ボクのTS能力はめっちゃかわいい
宅配便の荷物を軽く整理したあとは、お気に入りのソファーの上で横になって、いつものようにスマホでエゴサする。
...引きこもりがエゴサだってって?
いや、ね。実は動画投稿とか生放送とかしてるんだよ。
きっかけは3年前。ボクが自分の特殊能力を使いこなしてきたぐらいの時だね。
...ていうか、ボクは特殊能力者と言うには本当に弱すぎる。
ただ、sapと呼ばれる...まぁRPGで言うmpを持続的に消費しながら一時的に女の子になれる...それだけ。
え?って感じでしょ?
その女の子もビンの蓋も開けれないぐらい非力で、50mでも走れば息切れするし、足もすっごい遅い。
でもその代わりめっちゃ可愛い。
見た目年齢12歳ぐらいで、腰までの長さの白い髪に、赤い瞳、シミひとつない白い肌、声は思わず魅了されるほど綺麗なソプラノで...とにかく見るだけでみんなロリコンじゃなくてもガチ恋するレベル。
女の子になった時の自分の姿で何度...やめとこう。
...話を戻そうか。
まぁ、最初はこの能力を楽しむのに全力になって親の居ない寂しさから耐えてたんだよ。
かわいい服着て可愛い踊りしてみたり、エプロン着て料理してその姿に自分でデレデレしたり。
でも、ずっとは無理でね。だから、ちょっとだけならって、どうせ自分の本当の姿じゃないしって...
エプロン姿のTSボクと作った料理を...
「ボクっ娘幼妻の手料理~お疲れ様、ご飯にする?お風呂にする?それともボク?~」
...ってタイトルで写真撮って、つったーに上げてみたんだよ。
...めっちゃバズった。
「ふぉーー!あなたにします!!!」「あなたを食べたいです!」「どこに行けばあなたの手料理が食べられますか?」「えっ...私女だけど、ちょっと色々とレベチじゃん。惚れた。」「結婚しよう!いや!もう結婚してる設定なのか!」「リアルでこれ?いやでも、加工の不自然ないしまじか?ってことは...やべぇ天使ってほんとに存在したんだな。」
変なのもあったけど褒められたり、好意的な言葉が来ると心が暖かくなった。
このつったーの延長線でゆー○ゅーばをすることになったんだよね。
お金はいくらでもある。ゆー○ゅーばでも普通に稼げてるから今はむしろ増えていってる。欲しいものはツーハンで買える。心の寂しさはリスナーが癒してくれる。
家から出なくたって生きていける。だから、ボクは永遠に引きこもっていたい。




