プロローグ1 〜初出勤
ここは、シーシェル王立海洋研究所。
今日は初出勤。
時間通りに、所長の執務室にご挨拶に来ました。
執務室の入り口には、護衛官が2名。
さすが、王立の研究所。
王室関係の方々が多いようで、王室から護衛官が派遣されています。
護衛官の1人に取次をお願いすると、
すぐに執務室に通されました。
「ご挨拶申し上げます。
本日より、こちらに配属されました、
アリエッタ・アン・ミカエラードでございます。」ペコリと御辞儀をした。
書類に目を通していた所長が顔をあげて、
とても冷たい視線を放ち、
「其方、高度課程で、なぜ首席で卒業してないのだ、アリエッタ!!」とのたまった。
えっ?所長、怒ってらっしゃる。
見目麗しい、ものすごいイケメンが、
めちゃくちゃ怒ってる。
「・・・あの、その、、、」
「アリエッタ、私が、3年前に卒業した時は、
3学年下の君は学年1位であったはずだ。
3年の間に、どうしたら馬鹿になるのだ」
「あの、その、実はですね、
興味が、川のお魚にも、むいてしまいまして、、」
見目麗しいご尊顔、
引き込まれそうなコバルトブルーの瞳が、
更に細められナイフのようになる。
「ここは、海洋!海洋研究所だ。
川の魚を研究するなとは言わん。
だが、海洋生物の研究は忘れてはいかんだろ!」
「あの、、ここに来れば、
海の生き物たちは、常に研究できるかと、、」
あっ、口ごたえしちゃった。
「ほほう、では、其方の言葉通り、
海洋生物三昧の日々にしてやろうぞ」
そんな事言われたって、、
私の頬が、ちょっと膨れっ面になりかけたのを、
所長は見逃さなかった。
しまった、と思ったけれど、
怒られはしなかった。
代わりに見放された。
「もうよい、下がりなさい」
所長室から、追い出されてしまった。
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(๑˃̵ᴗ˂̵)