第57話 新たなる風!疾風迅雷!チェリモちゃん!だまんごー。
「あれっ、いいとこにやってきたやん。助かるわ〜! うちら、ちょうど、イナゴに襲われててん!」
まんごたちが、世界樹の穴を通って、ダンジョンの世界から現実の世界に戻ってくると、彼女たちの目の前にいたのは、魔法少女の格好をした少女だった。
彼女は、薄緑色のチャイナドレスを着ており、彼女が右手に持った杖型の魔法の杖の先端には緑色の果物が付いている。それは、まんごたちには見慣れない果物だった。
「なぁ、ここから出て来たってことは、君らも魔法少女やろ? ちょっとばかし助けてくれへんか? なぁ?」
少女は、顔の前で手を合わせながら、まんごたちに頼み込んだ。彼女は、くりっとした薄い水色の瞳を輝かせ、まんごたちを見つめる。
「大変そうだね。女の子が困っているのは見過ごせないからね、私たちでよければ、力を貸すよ。私とこのドリアちゃんなら、今すぐにでも戦えるよっ!」
まんごたちの先頭を歩いていた宮村まんごは、少女の言葉にコクリと頷いて返し、そして、視線でドリアを指した。
「わぁ〜。助かるわぁ〜。しかも魔法少女が2人もいるんやぁ〜。ええなぁ〜。うちはここでは一人ぼっちやったからなぁ〜。ほんま羨ましいわぁ〜」
その少女は、満面の笑みを浮かべながら、まんごたちを興味深そうにキョロキョロと見回す。彼女の身長は、ドリア・ヌ・ロドリゲスと高村まんごよりも少し低いぐらいである。2人と目があった少女は、2人にニコリと笑いかけた。
「あっ、この子がドリアちゃんで、この子がまんごちゃんね。まんごちゃんも、一応は魔法少女なんだけどね〜」
2人の横から、宮村まんごが、2人を紹介する。
「よろしくでございますわ〜」
「よろしく〜」
ドリア・ヌ・ロドリゲスと高村まんごは、その少女に笑い返す。
「で、私も、まんごよ。宮村まんごよ。よろしくねっ。え〜っと……」
「うちは、『チェリモ・ヤ・ファストウィンド』。うちのことは、チェリモって呼んでーや」
チェリモは、そう言って、もう一度、ニコリと微笑んだ。彼女が頭を傾けると、彼女のブロンズのショートヘアーが、サラリと揺れた。
「そうかぁ〜。ちなみに、チェリモちゃんは何のフルーツプリンセスなの?」
宮村まんごは、チェリモが右手に持った魔法の杖の先端の緑色の果物に視線を移す。
「うちは、『魔法少女フルプリチェリモヤ』やねん。そして、この子が『チェリモヤ・スペード』や!」
彼女は、魔法の杖の先端の緑色の果物を指す。そう、彼女の持っている果物型変身装置は、『チェリモヤ』の形をした『チェリモヤ・スペード』だったのだ。そして、彼女は、それを使ってフルーツプリンセスに変身していた。
「へぇ〜、『チェリモヤ』かぁ〜。あ〜〜、あの、ライフ○ード、美味しいよねぇ〜」
宮村まんごは、ウンウンと頷く。
ポヨン
「……って、それ、『チ○リオ』!」
チェリモは、宮村まんごのぽよぽよとしたおぱいに横から、ツッコミを入れる。彼女は関西人ではないが、ツッコミは得意なのだ。そして、もちろん! 宮村まんごの豊満なおぱいは、チェリモのツッコミによって、ポヨンと揺れた。
「あ〜、そっかぁ。大丈夫! 知ってるよ〜。世界で一番高い山でしょ?」
ポヨン
「チョモランマ!」
「あ! あれか〜、男の子の股間に付いているやつ?」
ポヨン
「ち○こ! って、もはや『チ』しかあってへんでぇ〜」
「あ〜、じゃあ、そのち○こを使ったことがない?」
ポヨン
「チェリーボーイ! って、それ、違う果物になってしもてるやん!」
「シルバー?」
ポヨン
「チャ○オッツ! 惜しいようで、惜しくない!」
宮村まんごがボケる度に、チェリモの渾身のツッコミが、マンゴーおぱいに炸裂し、それはポヨンポヨンと気前よく揺れた。
宮村まんごも、チェリモも、しばし、ボケとツッコミの応酬を楽しんだ。
「ははは〜。ごめんごめん。一応、知ってるよ。あの緑色したトロピカルフルーツでしょ? 私も見るのは初めてだけどね」
「そやぁ! そやねん! それが、『チェリモヤ』や!」
そう、チェリモヤは、マンゴスチン、ドリアンと並んで、世界三大トロピカルフルーツと言われる果物である。宮村まんごは、それを知ってはいたが、実物のチェリモヤを見るのは初めてだった。
「……それで、今は、一人で戦っているのか?」
宮村まんごは続ける。彼女たちが話している間にも、彼女たちの周りには、多数の何かが動いている気配があったからだ。というか、宮村まんごがボケている間にぞろぞろと集まってきたのだ。
「いんや〜、今は、仲間もおるよ〜。うちは、この世界樹を守るためにここで戦ってるけど。今、空で戦ってくれてる魔法少女が2人おるんや。だから、その子らを助けたってくれへんか〜?」
「わかった。空だね……。」
宮村まんごが上を見上げると、生い茂る木々の隙間から青空が見えた。そして、その空の上には、巨大なイナゴが飛びかっていた。
「そうやぁ。空にはメロンの子とピーチの子がいるからなぁ〜。あの子らも頼りになりそうやねんけど、何しろ数が多いんよねぇ〜」
「ピーチ……? あれっ? もしかして?」
高村まんごが何かに気が付き、首を傾げる。
「あれっ、そうだね。確か、桃矢君って……。ねぇ、チェリモちゃん、ここってどこ?」
宮村まんごも、何かに気がついた。
「ここ? ここは、タイ王国やでっ」
チェリモは答える。
「そっか、そうだよ! じゃあ、きっと、お兄ちゃんだよ!」
世界樹を出入り口とするダンジョンの世界は、お約束通りに、こちらの世界の時間軸と空間軸から切り離されているため、時間の進み方も場所の位置関係もあべこべなのだ。
日本にあった桃の世界樹からダンジョンの世界に入り込んだまんごたちは、マンゴスチンの世界樹から、こちらの世界に戻って来た。そして、このマンゴスチンの世界樹はこちらの世界では、タイ王国にあったのだ。
そう、タイ王国は、高村まんごの実の兄の高村桃矢が、性転換手術を受けるために、父親の高村甜瓜と一緒に旅立った国だったのだ。
(作者注: 詳しくは第32話をお読みくださいませ。)
「うわぁ〜! この上に、桃矢お兄様が、いるのでございますわね〜」
ドリアも、状況を把握したようで、嬉しそうな声を出す。
「うん。しかもっ、ついに魔法少女に変身できたんだっ! やったぁ〜」
「やったでございますわね〜。お兄様は、魔法少女に変身したがっていましたでございますからねぇ〜」
2人は、手を取り合って喜びを分かち合った。
「だとしたら、メロンは誰なんだ? 私の知らない誰かかなぁ……。まんごちゃんは、心当たりはある?」
宮村まんごは、腕を組んで考えながら、高村まんごに視線を送った。
「う……ん。たぶん……。お兄ちゃんと一緒にいるってことは、パパだと思うなぁ……。」
桃矢が魔法少女に変身できたことに喜んでいた高村まんごだったが、急に、口元に引きつった笑みを浮かべた。
そう、高村まんごの頭の中に、桃矢と一緒にいた人物で候補に上がるのは、彼女の父親の高村甜瓜だったのだ。そして、彼女は、父親の甜瓜もまた魔法少女になったのであろうと感づいてはいたが、娘のまんごには、それを喜んでいいのかどうかわからなかった。
「パパ……? あっ……、そうかぁ……。これは、あまり詳しい話を聞かない方がいいやつかもしれないわねぇ……。」
宮村まんごも、口元に引きつった笑みを浮かべ、頭をポリポリと掻く。
「さぁて……と、とりあえず。早く、お兄様を助けに行くでございますわっ!」
ドリアにしては珍しく、空気を読み、早く桃矢と甜瓜の元に行くことを、宮村まんごに促した。
「そうだね。急ごう! あっ、そうそう。私とドリアちゃんは、すぐにでも戦えるけど、まんごちゃんは果物型変身装置を食べられちゃったんだ。だから、マンゴスチンの世界樹に会いたいんだけど……。」
宮村まんごは、チェリモに聞く。そして、高村まんごもチェリモの方に向き、期待を込めた目で、彼女に視線を送った。
「あぁ、それは、そこにいる世界樹の『プーマンちゃん』のことやんね。プーマンちゃんに頼めば、きっとなんとかしてくれるはずやでっ」
マンゴスチンの世界樹は、『プーマンちゃん』と呼ばれているようだ。『プリンセス・マンゴスチンの木』からとったのであろう。
ただの略である。深い意味はない!
プーマンちゃんは、まんごたちのすぐ後ろにいる。そもそも、マンゴたちは、『プーマンちゃんの中を通ってこちらの世界に帰ってきたのだから。
「だって……。まんごちゃん。一人で、できる?」
「うん、大丈夫! ひとりでできるもん!」
高村まんごは大きく頷いた。
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「ほな。この周りにいるイナゴをなんとかせーへんといけんなぁ〜。飛び上がってる最中に虫にやられるのは、嫌やもんなぁ〜。まぁ、うちがなんとかするから、いつでも飛べる準備だけはしといてや〜」
チェリモは、そう言うと、杖を構える。彼女たちが話しているうちに、世界樹の周りには、巨大なイナゴが数匹集まってきていたのだ。
そのイナゴたちは、世界樹の周りだけでなく、空を飛びかってもいた。世界樹の上空で、桃矢と甜瓜が戦っているのも、大量発生した巨大なイナゴたちである。
「うん。わかった」
「はい! でございますわっ!」
宮村まんごとドリアは、フルプリへの変身を完了し、彼女たちも杖を構える。もちろん、今回も急ぎなので、変身は簡潔バージョンだ。
「ほなっ! 行くでっ!」
2人が変身したことを確認し、チェリモが呪文の詠唱を開始する。世界樹の周りの木々に隠れているイナゴたちを一掃するためだ。
「悠久に繰り返す時代 生滅を繰り返すことわり
終わりなき永遠もまた 絶対で冷酷な定め
輪廻を刻め! 運命の氷河! ヒューロニアン・アイス・エイジ!」
ヒュウ〜〜
ピシッ ピシッ ピシッ
チェリモが呪文の詠唱を終えるや否や、その魔法の杖から、青い光が放たれた。
その青い光に照らされた周りの木々、そして、木々の周りにいた巨大なイナゴは次々に氷漬けにされていく。
ピシッ ピシッ ピシッ
一瞬にして、まんごたちを取り囲むように、辺りは氷漬けになった。
「さぁ、2人ともっ! 今やぁ!」
チェリモは、まんごたちの方に振り返り、ニコリと笑みを飛ばす。
「よしっ! ドリアちゃん、いくよっ! それじゃあ、行ってくるねっ! まんごちゃん!」
「はいっ! では、まんごちゃん! 行ってくるでございますわ〜」
フルーツプリンセスに変身を終えていた宮村まんごとドリアの2人は、空に向かって飛び立った。
「うんっ! 私も、マンゴスチンの世界樹にお願いして、できるだけ早くなんとかしてもらうからね!」
宮村まんごとドリアが空に向かって飛び立つのを見送ると、高村まんごは、すぐに振り向き、マンゴスチンの世界樹のプーマンちゃんに話しかけた……。
ドドン!!
次回に続く!
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私、高村まんご。小学3年生。
ある日、マンゴスチン・ハートに出会って、魔法少女フルーツプリンセスになっちゃったんだ。でも、大事なマンゴスチン・ハートは、エロくて変態な誰かさんに食べられちゃったの。
そこで、マンゴスチン・ハートをなんとか助けるために、ダンジョンにやって来たんだ。そして! そんなこんなでダンジョンを過ぎ、ついにマンゴスチンの世界樹の『プーマンちゃん』の元にやって来たんだ!
やっとだね〜。長かったね〜。
え?
プーマンちゃんの目の前なのに、プーマンちゃんは会話に出てこないのかって?
う〜ん。まぁ、今回はチェリモちゃんが主役だしね。新キャラを何人も一気に出すと、覚えられないでしょ? 順番! 順番!
焦らなくてもいいんだよ! どうせ次に出てくるから、おそらく。たぶん。メイビー。
大丈夫! マンゴスチンシリーズだよっ!
それにしても、新キャラ!
いいでしょ? いいでしょ? 可愛いでしょ?
え? キャラデザイン?
まぁ、目の色と髪の色、あと、髪型くらいでしょ? そんなものは、誰かさんと被ることもあるよ。うん。気にしない。これを気にしだしたらきりがないよ。
え? チャイナドレス?
まぁ、タイ王国だし……。
てか、タイ王国の民族衣裳にしてもよかったんだけどね〜。わかりにくいでしょ?
と言うことで、チェリモヤの薄緑色を基調にしたチャイナドレスだからっ!
そう言うことだからねっ!
好きでしょ? チャイナドレス?
え? なんで関西弁なのって?
じゃあ、逆に聞くけど、タイ語でいいの?
ダメでしょ? 読めないでしょ?
まぁ、イギリス人に英語を喋らせた作品もあるからねぇ〜。思い切ってタイ語にしちゃうと、それはそれで笑いが取れたかもね。
ん? あっ、『月と海のリザレクション』のことね。まだの方は読んでおくといいよっ!
ま。でも、言語で変なことすると読者が離れるからね……。うん。だから、日本語が無難なんだよ。
……ということで、チェリモちゃんは、タイ人です。でも、関西弁を話します!
そういうことなの! わかった?
そのうちチェリモちゃんのおパンツ見したげるから、ね? ね? ね?
はい。
さぁて、ドリアちゃんとまんごさんが、お兄ちゃんとパパを助けに行ったし〜。
きっと次回は、お兄ちゃんとパパの登場だね。
ついに!
ついにっ!
だね〜。色々あったけど、ついにお兄ちゃんが念願のフルーツプリンセスに変身だよ〜。お兄ちゃんが『ピーチ・エース』を手に入れたのは、第七話だったね。うん。
あれもずいぶんと前のことだね〜。しみじみ。
ついでに、パパも変身して出てくるようだし。一気に2人分。だねっ! 2人ともどんな衣装になるのかなぁ〜。楽しみだねぇ〜。
じゃあ、またっ!
次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン A’s
『第58話 ぽよぽよな 桃とメロンの 調和!だまんごー』
だよっ!
絶対に読んでねっ!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




