇宙船の無線から声がした。
[ショーンくん。ちいさんたちを乗せているな?降りなさい]
「くそ!遅かったかぁ。ゲートを閉じられた」
「どうする?もうだめか?」コングは不安そうに聞いた。
「そうだな。こうする」
宇宙船からビームガンが発射され、ゲートを吹き飛ばした。
宇宙空間が広がっている。
「行くぞ!キュー!ショーンはスロットルを最大にした」
「キュー。計器をよろしく」
「はい!まかして」
宇宙船コマンダーX10は加速して、滑走路から壊したゲートを出た。
「時速28,000km!」
「計器、赤くない。大丈夫!」
「よし!離陸成功!このまま全速力で離れよう!」
宇宙船コマンダーX10は宇宙空間を進んだ。




