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残骸兵器の就職試験

――フロッツァ酒場

 組合公認の飲み屋、組合自体も飲み屋みたいなものであるが、こちらは大規模依頼成功時の宴会場としても扱われ、仕事場に長居したくない冒険者も集まる少々騒がしいが組合よりも飲み屋らしい飲み屋である―


 なぜ自分は此処にいるのであろう、この疑問は絶えず自分の心を蝕んだ、戦時中もそうであった、自分の存在を自分で証明できなかった、自分の存在を肯定できなかった。

 しかし今の自分の疑問はそこまで深刻なものではない、むしろ単純明快な疑問があった、目の前で飲んだくれて真っ赤になっている女性はつい先ほど倒れていた自分を心配し、お茶を誘ってくれた、、、はずであったが、飲んでいるのも飲まされているのもお茶ではなく酒である


「だいいちよ~、普通さ、急にいう~~!?」


 マーガレットの愚痴は何を言っているのかがわからない、まずこの店の内装も相当古めかしい、すべて木製の内装で光源はまさかの全てキャンドルランタンであった、ここは電気すらまだ発達していないことがよくわかる

 そしてマーガレットの愚痴であるが、よく聞けばこの世界についてわかることもあった、それはこの世界には魔物がいること、恐らく害獣の類であろう、しかし話を聞くに戦車のような大きさのものもいそうである


「聞いてる~ねえ~!」


 マーガレットは酒を飲みすぎもはや視線が合っていない、なぜか自分と会話しているはずなのに向いてる先は窓際の花瓶である、飲み方が尋常ではない、まるで湯水、いや、湯水でもこんな飲み方はしないという言う勢いで飲んでいる、まるで鯨のように酒を呷る姿は少々すごい


「とりあえず、マーガレットは飲みすぎだよ、それぐらいにしないと死ぬよ?」


 マーガレットは大笑いしながらジョッキを机に叩き付けた、古めかしい木製の机は少しひびが入り、ジョッキには蜘蛛の巣が張るようにひびが入る


「酒で~死ぬわけ、ないだろ~」


 相当酔っている、死ぬときは死ぬのだが説明をしても聞く耳は持たないであろう、万国共通酒を飲んだ者は収拾がつかない、それは上官も一緒であった、酒を呷れば暴れる、そういう人類は世界が変わっても同じだ


「はいはい、でもあんまり飲んじゃ体に悪いから、そろそろやめておこうね」

「うう、私だって~」


 よほど追い詰められているのであろう、その姿は相当見ていて痛々しいものである


「あの、マーガレットさん、少しよろしいでしょうか」


 突如後ろから声をかけられる、飲んだくれたマーガレットに用事があるようである、男の格好は酒場にいる男たちよりも少々小汚い、布切れを羽織りその下には鎖帷子を身にまとっている


「ああ、組合の人~、ドル君ちょっと待っててね~」


 マーガレットは男の後を千鳥足で付いていき、西洋劇のような扉の向こう、外に出て行った、、、その瞬間男の店員は剣を抜き自分の近くの席に座り込む、無銭飲食防止であろう、鋭い眼は自分のうなじに穴をあけそうだ


≪ズビズビ≫


 酒を飲む、ビール、、よりも少々苦い、黒ビールほどの味で黄金色のそれは現代品よりも味は劣るがそれ相応に、少々風情のある味であった、美味しいものが必ず優れているわけではない、パンとてたまには固いものも食いたくなるように、こういうのもたまにはいい

 酒の隣のつまみも食べる、つまみも美味しくはない、しかし塩加減は素晴らしく酒に合うという点であればよいものだ


 酒を飲み干すとドアを眺める、一向に帰ってこないマーガレットに少々の不安を覚える、大丈夫なのかと、もし彼女がこのまま帰ってしまっていれば、、、そうでなくとも酔ってどこかに行った可能性とて考えられる。


「おい!!、そこの少年!!


 しかし自分の考えは見事に外れ、いや、当たってもいた、結論としてマーガレットは此処には戻ってこなかった、戻ってくる予定もなかったのだ、しかしそれは彼女が逃げたからでも酔って放浪したからでもない


――お前の連れ誘拐されたぞ!!」


 唖然とした、店はいまだ騒がしいが伝えに来た男と店員の見張り、そして自分の顔が急に暗くなる、今からこの男の話を聞いて助けに行けば間に合うかもしれない、しかしそれをやるにはまずこの飲み屋の用心棒を何とかしなくてはならなかった

 思考が巡る、どうしたものか、このまま走っていくか、男を説得すべきか、、、そもそも助ける必要はあるのであろうか、助けずに彼女に連れ込まれただけ、などといえばこの場はしのぎ切れ、、、


――なに、困った時はお互いさまってね


 彼女の言葉が頭によぎる、自分うつけ加減が頭を痛める、、、自分に優しくしてくれた人間を助けないわけには、、行かないであろう、彼女は自分を初めて人として扱ってくれた人間だ


「おい、ガキ、いきたきゃいけ、此処は冒険者の飲み屋だ、冒険者のためならつけぐらいつける」


 用心棒はそういうと重たい俺の体を持ち上げて外に放り出した、そうして手をさっさと行けという風に振ると店内に戻っていった





 暗い森、昼であるのにもかかわらずかなり暗い、そこそこ周囲は見えるが足元は皆無に等しく視野がない、俺は急いで街の外の森に行った。


 森の中は虫の声が鳴り響く、以前の世界じゃ絶滅した森と虫、驚きを隠せない、

 しかし今回は驚きこそせど歩みは止めない、誘拐を知らせた男曰くマーガレットは人身売買に賭けられるらしい、その場所は大方見当がついているようであり、もうすぐ見える崖の下であった


 森を走る、所々木々で肌を切るがこの体はすぐ直る、しかしいくら走っても馬車に乗った誘拐犯のほうが早いのは事実、正規の道で追いかければ恐らく間に合わないであろう、川付近で売買をするらしいのだが理由は恐らく船を用意して船で逃げれるように違いない


≪ガラ≫


 崖は思いのほかあっさりとあった、木々で見えずらかったため思わず足を滑らせそうになる、崖の下には船、テントが見える、周囲には5人ほどの人影が、しかし目的の馬車はない、つまりまだ誘拐犯は来ていないことになる


「思ったより早く着いたな」


 周囲に生えている木々の中、立派な枝を二本へし折った、立派な枝である、その長さは1.5mほどあるであろう、遠くから見れば剣を持っているようにも見えるのではないであろうか


 

 そうして少しすると下には馬車が到着した、馬車の中からはしっかりとマーガレットが確認できる、馬車からは4人の誘拐犯が、全部含めて9人、そうだ、そうだ、それしかない、俺は

――殺すことしか出来ない愚か者だ


 俺は勢いよく川に浮かぶ船に向かって飛び降りた、高さはおよそ12m、落下速度はどんどん加速し髪の毛は荒ぶり顔半分を覆った、邪魔臭くて仕方がない


≪ズ、、、ガシャン!!!!≫


 俺は着地より少し早くに木の枝を腕が少し千切れるぐらいの強さで枝を馬車の馬に向かって投げつけた、枝は回転しながら飛んでいき馬の首を落とす、そしてそれより刹那、船には12mの加速で落ちてきた重さ約98kgの俺と衝突した


≪ドガシャン!ガラガラ≫


 船は中央から真っ二つになり川は血の色で真っ赤になった、しかし不老不死はその程度では死ねない、折れた船からは奴隷商人達がしっかりと見える




                ―・襲來・―

           鈍き者には鋼をもって

           鋭き者には鉛をもって

                正しき者には悪をもって

                新しき者には古きをもって

            【かくして人類の黙示録は幕を開けた】



「我ら人類に栄光を」


 片手の木の枝はマーガレットに一番近い誘拐犯を2人巻き込んで吹き飛んだ、頭半分がなくなり血を吹き出すそれは周囲の人間を驚愕させ、血の雨は周囲に降り注いぐ

 この森からマーガレット以外の人間を生かして返さない、生かして、生かすわけにはいかない、殺さなければならない、そのほうが都合が良い


「くそ、矢を放て!」


 矢は頭に当たり俺の首を吹き飛ばした、地面に落ちた、頭は落ちた、しかし落ちた頭の目は未だに見えて、体も動く、この程度であれば化け物には怪我だとすら認知されない

 

 俺は震える奴隷商人に詰め寄る、しかし武器がない、素手で殺すには少々人数が多かった、どうしたものか、すると一つの考えが頭をよぎる

 俺は腕の骨を抜き取って奴隷商人ののどに突き刺した


「く、は」


 変な音と差し込んだ骨が折れる音が響く、川の音をかき消すほどの轟音はさらに周囲を恐怖させる、首のない体が自分たちを殺して回っている、その現実は受け入れがたいものらしく遂には笑って全員座り込んだ


 俺は落ちている剣を手に取った、こういうのを、、鹵獲というのであったであろうか、新人類の兵器は人類には使い難いものでありこのような行動は取ったことはないが、剣ぐらいであれば扱える


「や、や、やめ」

≪ザシュ≫



                 ・―終來―・


 全員始末したものの、マーガレットは未だ意識を失い馬車の荷台で寝ている、此処から背負って街に戻るとなると少々厳しいものがあった、というのも崖を上ることはできない、野郎とすれば足が取れて生えてくる前に落ちてしまう、体の修復は終わっているがいまだ接合が不安定だ、無理は避けたい。

 しかし正規の道は覚えていない、来たばかりの土地で通ったこともない道を通り帰れるほど自分の空間把握能力は高くないことは自覚している


(しかたがないな)


 仕方がないのでマーガレットを奴隷商人のテントに移し、自分は死骸処理をする、帰るのはマーガレットが起きてからでも構わない、となれば腐敗する前にこの死骸を川にでも捨てて、周囲の血を水で流してマーガレットの起床を待つほかはない


≪ドポン≫


 川に死骸を投げ入れる、すごくきれいな川がゆえに少々心が痛むが、まあ死骸の7つや8つ、魚のえさにでもなるであろう、川は一瞬血の色で赤く染まるがすぐに川の流れで薄まって透明になってゆく

 そうして死骸をすべて川に捨てた後は川の水を本来は誘拐犯の道具入れであった木箱に組んで血を洗う、ジャリの川辺は血で真っ赤でありこれを放置するとマーガレットが起きるころには少々エグイことになる


 一通りの作業が終わるとその辺の木の板、恐らくは飛び降りた船の破片を拾って地面に置き、俺はその上に座り込んだ、鳥の声、虫の音、川のせせらぎ、木のざわめき、全てが新鮮なものであり少々見とれてしまう、このような光景はたしか、、、西暦だと2200年には消滅していたらしい、ということは自分は今一世紀前の光景を見ていることになる、銃をもって新人類と戦うよりも数段楽しい


「あ、かわいい」


 目の前をウサギが通り過ぎる、しかしウサギの額には小さな角があり、毛は光に当たると青白く光っていた、神話上の生物、麒麟のデフォルメのような容姿だ、何とも可愛らしい


「なんか、、落ち着くな、、、」


 体を倒し空を見上げる、何処までも続く空は雲が少しある、その空に煙も航空機も空中機雷もありはしなかった。






「おい少年、、、生きてるか?」


 甘美な声と共に目が覚める、気持ちよさのあまり寝てしまっていたらしい、空の色は赤く染まっている


「あ、うん、生きてるけど、マーガレットこそ大丈夫?」

「お陰様で、まあ、君の服装を見れば君が助けてくれてことはわかるよ、感謝する」


 証拠隠滅は見事失敗した、周囲の死骸も血しぶきも残っていなかったが自分の服には血がこびり付いている、それを見た自分は少々笑ってしまった、こういうのを頭かくして、、、首?、、尻隠さずというのであったはずであ


「嗚呼、うん、、、困った時はお互いさまってね?」


 そういうとマーガレットは笑った、嬉しそうに、楽しそうに笑った後に笑顔で華奢な右腕を自分のほうに向かって伸ばした、手には白い手袋がはめられており腕は白い


「はははは、ほれ再現」


 嗚呼そういうことかと気が付く、俺、、、僕はマーガレットの手を掴むとそっと引き上げた、マーガレットの体は想像以上に軽く思わず数歩後ろに下がってしまった


「これでいいかな?」

「ふふ、よろしい」


 マーガレットは立ち上がると周囲を見渡した、そしてため息を付いた後に頭を掻いた


「はぁ、此処から街まで遠いな、、、」


 どうやら現在地の把握ができたらしい、その面倒くさそうな表所を見るにわりと遠いのであろう

 その後マーガレットと自分はしばらく歩いた、川に沿って歩くがどんどん街から離れていく、自分が崖から降りたのがどれだけ近道であったかを物語っていた


「そういえばドル、仕事はあるのか?」


 つかのことを聞いてくる、勿論ないし仕事の予定もない、そしてこの世界においての情報もない


「ないんだよね、、、」


 そこまで僕が言うとマーガレットは突然振り向き両手で肩を僕の肩を掴むとにやにやしながら口を開いた


「じゃあそうだね、私の調査団に入らないかい、給金弾むよ」

「あ。じゃあお願いします」


 断る理由はなかった、断る必要もないし理由もないし、むしろ歓迎すべきことであろう、それ故自分が二つ返事で返すろマーガレットは喜びの笑顔を見せた、そして何となくだが酒場の愚痴の内容が理解できて来た。


「ふはは、よっしゃ、団員1号げっとおおお」


 どれだけ嬉しかったのであろうか、しかしまあこの世界でとりあえず【立場】と仕事を見つけられただけでもこちらも儲けものであった、何をするにも名乗る職業も払う金もなければ生活はできない


「街に戻ったら組合の登録をしてあげよう、ふふふ、そうだ、私のことはめぐって呼ぶように!!」

「了解、メグ」








 とっぷりと夜も更け、街には怪しい人物以外出歩かない時間であり、街の冒険者門から見える組合とその近くの飲み屋のみが光を窓からこぼしながら騒ぎ声を響き渡らせて入る


 自分とメグは門を抜けて組合に向かう、もはや空気は少し冷え肌寒く、組合の暖かさが待ち遠しメグは少々早歩きになっていた


 組合に着いた、組合の外見は旅館といったほどの大きさだ、恐ろしいほど大きい、この世界においての冒険者の需要の高さが伺えるものである、組合の前には馬小屋が長屋のようにつらなり、馬車も大量に置かれているのはまるで駐車場であった

 また組合のドア、これは酒場のそれとは違い大きさは5mほどの大きなドアで取っ手がない、どうやって開けるのかがわからないが威圧的で圧巻であった


≪ガチャン≫


 メグがドアをけ飛ばすとドアがゆっくりと開く、しかもその外装から開き戸かと思いきやまさかの引き戸だ、轟音、とまでいかないがかなり鈍い音を立てて開くドアはすさまじい

 

「!!」


 凄い、これじゃまるっきり本物のおとぎの国だ、ドアが開くと同時に組合の騒がしさが伝わる、ビールの入るカップは木製で、皆がみんな武装していて、少し可愛らしい娘がジョッキをいくつも持って組合内を走り回る

 しかも内装も恐ろしく大きい、吹き抜けロの字型の大きな館内は3階まで続く、酒の匂いは鼻を刺し、肉の匂いは食欲をそそる


「圧巻だろ~、でも中にいるのはろくでなしが9割だ」


 メグに言われるがままに付いていき館内を進む、扉から受付までは軽く100mほどある、木製テーブルに座る冒険者は自分のことをじろじろ眺めると少し首をかしげていた、恐らく服装のせいだ、今自分が来ているのは迷彩服であり、資源枯渇による旧式だが第二次世界大戦の物よりは新しいデザインである


 受付にたどり着くとそこには疲れた表情の受付嬢がカウンターに額を付けて唸っていた、夜だからであろうか今受付に用事がある者は少なく暇そうであるが、今日のトータルでの業務は激務であったのであろう、戦時中の司令官がこんな感じであった


「おい、受付娘や、冒険者登録頼む」


 メグがそういうと受付娘は頭を痛そうに顔を上げ、けだるそうな声で返事をする


「了解、、、ああ、メグさんですか、調査団長就任お疲れ様です、外部勧誘とはすごいですね」

「ああ凄いだろう、しかも見ろ、この美青年」


 受付嬢は自分のことをじろじろ眺めるとカウンターを飛び越えた、そして自分に近づくと後ろで縛る髪の毛を触りにやにやしている


「すっごい髪の毛、しかもこの服は森林での隠密効果付きだ」


 驚いた、迷彩服を見ただけで効果を言い当てたのだ、まあ手練れというか、少し視野の広い人ならわかるのであろう

 受付娘はもう一度カウンターの奥に入ると契約書のような紙にすらすらと何かを書き始めた、手続きであろうか、紙媒体の取引は前の世界ではもう絶滅していたものだ、歴史上の資料にしか見たことのないそれに少々興奮を覚える


「えっと、お名前教えて」

「あ、コンジ― ドールです」

「変わった名前だね」


 受付娘は見慣れない文字をすらすら書くと、最後に紙の半分はあるであろう巨大なハンコにインクを付けて紙の真ん中にドンと音を立てて押し付けた、紙にはうっすらと猫の影のような模様が付けられる


「さーて、あとは試験だけなんですが~、、、どうします、決闘法という上級冒険者と戦って負けるまでの時間で冒険者の地位を決めるタイプと、常法という下っ端からコースがありますが」


 悩む、斜め後ろいいるメグはこの組合では少し有名な分類であることは周囲の反応と彼女の愚痴、それから役職で察することができた、立ち位置など自分のはどうでもよいことでるし、メグも気にしないであろう、しかし実力の伴わないものが実力者と共にいると周囲が足を引っ張るのは数百年前に経験済みだ


「まあ、常法でい」

「いや、決闘法で頼む」


 メグの言葉を遮って受付娘に言いつける、すると受付娘は腹を抱えて笑った後に少し涙目で微笑んだ


「いいね~、流石だ、仲間思いは良いことよ、、はは」


 それを聞いた周囲の冒険者は突如席をずらす、テーブルを円状に並べて椅子をそれを各模様に置くと酒を片手ににやにやしながらこちらを見る、そんなテーブルの簡易バリケードの外にいる冒険者たちは全員といっていいほど金を集めているところを見ると、自分の試験でばくちをするのであろう


「おいおい、ドル、、、まあいいけど、怪我するなよ」

「大丈夫」

 

 怪我したって大丈夫、の意味もある大丈夫を口にして簡易コロシアムに身を入れる、ノリのいい冒険者は【白髪の希望】などと呼び高倍率の自分に賭ける

 此処まで注目を浴びればもはや負けるわけにはいかない、ちょっとした意地である。


≪ガチャ、ガチャ≫


 バリケードの向こうから重装備の鎧の冒険者がやってくる、プレートアーマー、というものであったであろうか、真っ黒な鎧に赤いマント、背中には大きな長剣を一つ挿し、赤い瞳は兜の隙間からチラリと見える


「さあ、新入り、この3級冒険者、ブロド・ミエンが相手してやろう」



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