第69話 マンゴ〜授業中に降り立った尿意〜だまんごー。
高村まんごはおしっこに行きたくなった。
授業が始まり、わずか10分のことだった。授業は残り35分。
昨日の今日で、ぼけ〜っとしていたため、休み時間にトイレに行き忘れたのだ。
しばらくはトイレに行き忘れていたことなど気にならず、何事もなく授業を受けていたまんごだった。
しかしっ! 突然! まんごに『尿意』が襲いかかったのだった。
大丈夫だと思っていた。その考えが命取り。まさに、凡ミスだった!
(くっ……、私としたことが……、一生の不覚っ! どうする? すぐに手を上げて、トイレに行かせてもらう……?)
まんごは、必死に考えた。次に取るべき選択肢を! 膀胱の許容量的には、そう長くは持たない……。限られた時間の中で、最適解を探しださねばならない。
間違えれば……、待つのは、死。 社会的、死。
(そう……、漏らすのはダメ。ダメ、絶対! 素直に、手を上げ……。)
まんごは、尿意を我慢しつつ、視線を黒板の上の時計に向ける。
先ほどから、1分! たったの1分しか経っていない。そう、授業開始から、たったの11分。
(……ないっ! こんなに早くは、ダメ! こんなに早くトイレに行ったら……。きっと、あだ名は、『頻尿』……、いやっ、『ハルンケ』……。私は女の子だから、『ハルちゃん』か……? ちょっと可愛いけど……。ダメっ!!)
却下!!
そう、今手を上げるのは、最善手ではない! 思いとどまったまんごは、また『尿意』と戦いつつも、次善策のために思考を巡らせる。
(なにか……、なにかいい方法……、あっ! そうだ!)
まんごに妙案! 授業開始12分にして、まんごに妙案降り立つ!
(そうだ! おしっこをちょっとずつ出して、おぱんつの中でちょっとずつ蒸発させれば、『尿意』はやり過ごせる……。)
まんごは、虚ろな視線を時計に向けつつも、ニヤリと口元を緩ませた。
しかしっ!!!
これは、愚の骨頂! 悪手! まさに、悪手中の悪手!
すでにまんごは『尿意』との戦闘中。鍔迫り合いの最中! そんな時に、少しでも隙を見せようものなら……
決壊!
微塵の隙間など、それをきっかけに決壊! そして、大洪水!!
そう、お漏らし!! 授業中の教室のど真ん中でっ、お漏らしっ!
(……ダメっ! おしっこをちょっとずつ出していくなんて、絶対無理!!)
寸前のところで気が付くまんご。まさに危機一髪だった。
(もしも、お漏らしなんかしちったら、『おもらしー女じゃん』って言われて、あだ名が『お漏らし女』になっちゃう。それとも、なに、『エフフォー』に加わって、『エフファイブ』になっちゃう? いや、『エムファイブ』? 『まんご』だけにねっ!!
って! ダメっ!! ダメ、絶対!)
「……というわけで。英語でも『す』が所有を表すように、ノルウェー語でも、『す』は所有を表すんだ……。」
まんごが脳内で思考を繰り広げる中、岡本先生による授業は、通常通り進む。しかし、まんごは聞く耳持たず。いや、聞くこと不能だった。
まんごの視線の先の時計は、先ほどから、3分。たったの3分しか進んでいない!
しかし、ここで起死回生の妙案! またしても、まんごに妙案降り立つ!
授業開始15分にして、起死回生なるかっ……?
(そうだ、私にいい考えがある……。おしっこを漏らすから、お漏らしっていうのよ。そうよ。これは『おしっこ』じゃなくて、『愛液』って言い張るってのは……?)
これぞっ、まさに妙案! 国語が得意で、小学3年生とは思えない語彙力がなせる技。匠の技! エロ公明の名は伊達じゃない、と言わんばかりの妙案!
(そうしたら……、お漏らしじゃない……。けどっ!! あだ名は『ビッチ』か……、いや、『トロ』か。ちょっと可愛い。いやっ、ダメっ! ダメ、絶対!)
小学3年生に『ビッチ』ってあだ名なんて、ダメに決まっている。
なんなら、教○委員会が助走をつけて殴りに来るレベルだ!
そう、殴りに来るっ! まんごじゃなくて、岡本先生をっ!
まんごのお漏らしで岡本先生の首がヤバい!
(……ダメっ。私のせいで、たかさん先生がっ……。先生を犠牲にはできないっ……。)
岡本先生の顔を見る。そう、まるで故人を尊ぶような視線で見つめるまんご。いや、死んでない。まだ、岡本先生は死んではいない。物理的にも、社会的にも!
「というわけで、ノルウェー語で、『物』を表す単語は、『チン』って言うんだ。あれも、『チン』。これも、『チン』。そして、先生の股間についている、こ〜れも、『チン』だ!」。
わはっははあ〜〜〜と、クラスの9割が大笑いする中。まんごのみ無表情。上の空。いや、彼女の意識は、膀胱にあった!
しかし、ここで、またまた妙案! まんごに妙案降り立つ! 3度目の正直なるかっ!
授業開始18分にして、まんご『尿意』からの解放なるか……?
(そうよ、私にいい考えがある……。おしっこを漏らすから、お漏らしっていうのよ。漏らした『おしっこ』を、『潮』と言い張るってのは……? おしっこも潮も、ぶちゃけ成分的には、同じでしょ……?)
否!!! 違う!!!! そういう問題ではないっ!!
まんごは膀胱が決壊寸前でおかしくなりかけているのだろう。
(そうすると……、あだ名は、『クジラ』か? これもちょっと可愛い……。
いやいやいや! 落ち着け私っ! ダメに決まってる……。)
まんごは、小刻みに頭を震わせ、項垂れる。
もはや彼女には、なす術ない。必死の形相で、視線を時計に向けた。
時計はまんごを嘲笑うかのように、牛歩。遅々として進まず。まだ授業開始から20分。残り25分!
まんごの膀胱は『尿意』に負けるのか……?
お漏らしからの奇跡的回避なるかっ?
次回へ続く!
(……な訳ないっ! 続くわけないっ! 次回まで待ってたら、私の膀胱がおかしくなっちゃう、ってか、私がおかしくなっちゃうっ! こんな時にメタったネタをぶっこむんじゃないよっ! こっちは必死なんだよっ!)
まんごは、大きく深呼吸をし、『尿意』ともう一度向かい合う。
しかし、『尿意』に容赦なし。手加減する気などみせず。その真剣の切っ先をまんごに向けている。
まんご、まさに万策尽きた……。
と、その時、
「先生! 具合が悪いので、保健室行ってもいいですか?」
教室から声が上がった。的場菜奈だった。
「おぉ〜、そうなのか? 珍しいなぁ〜。じゃあ、誰か……。」
岡本先生が、保健室に付き添ってくれる誰かを探していた時、的場は、先生を誘導するように、まんごに視線を移した。
「あっ、じゃあ。高村! 悪いけど、的場に付き添ってやってくれないか?」
岡本先生の言葉に、まんごは、「はい」と答える。あくまでも無表情を装いつつ、ゆっくりと立ち上がった。
そして、的場とまんごは、2人で教室の外に出た。
「的場さん、大丈夫なの?」
まんごが、的場に尋ねる。
「あぁ、まぁ……。私は大丈夫だ。それよりも、お前は大丈夫か?」
的場は、余裕の笑みを浮かべる。具合が悪いと言っていたのは、嘘であると言わんばかりに。
「えへへ……。ありがとう的場さん。すっごく助かったよ」
と、まんごは的場に笑顔を向けると、そそくさとトイレに入っていく。まんごは、気が付いた。自分を助けるために、的場が仮病で保健室に行くふりをして、トイレに連れ出してくれたことを……。
「それにしても。トイレにちゃんと行けないほど、疲れるようなことが何かあったのか?」
的場は、一緒にトイレに入り、まんごが入った個室の外から、声をかけた。
「実は……、」
と、まんごは、昨日のこと。つまり、不知火玄武のお見舞いに行き、その姉の不知火柘榴にボッコボコにされた経緯を話した。
もちろん、膀胱の限界突破寸前まで蓄えた尿を、勢いよくブッパしながら、である。
「そうか、それは大変だったな。でも、私は思うんだけど。お前には、負け癖がついている。小学3年生の女の子だから、仕方がないかもしれないけど……。これから人生は長い、負けてばかりの人生よりも、勝つ方が楽しいだろ? 勝つための力をつけろ。てけまぁ、あれだ……。要するに、私と一緒に修行しないか? ってことだ……。」
的場は、個室の外から、語りかける。
まんごは、おしっこを終え、トイレットペーパーで拭き拭きした後に、おパンツと伝説のストッキング(黒色)を上げながら、的場の話を聞いていた。まんごは今日も、お気に入りの伝説のストッキング(黒色)を履いていた。ちなみに、今日のまんごのおパンツの色は、水色だ。
そして、まんごは少し考えた後、的場への返事はすぐに出た。
「うん! 私、もっと強くなりたい! 的場さんみたいに。だから、的場さんと一緒に修行したい!」
個室から出たまんごは、的場にきちんと向かい、強く頷く。
「それはよかった。よろしくな。じゃあ……、とりあえず授業にでも、戻るか?」
気分が良くなった、と言って的場は教室に戻った。そして、まんごも、何事もなかったかのように、自分の席に戻った。
他に大きな事件は起きぬまま、週末になった。高村一家が不知火家の道場に乗り込む日だ。
次回へ続く。
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私、高村まんご。小学3年生。
マンゴスチン・ハートに出会って魔法少女『フルーツプリンセス』に変身できるようになったんだ。まぁ、魔法少女とか、一切関係の無い話だったけどね。
うん。そう。そうなの。私がおしっこを我慢しただけの回よ。
大丈夫! これがマンゴスチンシリーズのクオリティだから!
私、頑張ったよね? 漏らさなかったよね〜。よかった〜。主人公がお漏らしとかねぇ〜。ないないない。
狂気の沙汰ほどおもしろいって?
いやいや。別に、私さ、必要に駆られておしっこを我慢してただけだからさ〜。何も、膀胱の破裂する寸前が気持ちいい〜とか、そういうのじゃ無いから。快楽とか、求めてないからね! 言っとくけど!
倍プッシュ?
し〜ません!! しない。しないよー。
ジュースを飲んで、さらに、倍プッシュだっ! って? しません!!
なんなのよそれ?
あ、
もう一本 ジュースを飲んで 倍プッシュ
いい句が読めちゃったね〜。あとでお兄ちゃんに話さないと。
でもさ、何度も言うけど、別に、私は膀胱を壊したいわけでも、おしっこ我慢するのが気持ちいとか、そういうんじゃないからねー。
でも、おしっこ我慢バトルってのは、面白いかもね?
ジュースを飲めば飲むほど高得点、でも、先に漏らしたらドボン。相手の勝ち。
高得点を取るためには飲まないといけないけど、リスクが上がるって……。
心理戦(笑。
これは作品が書けるねっ!!
……って、ここでこんなこと言うと、布石とか伏線みたいになっちゃうからね……。ははは。まぁ、そういうことで(笑。
あっ、そうそう。そう言うことで、私は的場さんと一緒に『的場道場』で、修行することになったからね〜。
みんなちゃんと覚えてる?
的場さん家の道場は、『的場鍬形流』っていう流派なんだよ。何回か出てきたから、覚えてるよね?
まぁ、そういうことだから。
で、次回ね。この間から引っ張ってたやつだよね〜。
大丈夫だって! ちゃんと話し合いで解決するから。うん。
いや、小説の盛り上がり的には、バトルとかすべきなんだろうけどね〜。
ないね!
平和が一番!!
と言うことで、次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン Tropical FruitS
『第70話 いざ、不知火道場へ!だまんごー』
だよっ!
絶対に読んでねっ!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




