第23話 第2次チャレンジダンジョン攻略 その1
「なんかダンジョンを歩いてる感がない……………」
ルメリアが道を歩きながら、そう呟く。
現在、御影達はダンジョンの4層目を歩いている。4層目も上の1、2、3層目と大して変わりはなく、たまに骨人の上位種が出るだけで御影達のパーティーにとって大したことはなかった。
「そりゃあ目の前にこのダンジョンをお散歩出来る存在がいて、ソイツが片っ端から危険な奴等を排除してるからな」
横を歩いていたラウがルメリアの呟きに反応して返す。
その瞬間にも御影は自分の魔力で作り上げたクナイのようなもので、ストーンエレメンタルを一撃で撃墜させる。
「ほらな?」
「私のあの地獄のような戦闘はなんの意味が……………」
ルメリアがレベリング作業を思い出して、うっ!ってなるのを見た御影が辺りの索敵をしながら答える。
「意味はあるぞ? 何よりワシが守る手間がどんどん減っていく。なんならこの辺りの掃除も任せたいところじゃが、今はとっとと8層目に行くのが先決じゃ。階層解放ボスの条件もいまいち分かってないしの」
「解放ボスねぇ…………。また帝王龍系が出てこなきゃいいんだけどな………」
「か…………!?」
ラウがボソリと呟いた単語に驚くルメリア。なんせ帝王龍という存在は出現が確認されると組合の1級冒険者達が集められ対策チームが作られる、文字通りの生きる災害なのである。それにこのダンジョンで出てきたというラウの言葉を聞いて、若干来たことを後悔するルメリア。
「まー、あのバカそうな奴が作ったダンジョンじゃ。どうせロクでもないのが出るに決まっとる。今回はさっさとケリをつけるつもりじゃ」
「さらっと恐ろしいこと言ってんな。お前……………」
御影の言葉に若干引くラウ。
なんせ、要約すると帝王龍クラスを瞬殺すると言っているのだ。引かない訳がない。
そんなゆるーい会話をしながら一行は進んでいく。
御影達はようやく奥にあるボス部屋の前に到着した。
「さて、もう休憩はいいじゃろう。ボス部屋じゃ。行くぞ」
少し休憩を取ったあと、御影達はボス部屋の扉を開ける。
そんな入ってきた御影達を歓迎するようにボス部屋の中央に立っていたのは。
「む? 久しぶりに見たの。巨骸悪魔か」
「たしか、骨系の悪魔だっけか」
「まぁ、4層目までのコンセプトが骨系の魔物みたいじゃからな。ちなみにワシが前に来たときは骨人司令官じゃったぞ」
「げ、変わるのか」
「まぁ、そのへんも追々調べないといかんのぉ」
巨骸悪魔が足音を響かせながら、どんどん2人に近付いてきているが、そんな呑気な会話をする2人。その様子にリエナとルメリアの2人は慌てて声をかける。
「ちょちょちょ、なんでそんな悠長に会話をしてるんですかー!? こっちに歩いてきてますよー!?」
「そ、そうよ! もっと緊張感を……………!」
そんな慌てる2人を見て御影がふっと笑い、巨骸悪魔に手を向ける。
「悠長に会話出来るとも。一撃じゃからの」
そう言った御影の手のひらから巨大な火球が出現し、そのまま巨骸悪魔を包み込む。
「GUOOOON!?」
突如として、燃え上がった自分の体に驚きながら巨骸悪魔は灰となっていった。
「こんなLv100超えたあたりの魔物に遅れを取るわけないじゃろう」
「まぁ、そうだろうとは思ってた」
御影とラウの言葉に、少し疲れた表情になる2人。リエナはそういえばそういう存在だったということを思い出し、ルメリアはまた非常識な力を見たことに驚き疲れる。
「ほれ、行くぞ。ここから少々面倒じゃからきちんと付いてくるのじゃぞ」
そう言って、御影達は5層へと降りていった。
「あ、暑そう……………。だけど、ようやくダンジョン感がする…………!」
5層目の煮えたぎる溶岩の海を見て、若干興奮しだすルメリア。既に御影によって全員に耐熱魔法が掛けられており、溶岩に直接落ちたりしなければ、この程度の暑さは障害にはならないだろう。
「さて、これから浮き石を跳んでいく訳じゃが、お主達にも跳躍力増加のバフを掛けておいたから落ちぬようにな?」
「は、はい!」
「分かったわ……」
御影の言葉に気を引き締める2人。御影としてはなんなら重力を軽減する魔法を掛けてやりたかったが、この手の魔法を使うとフィールドにある浮き石が落っこちたり、重力がおかしなことになったりするので使う訳にはいかなかった。
「では、行くぞ」
そう言って、御影達は浮き石を跳び始めた。
順調に浮き石ロードの中間の大きな浮き石まで進んだところで、御影が注意していた存在がついに出現する。
「御影ちゃん! なんか下にいる!」
「うお、マジか」
「む、出てきたな。じゃあ死ね」
溶岩の海から顔を覗かせた溶岩竜魚を見たリエナの言葉を聞いて、御影は即座に魔力の槍を投げる。
しかし、あちらも即座に溶岩弾を吐き出していたらしくて、御影達が立っていた浮き石に溶岩弾が溶岩竜魚に槍が突き刺さると同時に直撃する。
「うわわ!?」
「あぶねぇ!」
浮き石がぐらりと揺れ、足を滑らせかけていたリエナを即座にラウが腕を掴んで、落ちないようにする。
しかし。
「きゃあああ!?」
既に足を滑らせていたルメリアが溶岩の海へと落ちていた。
「ラウ! リエナを頼んだぞ!」
「おう!」
その様子を見て、すぐさま御影が浮き石から飛び降りる。
「(チッ、若干届かなさそうだから加速するか! 【空歩】! ついでに鎖も!)」
御影は空中で魔力で一瞬足場を作って、空中ジャンプを可能にするスキルを使って、さらに加速する。加速する前に魔力で作り上げた鎖を浮き石に投げて引っ掻けておくのも忘れない。
「ルメリア! 手を伸ばせ!!」
「!!」
御影の声にルメリアが閉じていた目を開け、目の前に伸ばされている御影の手を見て目を見開く。
そして。
「ふぅ。危なかった…………」
ギリギリ溶岩の海へと落ちる寸前に無事にルメリアを掴めた御影は鎖にぶら下がりながら、そう呟いた。
ラウが鎖を引き上げている間に、ルメリアがポツリと呟く。
「その…………落ちちゃってごめんなさい…………」
「ん? 気にするな。そもそもダンジョンに潜ったことないのがここにいることが結構異常だからな。連れてきた俺がそこらへんをきちんとカバーしないといけないし」
ルメリアの謝罪に御影が変なフォローをする。
そんな御影の言葉にルメリアがあることに気付く。
「ミカゲ、口調が……………」
「おっと、すまぬすまぬ。たまーに戻ってしまうのぉ。気にせんでくれ」
そんなやり取りをしていると、浮き石にだいぶ近付いてることに気付き、御影は大胆なことをする。
「きちんと受け止めるから済まんの、ルメリア」
「え? きゃああああああああ!?!?」
「ミカゲェェェェェ!?」
「えぇぇぇぇ!?」
御影は突如としてルメリアを真上にぶん投げる。
ラウとリエナが奇声を上げる中、御影は空歩で浮き石の上に素早く着地し、そして落ちてきたルメリアをお姫様抱っこの状態でキャッチをする。
「ま、また落ちるかと思った……………」
「ミカゲェ……………。心臓に悪いことはヤメロォ…………」
2人が真っ青な顔になるなか、御影は悪びれもせずにぶん投げた言い訳を言う。
「わざわざ拾いにいったのに、なんでまた落とさなきゃいけないんじゃ」
「「じゃあ投げるな!!!」」
御影の言葉に仲良く、ラウとルメリアは突っ込みを入れる。
もうルメリアは数分で2回も臨死体験をしたことに顔が完全に青を通り越して、白になってしまっていた。
それから、御影達は慎重に浮き石を跳んでいき、6層目へと進んでいった。
古戦場走らないで、こちらの更新をしたい(願望




