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魔法少女マンゴ☆スチン Tropical FruitS  作者: 幸田遥
魔法少女マンゴ☆スチン 無印
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第7話 鍾乳洞破レテ桃源郷アリ、木になるあいつはプリンセス?だまんごー。


 高村桃矢とまんごの兄妹と、まんごの友達の『ドリア・ヌ・ロドリゲス』は近所の鍾乳洞に遊びに来ていた。



 まんごとドリアは鍾乳洞の奥に巨大なクマムシを見つけ、合体魔法の力で、その巨大クマムシを退治した。


 そして、その巨大クマムシがいた奥には、空間が広がっていた。



 まんごたちは、その空間の真ん中に、大きな桃の木を1本見つけた……。





 桃矢を先頭に、まんごたちは桃の木に近づいてゆく。



「あら、人間ですか? 珍しいですね。クマムシがそこの穴を塞いでいたと思うのですが」


 その桃の木は、日本語を話し出した。



「そのクマムシなら、わたくしたちが退治いたしましたですわ〜。おほほほ」


 ドリアは、自信満々に高笑いをする。


 桃の木が話をしたことは、果物型変身装置(フルーツデバイス)が話をすることに慣れたまんごたちにとっては、もはや驚くことではない。



「驚き桃の木、桃の木、桃の木! あなたたちがあのクマムシを退治したのですか? あなたたちはそれほど強大な力を持っておられるのですか……?」



「はい、そうだよ……ね。まぁ、私とドリアちゃんの合体魔法なんだけどね」



「なるほど……。そこの2人は、フルーツプリンセスですか?」



「はい、そうです。私が、フルプリマンゴスチンで、こっちのドリアちゃんがフルプリドリアンです」


 まんごとドリアはまだフルプリの変身は解除していない。


 2人は、桃の木に姿を見せるように前に出た。



「それよりも、あなたは一体誰でございますか? 喋る桃の木も珍しいと思いますけれど」



「私は、世界樹の1つです。ここで桃源郷の門番をしております。私の名前は、『プリンセス・桃の木』です。しかし、私のことは普通に省略して、『プーモ』ちゃんと呼んでいただければと思います」



「プーモちゃん……。」


 呆れ顔を浮かべるまんごとドリアの後ろで、桃矢が、小さく呟いた。



「ここは、普通の鍾乳洞じゃないの? 桃源郷ってなんなの?」


 まんごは首をかしげる。



「桃源郷は、夢の国です。そして、ここはまだ桃源郷の入り口です。普通の鍾乳洞ですが、普通の方が入って来られないようにクマムシで蓋をしておいたのです。あなたたちにはこの先に進む素質があります。でも、あなたたちはまだ若いようですね。この先の桃源郷はダンジョンになっています。『ステータスオープン』という技が必要になります。あなたたちは、まだこの先に進むべきではないようです。そうですね、あと23話くらい後に、戻ってくるとよろしいかと思います」



「あと23話だって、まんご……。」


 桃矢は呆れたような口調で言う。



「だね、なんのことかわからないわよね」


 桃矢とまんごは同時に首をかしげた。




「それよりも、そこのお主。桃のフルーツプリンセスの素質を持っているようですね。名前はなんとおっしゃるのですか?」



「あっ、俺? 俺は、桃矢。高村桃矢です」



「なるほど、桃矢様ですね。では、これをあなたに授けます」


 プーモちゃんの木の枝から桃が1つ、桃矢の目の前に落ちて来た。



「これは……?」


 桃矢はそれを拾う。



 桃矢の胸はすでに高鳴っていた。


 桃矢は確信していたのだ。これが、桃の果物型変身装置(フルーツデバイス)であることを。



「それは、桃の『果物型変身装置(フルーツデバイス)』、『ピーチ・エース』です」


 このプーモちゃんの言葉に、桃矢は鼻の穴を大きく開き、興奮気味に鼻息を出す。



(私がピーチ・エースです。よろしくお願いいたします。まずは桃矢様に『始動キー』をお教えします)


 ピーチ・エースは『始動キー』を桃矢に教えた。



「やった、ついに俺も、変身できるようになったんだっ!」


 桃矢は大きくガッツポーズをした。



「やったねお兄ちゃん」


「よかったですわ〜、お兄様」


 まんごとドリアはパチパチと、桃矢に向けて拍手をする。



「じゃあ、早速! おっと、まんご、スマホ、スマホ」


 桃矢はスマホをまんごに渡して、右手にピーチ・エースを握りしめ、それを天に掲げた。



「行くぜぇ!


 ピチピチ ピーチ ピッチピチ!


  桃色の ほのかに香る 果物の


   ふくよかな 膨らみ分ける 裂け目かな


    割れて我と手 つなぎ歩まん!


     我は高村桃矢なり!


      ピーチ・エース! カジュー! ヒャクパーセントー!」






 しかし、何も起きなかった!




「あれっ? おかしいなぁ〜? 呪文を間違えたかなぁ? もう一回行くよ!」


 桃矢は、右手にピーチ・エースを握りしめ、それを天に掲げた。




「コ、コホン……。行くぜぇ!


 ピチピチ ピーチ ピッチピチ!


  桃色の ほのかに香る 果物の


   ふくよかな 膨らみ分ける 裂け目かな


    割れて我と手 つなぎ歩まん!


     我は高村桃矢なり!


      ピーチ・エース! カジュー! ヒャクパーセントー!」






 しかし、何も起きなかった!




「……。」


「……。」


「……。」


 桃矢、まんご、ドリアの3人は、お互いを見つめあい、しばし沈黙した。



「やはり、少女でないとフルーツプリンセスには、なれないのかもしれませんね……。」


 沈黙を破ったのは、プーモちゃんだった。


 プーモちゃんは残念そうな声を出した。



「あ〜ぁ、まぁ、ねっ。お兄ちゃん。元気出して……。」


 まんごは、桃矢の背中を優しくさすってあげる。



「お兄様、元気を出してくださいませ……。」


 ドリアも、まんごの真似をして、桃矢の背中を優しくさすってあげた。



「う、うん……。」


 桃矢は、右手に握りしめたピーチ・エースをじっと眺めた。



「いずれにせよ、それは、そなたが持っておくといいです。いつか役に立つ時が来ると思います」


 プーモちゃんは、言う。



「じゃあ……。」


 そう言って、桃矢は『ピーチ・エース』をしまった。(どこに?)




「あっ、そうですわ、わたくし、おまんじゅうを持っていましたのよ。プーモちゃんも、よろしかったらおひとついかがでしょうか? スネイクの作るおまんじゅうは最高ですのよ〜」


 ドリアは、魔法少女『フルプリドリアン』の変身を解除し、元のオレンジ色のワンピース姿に戻る。その背中には、カバンも現れた。


 ドリアは、重箱の中からおまんじゅうを1つ取り出した。



「プーモちゃんは、おまんじゅうは食べられるのでございますか?」


「食べ物ですか、小さいものなら食べることもできます。私の根元にある(うろ)に入れてもらえるとありがたいです」



(うろ)って何でございますか?」



「ドリアちゃん、(うろ)っていうのはね、木の幹のところにできた穴のことだよ。あっ、ここよ、見て、ドリアちゃん、ここに穴があるよ」


 まんごは、プーモちゃんの木の根元近くに、(うろ)を発見し、それを指差す。



「あ〜なるほどでございますわ〜。ここに入れればいいんですわね」


 ドリアはおまんじゅうを3本の指で優しく掴み、それをプーモちゃんの穴に入れる。



 スポン



 おまんじゅうは、木の(うろ)に吸い込まれるようにして消えてゆく。



「なるほど、


  桃の木の (うろ)が咥える おまんじゅう (字余り)


 か……。」


 桃矢は、ドリアとまんごの後ろで小さく呟いた。




「美味しいですね。ありがとうございます」


 しばしの沈黙の後、プーモちゃんは言った。


 どのように消化したのかは不明だが、プーモちゃんはおまんじゅうを食べたようだ。



「あら、そうでございましょう? スネイクの作るおまんじゅうは最高ですのよ〜。おほほほ」


 ドリアは、満面の笑みを浮かべた。





――――――――――――――




 3人は鍾乳洞から出て、帰路についていた。



「おまんじゅう……。」


 ドリアが言う。



「まだ余っているので、どうぞ、お土産に持って帰ってくださいませ〜」



「あ、ありがとう」


 ドリアは、重箱をまんごに渡した。



「それじゃあ、まんごちゃん。また、お誘いしますわね〜。遊びに行きましょうね〜」



「うん」


 まんごは笑顔でうなずいた。



「お兄様も、ご機嫌麗しゅう〜」


「うん、今日は楽しかったよ。バイバイ」


 桃矢は、軽く手を振る。



 ドリアは、夕日と同じオレンジ色のワンピースをひらひらさせながら、まんごと桃矢に手を振って帰ってゆく。


 ドリアは機嫌が良さそうに笑顔を浮かべていた。艶やかな金色の髪を風になびかせながら。




「「ドリアちゃん……。かわいいね(な〜)」」


 桃矢とまんごは、ぽつりと呟いた。



 そして、はっ、とお互いに顔を見合わせた。




===============================




 私、高村まんご。小学3年生。


 マンゴスチン・ハートに出会って魔法少女になっちゃったの。



 今回は、お兄ちゃんとドリアちゃんと鍾乳洞に来たんだけどね……。




 変な桃の木が出て来たわねぇ〜。


 『プリンセス・桃の木』って名前らしいわよ。


 もちろん、カタカナで書いたらダメよっ。



 なぜって? それは、危険な香りがするからよ!


 危険だって囁くの、私のゴーストがっ……。



 えっ? ゴーストが囁くのは大丈夫なのか?



 わからないわ。言えることは、これもギリギリってことぐらいかしら。


 怖いわねぇ。


 夏の○ン祭りが流行っているらしいじゃないの。


 まぁ、この作品は、健全だから大丈夫よね。おそらく……。



 とりあえず、この桃の木は便宜上『プーモちゃん』と呼ぶことになったからねっ。そこんとこ、夜露死苦っ!



 ん? ググったら、『プーモちゃん』ってキャラが出て来た?


 それは知らない。そっちは完全に偶然の一致だからねぇ。


 これは、略したから、こうなっただけなの。もうどうしようもないわ。




 え? プーモちゃんがよくわからないこと言ってたって?


 ダンジョンとか? ステータスオープンとか? 23話とか?



 まぁ、そう言うことなんじゃない……。


 ダンジョンに潜らないと、ローファンタジーでは生きていけないのよっ!


 でも、23話後に突入するから、安心してねっ。


 それまでは普通の話だからねっ!




 何? うん? そうよ。数字は変更する可能性が……。


 ありま〜〜すっ!



 ダンジョンに潜らない可能性も……。


 あると思います!




 さて、お兄ちゃんが『果物型変身装置(フルーツデバイス)』の『ピーチ・エース』を手に入れちゃったわよっ!


 でも、変身できない……。う〜ん、残念!



 でもね、色々なフラグがビンビンに立ちまくってるわねぇ〜。


 きゃ〜あ、面白くなって来たぁ〜。



 どうなるんだろうね?


 続きが気になるよね?



 楽しみに待っていてねっ!




 あっ、でも、次回からは、本格的にあのプロジェクトが始まるのよ。


 メインストーリーといっても過言ではないメインな話がねっ!



 世知辛い世の中だからね〜。普通に魔法少女だけしてればいいってもんじゃないのよ? わかる? わかるよ、ねぇ?



 付加価値よ、付加価値!



 魔法少女マンゴ☆スチンといえば、これだ! ってのを次回から始めていくからね。


 他の魔法少女とは違うのだよ! ってところを見せてやるんだからっ!



 何かって?


 それはお楽しみでしょ?


 次回予告のタイトル見ればいいんじゃん?



 あっ、でも、それ見ちゃうと逆に気になるよ。


 もぅ、楽しみで夜も眠れなくなっちゃうね。



 次の更新まで、寝かさないよ〜うっふん!



 な〜んてねっ。


 それじゃあ、次回も、よろしくっ!



 それじゃあ、バイバイ!




 次回!


 魔法少女 マンゴ☆スチン

 『第8話 KUDAMONO! ふたりはフルプリ! Mangosteen!だまんごー』


 だよっ!



 絶対に読んでねっ!


 マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!


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i488219
秋の桜子さまよりいただきました。
リンク先は『マンゴスチンから生まれたマンゴスチン太郎』です。
i471546
こちらもどうぞ!完結しました!
― 新着の感想 ―
[一言] 今回は伏線回っぽい。 23話先って、凄すぎでしょう。 桃矢くんのことも気になりすぎ。
[一言] マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー! クリア後にしか入れない隠しダンジョンキターーーー!!!!www ザコキャラが下手なボスキャラより強かったりするんだよね( ˘ω˘ ) でもま…
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