昔話 ギルド戦
近々生き返るかも?
「クソ! あと少しで勝てそうっていう時なのに! 全員下がれ! 決戦兵器が来るぞ!」
指揮官が叫ぶような声で辺りにいるプレイヤー達に伝える。しかし、下がるように指示をしていた指揮官が突如として降ってきた黒剣が体に複数本刺さり、瞬時にしてHPが0になって戦闘フィールドから姿を消す。そして、プレイヤー達が空を見上げると、今まさに降り注ごうとしている黒剣の雨をはっきりと視認する。
それを見た瞬間に各々が走り出す。
「クソ! 遅かったか!」
「んなこと言ってる暇あったら走れ! あんな風に針ねずみになりたいのか!?」
「チクショウ! なんであんなのが平然と存在しているんだ!!」
走り出した数秒後に連続して鳴っている轟音を背に、不可侵フィールドまで急いで走っているプレイヤー達はそう口々に叫ぶ。
そんな答える人が本来いないはずの問いに答える存在が撤退しているプレイヤー達の目の前に現れる。
「それはじゃのう…………。ワシじゃからだよ」
長い白い髪を風になびかせ、赤く光る目をした少女がプレイヤー達を見下ろす。
「なっ……………!?」
「い、いつの間に!?」
「ま、待て! 後ろにいた奴等は………………?」
そう言って、走っていたプレイヤー達が後ろを振り返ると、其処は一面に剣が刺さっている静かな戦場が広がっていた。
「「「んな………!?」」」
驚きのあまり、固まるプレイヤー達に少女はさらに絶望を重ねる。
「お主らで最後じゃの」
そう言って、少女は右手を光らせる。
その様子を見たプレイヤー達は逃げられないと悟り、覚悟を決めた顔をする。
「く、クソが!!」
「こうなったら捨て身の覚悟で!!」
「一矢報いるまでだ!!!」
「「「うおおおおおおおおお!!!!」」」
プレイヤー達はこの瞬間に己が出せる最高火力の武技や魔法を少女に叩き込もうとする。
しかし。
「【シャインバースト】」
少女が放ったたった一発の魔法でプレイヤー達のHPは全損する。
魔法を食らったプレイヤーの1人がありえないものを見た表情をしながら消えていく。
「すまんの。ワシとお主らでは魔攻と魔防の差が大きすぎて、防げる防げないのレベルではないんじゃよ」
少女が消えていったプレイヤーに解説するようにそう呟く。
少女が1人戦場に立っている中、ギルド戦の終わりの合図が戦闘フィールド内に鳴り響く。
こうして、少女1人による虐殺が終わった。
「的な感じで、ワシが参加出来てたギルド戦の最後の方は、ギルド戦が相当不利になったらワシが出ても良いって感じじゃったんじゃが、1人でひっくり返し過ぎて、とうとうギルド戦に出禁になったわい」
「出禁て………。なんかすんごい話ですねぇ……………」
ベッドの上で、寝っ転がりながら昔話をした御影にリエナが信じられないものを聞いたという表情をしながら相槌を打つ。
昔話をして少し上機嫌になった御影は「まだ何か聞きたいことはあるかの?」とリエナに聞く。
こうして、少女達の夜は更けていく。




