表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/20

第2話 異世界へ

 さて、そうと決まればまずやらなければならないのは現状確認だ。


 オレはゲームプログラマーにしてゲーマー。そしてラノベ愛読者だ。こういう時、まず最初にやるべきことは自分にできることを確認することだ。

 もしもここがゲームと同じような世界であるなら、お約束のアレをやらなければならないだろう。


「ステータスオープン」


  名前:シン・スカイウォーカー

  種族:人族

  年齢:15歳

  性別:男

  天職:ジークフリート

 レベル:389

  HP:152460

  MP:235600

  SP:232050

  魔力:140000

  体力:340140

  筋力:436440

  敏捷:234020

  防御:336900

  耐久:438030


 スキル

 戦闘系

<剣術LV100><短剣術LV95><双手剣LV97><格闘術LV87><魔闘術LV88><槍術LV95><棒術LV84><手加減LV99><槌術LV84><刀術LV99><二刀流LV95><爪術LV99><盾術LV90><投擲LV99><杖術LV86><射撃LV100><狙撃LV99><回避LV100><闘気LV92><覇気LV97><騎乗戦闘LV91><水上戦闘LV88><水中戦闘LV78><空中戦闘LV100><竜闘術LV100>


 魔法系

<魔力操作LV100><詠唱LV100><並行詠唱LV98><詠唱破棄LV100><火魔法LV100><水魔法LV96><風魔法LV100><地魔法LV99><光魔法LV98><闇魔法LV91><雷魔法LV100><氷魔法LV95><物理魔法LV100><召喚魔法LV90><空間魔法LV100><幻影魔法LV88><結界術LV80><並列発動LV99><複合魔法LV100><神聖魔法LV98><深淵魔法LV99><真竜魔法LV100>


 耐性系

<火耐性LV97><水耐性LV99><風耐性LV84><地耐性LV89><光耐性LV96><闇耐性LV92><雷耐性LV86><氷耐性LV87><物理耐性LV92><空間耐性LV80><毒耐性LV89><混乱耐性LV90><苦痛耐性LV90><呪い耐性LV98><石化耐性LV87><封印耐性LV88><昏睡耐性LV98><盲目耐性LV96><窒息耐性LV92><即死耐性LV87><洗脳耐性LV86><恐怖耐性LV100><看破妨害LV100><根性LV99>


 移動系

<高速移動LV100><悪路走破LV100><跳躍LV100><立体起動LV100><操車LV100><騎乗LV90><操縦LV80><遊泳LV98><潜水LV98><飛行LV100><クライミングLV99><無音移動LV92><気配遮断LV93><潜伏LV95>


 探索系

<竜眼LV100><聞き耳LV100><危機感知LV88><気配察知LV98><罠察知LV95><財宝探知LV84><薬草探知LV92><鉱物探知LV87><機械探知LV94><魔物探知LV96><精霊探知LV97><悪意感知LV100><危機感知LV98><敵意探知LV96><死霊探知LV98><鍵開けLV79><罠解除LV80>


 技術系

<鑑定LV99><隠蔽LV89><調理LV81><調合LV90><予測LV99><魔物調教LV97><メカニックLV82><錬成LV79><細工LV79><交渉LV88><裁縫LV80><創作LV87><統率LV96><鼓舞LV87>


 特殊系

<HP自動回復LV100><MP自動回復LV100><状態異常回復LV99><ステータス偽装LV100><竜魂覚醒LV100><無限回廊><奇跡><無限収納(インベントリ)


 称号

 なし



 ビンゴ! やっぱり出た!

 ダメもとでやって見た甲斐があった。やはりこの世界にはステータスが存在するらしい。眼前に現れた立体画面に記されているオレ(シン)のステータス、スキルはいずれも最後にプレイした時点での数値で間違いない。オレ自身が設定し、プレイして上げたものなのだから間違えるはずがない。

 ステータスの項目をざっと説明すると――


 HP=ヒットポイント。0になるとゲームオーバー。

 MP=マジックポイント。魔法を使うのに必要。

 SP=スタミナポイント。疲労すると減少し、0になるとHPが減り始める。

 魔力=使用する魔法の強さに影響。

 体力=持久力。SPの量や増減に影響。

 筋力=攻撃力に影響。

 敏捷=素早さ、回避などに影響。

 防御=物理攻撃に対する防御力。

 耐久=魔法攻撃に対する防御力。


 ――とこ、んな感じだ。 


 さて、お判りいただけただろうか?

 このステータス画面の奇妙な点に。


 まずレベルが389ってなんやねん! と思うだろう。普通は最高でも99、もしくは100なのに。


 人は無限の可能性を秘めた生き物――というのがオレの持論。それに従って『シン・ジークフリート』ではレベルの上限を定めていなかったのだ。つまり理論上、無限にレベルアップできる。もちろん、主人公や味方キャラが圧倒的に強くなり他の敵キャラがそのままではつまらないので、主人公のレベルの合わせて敵キャラも強くなる、というシステムにした訳だ。


 ただしスキルレベルに関しては上限を100に設定した。というのも、例えば<魔法>のスキルレベルを上げれば当然、それだけ強力な魔法を何個も覚えることが出来るのだが、これが無限にレベルアップするとどうなるだろう? 当然、その都度、新しい魔法を考案して無限にアップデートしなければならなくなる。


 そんなことしてたら遊ぶ暇ねーじゃん! という訳で、スキルに関しては上限を決めさせてもらった。レベルが上がると使える魔法の種類は増えないが、威力は高くなる仕組みだ。


 そして「天職」。


 RPGというジャンルに置いて主人公に「職業」や「クラス」を設定できるゲームはいくつもある。選択する職業(クラス)によってスキルや魔法の習得傾向が違ってくる。そこからクラスアップするに当たり、複数の上級職の中から選択を迫られる、というものだ。

 そしてこの手のクラスアップ、あるいはクラスチェンジシステムは大抵の場合、リセットすることが出来る。最終職から一番最初の初級職へ戻すのだ。


 ゲームによってはクラスをリセットした際、上級職にクラスアップすることで覚えた魔法やスキルまでリセットされてしまうタイプと、リセットしてもそのまま引き継がれるタイプがある。


 オレの『シン・ジークフリート』は後者を採用した。

 これに関してもオレの持論故だ。

 転職しただけでそれまで磨いてきた技能が無くなるなんておかしいってな。


 例えば、元々は水泳の選手だった人間が、陸上選手に転向しただけで泳げなくなるなんてことあるか? 

 それと同じだ。

 人間は無限の可能性を秘めた生き物。学べば学ぶほど、磨けば磨くほど色んな知識、技能を身に付けることが出来る。努力して身に付けた技術は決してなくならないし、無駄にはならない。

 ならそれをゲームにも取り入れよう、ってことで、オレは職業がリセットされてもそれまでのスキルや魔法は引き継がれる、というシステムを採用した訳だが……どうやら大正解だったようだ。


 そしていまのオレの職業――「ジークフリート」は、ゲーム内に存在する全ての職業をコンプリートした末に会得できる、究極の最終職。


 オレが設定し、オレがプレイして習得した魔法やスキルの数々。シンが習得できる全てのスキルが揃っている上にレベルも極端に高い状態。まさにチートだ。勝手の判らない異世界でも、これならなんとかなるかもしれない。


 ただ、1つだけ見覚えのないスキルがあった。


無限収納(インベントリ)>。こんなスキルは知らない。ただ、名前だけ見ればどういう効果を持っているのか、ラノベ愛読家なら容易に想像できるだろう。


 いわゆるアイテムボックスだと。


 中身が見たいと念じてみると、それに応えるようにして新たな立体画面が現れ、中に収納してある物がリスト形式で表示される。


「Yes!!」


 中身を見てオレは思わずガッツポーズした。中にはオレが最後にプレイした時のアイテムがそのまま保存されている。試しに中の1つを取り出してみた。


 エクストラ・ポーション――HPを完全回復させる。見た目は500mmペットボトルサイズの瓶に入った青い薬液で、飲むには少々覚悟がいる。


無限収納(インベントリ)>は念じるだけで簡単に出し入れできるが、あくまで手で触れたものでないと収納できないらしい。あと、木などの地面と固定されている物も収納できなかった。水などの流動性のある物も収納できないが、瓶に入れた状態なら収納できる。あと、収納空間内は時間が止まっているというのがラノベなんかでよくある設定だが、これに関してはいまは確認しようがないので後で確かめよう。オレもゲームを製作するにあたってそこまで細かい設定はしていなかったし。


 ただ武器や防具、アイテムなんかはそのまま残っているのに、金は一切無かった。まあ、そこまで期待するのは贅沢すぎるだろう。スキルや魔法、アイテムがあるだけでも破格の扱いと言えるからな。


 それともうひとつ、無くなっているものがある。


 称号だ。


『シン・ジークフリート』ではクエストやイベントを熟すことで様々な称号を得られる。称号の中にはスキルが付属しているものや、それが無ければ入れない場所、発生しないイベントなんかも存在する。


 最後にプレイした時点でオレは30以上の称号を持っていたはずだが、それがすべて無くなっている。

 けどまあ、これに関しては無くて当然と言えるかもしれない。称号とは、即ち「なにかを成した証」だ。そしてオレはまだこの世界に来たばかりで、なにも成していないんだから、無くて当たり前だろう。


 さて、確認も済んだし、取り合えずまずは街か村を見つけないとな。んでもって、金を稼ぐ方法の確保だ。テンプレに従うなら冒険者かな?


 見た感じここは深い森の中っぽいし、早いとこ抜け出さないと魔物なんかに見つかって……って言ってる側からなんかの気配が近づいてきた。


 気配なんて感じたことなんか無かったのに、何故かそうだと判る。スキルの効果だろうか? <気配探知>、<魔物探知>、<敵意探知>が警鐘を鳴らしているのが判った。オレに対する敵意を持った魔物が近づいてきている。


「人里を見つける前に初戦闘かよ!」


 毒づきながらオレが《リンドヴルム》を構えて臨戦態勢を取ると、それに応じるように茂みから現れたのは、果たして緑色の肌をした醜悪な外見の小人だった。数は10匹程度。背丈は小学生ほどで頭髪が一切く、ボロボロの布を腰に巻き、手には刃の欠けた剣や、尖った石を棒にくくり付けただけの素人作りの槍。木の枝を削っただけの棍棒などを持っている。瞳の無い眼に、耳まで裂けた口からは涎が溢れていた。


「基本だな。最初はゴブリン」


 そう。オレの前に現れた醜悪な緑色の小人の正体――ラノベやRPGに精通している者なら知らない方がおかしいと言える超有名モンスター。ゴブリンだ。

 確かに『シン・ジークフリート』に登場するモンスターにゴブリンを設定した。RPGと言えばゴブリンといってもいいくらいだしな。


 その時だ――



 ゴブリン LV2



 突然、ゴブリンの頭上に文字が現れた。

 モンスターの名前とレベル、あと緑色のHPバーも。『シン・ジークフリート』のゲーム内では、雑魚、ボス問わず敵と戦う際は相手の名前やレベル、HPバーが表示される仕組みに設定していた。どうやらこの世界でもその辺りも同じらしい。

 ざっと見回してみた感じ、ゴブリンのレベルは2~3程度。『シン・ジークフリート』では一番最初、チュートリアルに現れる雑魚敵と同レベルだ。当然、いまのオレの敵ではない……はずだ。


「ギシャアアア!」


 ゴブリンの群れが口々に雄叫びを上げ、威嚇を始めた。<敵意感知>の影響だろうか、奴らの悪意と殺意がダイレクトに伝わってくる。

 例えレベル差が隔絶していることが判っていたとしても、武器を持ち、敵意をむき出しにしてくる集団と対峙するのは思いの外、恐怖を掻き立てられる。額から暑さとは違う汗が流れ落ち、無意識に足が半歩下がる。剣先が震え、カチャカチャと小刻みな金属音が耳朶を打つ。テレビ画面越しだったゲームとは違って、直接モンスターと対峙することのなんと恐ろしいことよ。

 ゴブリン相手に脅えていると判っていても、情けないとは思わない。外面やレベルはシン・スカイウォーカーだが、中身は碌に喧嘩もしたこともないただのプログラマーであり、父親に殴られて暴力に脅えていた情けない男だ。

 これまでの人生で唯一勇気を振り絞ったのは、酔って暴れる父親を包丁で刺したあの瞬間だけだった。暴力に晒されたことはあっても、命の危機に陥ったことはない。ましてや生死を掛けた戦いに臨んだことなんてないし、覚悟をしたこともない。


 けど、それではダメだ。


 どういう訳かシン・スカイウォーカーとしてこの世界に放り出された以上、これからは自分だけの力で、その身一つで生きていかなければならない。そのうえで、こうやって自分の身体ひとつでモンスターと戦わなければならなくなる機会が、それこそ数えきれないほどあるだろう。誰も助けてはくれない。頼れる相手もいない。自分の力と勇気だけが武器だ。


 そう思うと、異世界転移ってひどく残酷なことだと思えてきた。現代日本の少年少女を、その身ひとつで勝手の判らない、頼れる人間もいない、文明レベルの低い異世界に放り出すってことなんだから。普通、死ぬだろ。


 自分にそれが起こって、魔物と対峙してやっとそのことが判ったよ。


 けどやってやる。オレはシンだ。オレが自分の理想と憧れを凝縮し、長い時間を掛けて作り上げ、育て上げたシン・スカイウォーカーだ。

 シンはどんな危機に陥っても決して諦めることをしない。


 曲げない意志――

 折れない心――

 立ち向かう勇気――


 これからはオレがそれを体現しなければならない。オレが恐怖に負けて、シン・スカイウォーカーを貶めるなんてあってはならない!


 そう思うと勇気と闘志が湧いてくる。

 オレはオレの為に戦うんじゃない。

 シンの為に戦うんだ!


「ギギャアアアア!!」


 こちらが動かないのを恐怖で身が竦んでいると取ったのか(事実そうだったが)、剣を持ったゴブリンが奇声を上げて踊り掛かってきた。後に続くようにして他のゴブリンも次々と向かってくる。


 遅くね? ゴブリンなんかスローモーションみたいに遅く見えるんだけど?


 先頭のゴブリンが袈裟掛けに振り下ろしてきた剣を、オレは相対する形で《リンドヴルム》を振るい、弾こうとした。弾くつもりだった。だがオレの意に反して《リンドヴルム》の刃はまるで豆腐でも切るかのように抵抗無くゴブリンの剣を両断し、勢い余ってそのままゴブリンの身体まで真っ二つにしてしまった。


 え? ナニコレ?


 二枚に卸されたゴブリンの身体、その切断面から毒々しい紫色の鮮血が噴きだし、突進してきた勢いのままこっちに飛んできたので、オレは思わず身を屈めて避けた。汚ねぇし!


 仲間が瞬殺されてビビったのか、威勢よく向かってきていたゴブリンたちの足が止まる。チャンス!

 オレは勢いよく飛び出し、まず一番近くにいたゴブリンに蹴りを見舞ってやった。そしたら血反吐を吐きながらサッカーボールよろしく吹っ飛び、背後にいた仲間を2匹ほど巻き込んで背後の岩に叩き付けられ、動かなくなった。


 ゴブリンってよく飛ぶんだな。


 残りのゴブリンたちがその様子に呆気に取られている間に、オレはそのすべてを剣で斬り伏せた。生き物の身体がなんの抵抗も無くスパスパ斬れてしまう《リンドヴルム》のあまりの斬れ味、攻撃力にはさすがにドン引きだ。


 まあけど、無理もない話だ。設定値が有効であれば《リンドヴルム》の攻撃力は17300。それを筋力値30000以上のオレがレベル2のゴブリンに振るえばこうなるのは当然だ。


 ラスボスを倒せるレベルの主人公がゲーム内最強の武器で、チュートリアルに出てくるような雑魚モンスターと戦うのと同じだ。

 中身(オレ)は戦いの初心者だが、武器(リンドヴルム)キャラクター(シン)は最強。まさにチートだな。


 ヒュン!


 風を斬る音が耳に届くと同時に、オレは反射的に身体を横へずらした。一瞬前までオレの頭があった空間を一本の矢が鋭い速さで通過する。飛んできた方向に目を向ければ、離れた場所のある木の上に弓を持ったゴブリンの姿が。


 ゴブリン・アーチャー LV3


 しまった油断した。まだ生き残りがいたか。

 ゴブリン・アーチャー。ゲームではこちらの手の届かない位置に陣取って延々と矢を射かけてくるだけのモンスター。対抗策はこちらも飛び道具で応戦するか、魔法や射撃系の技で仕留めるしかない。

 そうしている間にアーチャーが2本目の矢を放ってきた。けどやっぱり遅い。亀みたいにノロノロと飛んでくる矢を、オレは無造作に指二本で受け止めた。


 これいっぺんやってみたかったんだ!


 指だけで矢を止められたことにゴブリン・アーチャーが驚愕している隙に、オレは【力の弾(フォース)】を放ってアーチャーを汚い花火に変えてやった。


 これでひとまず、ゴブリンはすべて片付いたはず。


「にしても、やっぱり死体は消えないんだな」


 野ざらし状態のゴブリンの死骸を見下ろして独り言ちる。

 当たり前のことではあるが、『シン・ジークフリート』では倒したモンスターの死骸は消える。というかどのRPGでもそれは同じだろう。

 死んだ後も残ったままの死体と、そこから流れ出る鮮血やその匂いが、ここがゲームなのではなく現実の世界であるということを嫌が応にも知らしめてくる。


 そして、生き物の命を奪ったという現実も。


 生まれてこの方、虫以外の生物を殺したことなど無かった。今日初めてそれ以外の生き物を殺したが、さほどショックではなかった。魔物だからだろうか?


 けどこれがもし人間だったなら? いまみたいに躊躇なく殺せただろうか?


 ここがどんな世界なのか。自分の強さはこの世界の基準から見てどの程度のものなのか――その辺りは判らないが、もし盗賊なんかが跋扈しているテンプレ通りの異世界であれば、いずれそういった連中ともやり合うことになるだろう。


 その時オレは、同じ人間の命を奪うことが出来るだろうか?


 それだけはやってはいけない――という思いがある一方で、避けては通れないだろうという、半ば諦めに似た感情もある。犯罪者とはいえ同じ人間を殺したくないという気持ちは嘘じゃないが、それでも覚悟はしておかなければならないだろう。

 自分や大切な者の命と、それを脅かす犯罪者の命。天秤に掛けるまでもない。もしオレが犯罪者を殺すのを躊躇した結果、自分はともかく他の誰かが死ぬことになったら目も当てられない。そんなことになるくらいなら自分の手を汚した方がましだ。これもまた異世界転生というものの残酷な一面なのだと、受け入れるしかない。


 そしてその時は、オレの予想以上に早く訪れることとなった。

主人公のスキルは現時点のもので、物語次第では変更するかもしれません。

主人公の耐性スキルに<窒息耐性>を追加しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ