第12話 攻略休止
なんかすんごいPV伸びてて感謝!
ダンジョンに死体が吸収されないように、急いで溶岩人形ノ王の欠片をかき集め、選別する作業をしながら、御影は気になっていたことを騎士達に質問する。
「なぁ、お前ら。いつから喋れるようになったんだ? 俺の記憶だとゲーム中じゃあ、
ただの案山子だったと思うんだが?」
その言葉にリーダー格の騎士が遠くに転がった欠片を御影の元に置いて、自分達の身に何が起こったのかを説明する。
「そうですね。確かに彼方の世界では私達はただの物を言わぬ案山子でした。しかし、主様がこちらの世界に来た瞬間、主様が組んだ我々を呼び出す術式が召喚魔法の術式に変化したんです」
「術式が変化…………? それでお前らが喋るようになったのにどう関係してくるんだ? これはゴミだな。いらん」
選別を続けながら、一番知りたいことを聞く。
「我々の術式が召喚魔法になって変わったことで、我々は召喚されるものへと変化しました。具体的には魔物みたいな存在へと」
「なんだと……………?」
騎士からの言葉に耳を疑う御影。
「簡単に言うと、我々は人造魔物と言えるものでしょう。魔物となったおかげで我々に知性と言えるべきものが芽生えたので好都合でしたが」
「うーむ。なるほどなぁ。ゴーレムに意志が芽生えたものみたいなもんか。確かゲーム内でもNPC召喚体とかいたからなぁ。そのへんも色々調べないと行けなさそうだな」
「そうですね。これで周囲に散らばった破片は最後です」
ゴトッと重い音を響かせながら、破片を御影の近くへと置く騎士。
近くに来た騎士をなんとなく御影は鑑定スキルで鑑定をしてみる。
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名前 なし Lv_
種族 影騎士
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そして、出てきた種族名をさらに鑑定をしてみる。
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【影騎士】
歴戦の騎士の影から生まれた影の魔物。
影の持ち主と同じ能力や剣技を扱う厄介な魔物。
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どうやら、実在する魔物のようであった。確かに格好いいからと御影はこの騎士達を作る際に魔力に影属性を混ぜたが、まさかのこの世界で実在しているとは思いもよらぬことである。
「とりあえず、お前がいま持ってきた破片で最後だな。おつかれさん。もう還っていいぞ」
「今回は大規模な戦闘へと呼んでくださり、ありがとうございます。それと1つ……」
必要な素材を回収しきり、騎士達に還っていいと伝える。すると、騎士達は佇まいをきちっとし、御影にある要望を言う。
「すみません、我々が退去する前に、前をお隠しになってください……………」
まだ御影は上裸であった。道理で、先程から御影を直視しない訳である。
「お? おぉー、忘れてたわ。てか、別に気にしなくていいだろ~。元男の裸なんぞ。見たって何も良いことなんてねぇだろ」
そんなことをあっけらかんと言い、自分の上半身を見下ろす御影。自分がキャラクリにこだわっただけあって、素晴らしい神的バランスの肉体である。
「いえ、今は主様は女の子なので、そのへんはきちっとして頂かないと…………。困ります」
「そうです。我々には身に余る幸h、ンンンッ、少々目に毒かと」
「ですね。先に帰った仲間達からボコボコにされてしまいます」
キッパリと御影へと苦情を言う騎士達。
「まぁ、そうだな。実際いつまでも上裸でいるわけにはいかないし、忘れる前に着とくか」
そう言って、御影は先程とはまた違うゴスロリの服を着る。その様子を見て、騎士達は安心して還っていった。ちなみに、彼らはただ単に自分達の姫の至高の肉体を他の生物に見せたくないだけというのは彼らだけが内心に秘めている事実である。
御影は還っていった騎士達を見届け、どうするかを考える。
(さてと、たしかあの溶岩人形ノ王は、階層ボスでは無かったな。基本的にこのボス部屋に湧く偽階層ボスを倒さないといけないからどっちみちか)
「帰りながら、魔物殲滅しとくか」
そうして、御影は帰りながら5、6、7層の魔物を虱潰しに消し飛ばしていった。
殲滅に時間が掛かり、だいぶ日が落ちてきた時間に御影は家の前に辿り着く。
「帰ってきたぞ~」
「あ、おかえりです!」
「キュイー!」
御影が家に帰ると、リビングでのんびりとしていた1人と1匹に出迎えられる。
「あぁ、ただいま。ん? この匂いはカレーか?」
「えへへー! 正解でーす! カレールーとお米なんてアイテムがあったので作ってみましたー!」
カレーの香ばしい香りがリビング中を包んでいる。
そんなリエナの言葉に御影はふと思い出す。
「そういえば、農業もしないといけないし、近いうちに調味料関係もどうにかしないといけないか…………」
「え、農業ですか…………?」
「お前、今日使ってた米とか調味料が無限に湧いて出てくると思うなよ…………?」
部屋着に着替えながら、御影はジト目で突っ込む。ちなみに、部屋着はモッコモコの可愛いタイプのスエットである。
「マァ、デスヨネ」
「分かればよろしい。しかし日本料理って基本的に物語とかで文明破壊物だから慎重に増やしてぇなぁ…………。まぁ、そのへんはラウの奴に任せりゃいっか!」
「ですね!」
2人揃ってラウに丸投げすることに決める。
この瞬間、とっくに測地を終えて領地に帰っていたラウは突如寒気と胃痛に襲われたのは偶然ではないのかもしれない………………。
「んで? 結局構成は決まったのか?」
カレーをモシャモシャしながら、御影はリエナに構成は結局どうしたのかを聞く。
「一応短剣か長剣1本と短杖もしくは素手による構成にしようかと………」
「となると、職業は魔法剣士系か」
「はい」
「んぐんぐ…………、妥当っちゃ妥当だな。その構成やるなら短杖は捨てて無手で魔法を扱えるようにしないとだな。やっぱり近接は両手で扱えると楽だし。だから早いうちに指輪とかそういう手を塞がない魔法媒介を用意しないとな」
「あー、たしかにそうですね…………。私、魔法使うなら杖を使わなきゃって思ってた……」
カレーを平らげながら御影は一番最善の方法があるぞとリエナに向かって言う。
「な、なんですか?」
「無詠唱習得」
「無理ゲーと言いたかったけど、いま目の前に出来る人間がいるのが悔しい…………!」
「なに、そのへんはスキルの力を使えるば、よゆーよゆー。んし、御馳走様」
「あ、お皿はシンクに置いといてください。洗っときますので」
「洗い物は俺がするよ。作ってもらったらそれぐらいはするべきだろ?」
まるで新婚夫婦のようなやり取りをする2人。どちらも女の子だが。
端から見たら、キマシタワー建設などと揶揄されるのは間違いないだろう。
2人とも食べ終わったところで、今後の予定を発表する御影。
「とりあえず、今はリエナのレベリング。というよりはLv100超え程度のステータス強化と立ち回り強化を目標にしよう。それと、少し聞きたいことがあるから、それをラウに聞きにいく。それと、これはリエナの強化が終わったらでいいが…………」
「いいが………?」
御影の長い溜めにリエナが聞き返す。
「仲間集めだ。チャレンジダンジョンの条件達成のための」
チャレンジダンジョンの階層解放に必要な条件の1つに、絶対に複数人での攻略をするというのがあるのである。
これは元々高難易度ダンジョンだから、パーティーでやってね~というゲーム運営からのメッセージで、ソロの人達にも救済策として野良でダンジョンにマッチングするシステムがあったのだが、現実となった世界にそんな便利な機能はないので、人を集めなきゃいけないなと魔物を殲滅しながら御影は思い出していた。
「仲間集め…………! なんかワクワクしますね!」
「キュイキュイ!」
「うーちゃんは既に仲間の1人だから安心して!」
リエナとうーちゃんがそんなやり取りをしている間に御影は仲間と言っても求められるレベルの高さにボヤキが漏れる。
「あのダンジョン、想像以上より攻略するなら推定レベル高いのが面倒だなぁ………」
「他にもプレイヤーの方って落ちてきてないんですかねぇ…………。そうしたら絶対に楽だと思うんですけど………」
「そのへんの情報をラウに聞きたいんだよな。明日辺りアイツの魔力は既にマークしてるし、転移で追っかけるか」
さらっと恐ろしいことを口にする御影。しかし、リエナはこのときの御影の発言を深く考えて無かった為に、ある面倒な事態に巻き込まれることになるのだが。
そのことに2人はまだ知らないので呑気に会話を続けるのであった。
「とりあえず、明日は午前中に訓練で午後からラウのとこにいくぞ」
「はーい、分かりました~」
「よし、今日はもう寝る。おやすみぃ~」
「はい、おやすみなさい~」
皿も洗い終わって、御影は早々と自室へと消えていった。
リエナも続いて、自室に行く。
こうして、この世界に来てから一番とんでもない事態になる日が2人に着実に近付いていた。
ブクマもじわじわ伸びてて嬉しいです!いつかランキングに入れたら嬉しい。




