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第2話 高校生の俺?

 「社畜、辞めたいですか?」

まただ。この謎発言。

「じゃあ逆に、辞められるんですか?」

「そうじゃなきゃ、聞きませんよ?」

そりゃそうか、と俺は考えを改める。

「いや、でも俺、辞めちゃったら食っていけないんですけど…。」

「先にプラン提示した方が良さそうですね」

そう言って男はタブレット端末を出してきた。

「突然ですが松坂さん!おめでとうございます。貴方は、当社『OMC』の新プロジェクトの被験者に当選しました!」

「…は?」

そんなのに応募した記憶もなければ、OMCなんて会社は聞いたこともなかった。

 それに、それが社畜を辞める事と関係性が見えない。

「新プロジェクト、その名も「社畜の1年青春旅行」!貴方は1年間、高校生としてスクールライフを楽しめるわけです!」

 全く話についていけない。

「高校生って…俺もう26の、四捨五入しちゃったら30のオッサンなんだけど。いくら何でも無理だし、会社だって…」

「松坂さん、私に魔法が使えると言ったら、あなたは信じますか?」

「信じない」

魔法。小学生の時憧れていたヒーロー、信じていた、かっこいいビームが出せるヒーロー。その真実を知ってから、当時純粋な子供だった俺は裏切られた感じがして、そういう空想の様な、存在しないものの事が嫌いだった。

「まぁ、魔法は使えませんけどね。松坂さんを高校生にする事ぐらいは出来ます」

本当にこの人は頭がおかしいのかもしれない。俺は悟った。

「目を瞑ってください」

疲れていたので、俺は寝るつもりで、いや、僅かな可能性を、信じてはいないが、とにかく目を瞑った。


*****************************


「おはようございます。ぐっすりでしたね」

「?!」

目の前には、また、あの男。窓に目を移すと太陽が照りつけている。

「い、今何時だ?!会社が…」

「何言ってるんですか、16歳の子供が。学校に遅刻してしまいますよ?」

あぁ、そうだ、この人はちょっと頭が…残念な人だった。

 とにかくシャワーを浴びよう、雪さんに会うのだから、不潔は絶対に駄目だ。

 そう思って洗面台に向かった。


「え?!?!?!?!?!」


肌がスベスベ。シワがない。ヒゲも。そして…なんかえっちぃ事考えられる!

「ちょ!ど、どういうことだよ!!!」

「だから、言ったじゃないですか。貴方は今日から藤山高校に転入する高校2年生。」

「ど、どうやって…」

「場所はネットで調べて下さい。制服、必要な鞄等は、もう準備してありますから。それでは私は用がありますので失礼します。」

「えっちょ、待っ」

男は足早に部屋を出て行ってしまった。


 どうする俺!

 何だかよく分からないが、男の言うことは本当らしい。見た目も若返り、制服も準備してある。

 これはいけるのでは?


簡単に脳内会議を終わらせた俺は、単純にも制服に着替え、家を出た。



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