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第4話

 手を繋いで石畳を進む。


 ミリカの方はまだ慣れないらしく、さっきまでと同じ無表情のまま、顔色だけを真っ赤にしている。

 特に深い意味もなく、もしかしたら迷子になるかもしれないと言う程度の理由で左手を差し出したのだが、やけに長々とおろおろしてからすでに出血の止まった右手で俺の手を取り、そのままこの状態だ。

 手を取るまでの間、無表情のまま目線だけが泳いでいるのはかなり滑稽だったと思ったことは、俺の胸の内に仕舞っておくことにした。

 そう言う訳で、恥ずかしいのかと気を使って手を離そうとすると力強く握られてしまい、そして、俺が握り直したのを確認すると、顔を俯けて握る手の力が完全に抜ける。


 どうすれば満足だと言うのか。


 そんな不毛なやり取りを何度も繰り返し、結局、人気のないこの道を、俺が手を握って進むことで落ち着いた。

 落ち着いたは良いが、沈黙が辛い。

 別に、黙っているだけならば辛くはない。

 照れ――とも違う、もっと複雑な感情を感じる。しかも、負の方向で。

 今のこの娘の待遇は決して悪くないのに、感じる情念はかなり深い。もしかしたら、俺が信仰機関に引き取られてしばらくした頃――自分のしてしまったことはまだ受け入れられないけれど、少しは周りにも気を向けられ始めた頃と似ているかもしれない。


「何か、辛いことでもあったのか?」

「……」


 慌ててこちらを見た目には、わずかな恐怖。顔色も、一気に青ざめていく。

 これは、何かをされたんじゃない。自分がしてしまったことに怯えている目だ。一時期、鏡の中からいつでも俺を見ていた目だ。


「いつまでもくよくよするな」

「……」

「生きていれば、そのうち良いことがあるさ」

「……」

「無理にでも笑えば、幸せはあとからついてくるらしいぞ」

「……」


 棒読みの言葉たち。返されるは、ただ沈黙のみ。

 流石、俺の心にはまったく響かなかった言葉たちだ。何の反応もしてもらえない。

 過去の自分も通らされた道でもあり、仕事に差しさわりのない範囲でなら何かしてやりたいとも思うが、俺が立ち直ったのも言葉ではなく時間が大きかった。一緒に居られる短い時間では解決してやれないだろう。


 それでも、俺が立ち直る最後の切っ掛けになったあの言葉くらいは送っても良いかもしれない。


「だったら、好きにすれば良い」


 言われたミリカは、やっぱり意味が分からないのか、少し考えた後に黙って無表情なままで小首をかしげて見上げてくる。

 もしかしたら昔の俺も、話しかけてくれていた人たちに向かって、同じ顔をしていたのかもしれない。


「好きにするって言うのは、別に思うが侭にやりたい放題することだけを言っているんじゃない。ルールを守らなければ、それに応じて制裁を加えようとする連中も居る。それを差し引いてもルールを守りたくないなら、ルールを破ることがやりたいことだろう。逆に、制裁が面倒なら、ルールに従って無難に生きる道もある。それだって、守っているやつにすれば、守る方の道を好きに選んでいることになる。無限の選択肢なんてなくても、現状を受け入れる、逆らうの二択は誰にでも選べる。鳥かごの中のお姫様からだって、選択肢を完全に奪うことはできない。例え、すべての選択肢が同じ答えにしか辿り着かなくとも、どうやってその答えに至るかは変えることができるのさ。その中で、未来の自分に、そして大切な誰かに胸を張れる選択肢を選ぶんだな」


 また考え込んで、結局そのまま正面を向いてしまった。表情が読めないから、感情も上手く読めない。だからどう受け取られたのかは分からないけれど、今でなくても、いつかこの言葉から何かを読み取ってくれれば嬉しい。

 すべてを失って、もう自分には何も残ってはいないと思っていた一人の少年に、生きている限りはまだ掴み取ることのできる未来は残っていることを示した言葉。諦めることすら自分が掴み取った未来なんだと、そう気づかせてくれた言葉。もう選ぶことも許されない大切な人に向かって、例えそのすべてが絶望にしか繋がっていなくとも、胸を張って「掴み取ったんだ」と言える選択肢を掴み取ってみようと思わせてくれた言葉。


 その後は、無言でひたすら歩く。

 人が居ないからと、相棒が俺のミリカへの入れ込みようをからかってきたが、自覚はあるので無視することにしてひたすら進む。

 そうして、中央聖堂より二回りほど小さい二号館が見えてきた頃、目印だと言われていた右手の錬兵場に何気なく目を遣ると、見知った人影が二つ。


「おい、こんなところで何をしている? と言うか、サーレは寝なくて大丈夫なのか?」


 隅の方で何かを真剣に話し合っていた二人の見習い騎士に話しかけると、よほど集中していたのか、声を掛けられたことで驚いている。さらに、俺の顔を見て二人でもう一度驚いた。


「おはようございます。遅くなってしまって、申し訳ありませんでした」

「いや、仕事だと聞いている。特に問題はない」

「そうですか。――ところで、エレア様はどちらに? サーレからは、ご一緒だと聞いていたのですが」


 そう言うリーネの視線が、僅かながらに敵意を含んだ。下手な答えをするなら、この場で一戦も辞さないとの意思表示か、見せ掛けだけか。

 ずっと険しい目付きだけでも、これが素なら、かなりの確立で婚期を逃すのではなかろうか。


「急なお仕事、だそうだ。それよりも、一応は味方なのだから、敵意や殺気などは引っ込めていてくれないか? 仕事柄、うっかり殺してしまいそうになる」

「お気になさらず。常に最悪を想定しろ、とエレア様からは指導されていますので。念のためですよ。それに、殺されるのがこちらとは限りませんので、心配していただかなくても結構ですよ」

「ああ、なるほどなるほど、ハハハハハ」

「ええ、そうですそうです、ウフフフフ」


 リーネには、良くも悪くも、あるべきエリートの姿を見た気がする。

 見せる感情すら計算し、相手が目上であっても、最低限の礼儀は守りながら隙を見て迷わず噛み付きにいく。誇り高く、負けず嫌い。見るからに作り物な笑顔で右手を差し出しながら、腹の中では真っ黒な思考が常に渦を巻く。


 それが俺の中のイメージなのだが、ここにいるもう一人は、当然のことかもしれないが知ったことではないらしい。


「あうぅぅ、やめなよ、リーネ。そんな誰にでもツンツンしてるから、友達だって少ないんだよ。本当はやさしい娘なのに、どうして喧嘩売るようなことするのさ」

「いまそれは関係ないでしょ!」


 どうみても見るからに慌てているサーレ。リーネに怒られるところまで含めて演技なら大したものだが、どうなのだろう。


「ところで、何をしていたかは知らないが、サーレは休んだ方が良いのではないか? 遊撃騎士殿の話だと、丸一日近く眠っていないのだろう?」

「それは大丈夫です! 仕事中にちょくちょく寝てましたから! それに、二、三日なら寝ずに活動し続けられるタフさも売りですから!」


 やけに力強い返事。

 ……これはアレだ。何がとは言わないが、ダメな娘だ。

 ふとリーネと交わる視線。どうやら、俺とリーネは初めて同じ気持ちを共有したらしい。


「ところで、騎士様も戦われるんですよね?」

「ん? まあ、当然だ。そのために教会もわざわざ俺たちを養っているのだからな」

「ちょっと、サーレやめなさい。私たちの事情に、仕事中の部外者を巻き込んだりしないの」

「え~、でも、こんな機会そうそうないよ?」

「いったい、何の話だ?」


 話に置いていかれてしまった俺の問いを聞いてサーレが嬉々として語ったところによると、見習いの彼女たちは、戦闘能力の面で壁にぶつかっているところらしい。そんな中で、この場でサーレとリーネが偶然出会った際に見かけた兵士の自主練を、何かの足しにならないかと見ていたところ、見習いではない本物の騎士の肩書きを持つ俺からならば学べるものがあるのではないかと話が出たところで俺が現れたらしい。


「そう言う訳で、模擬戦しましょう!」

「どう言う訳よ!」


 見事なリーネの突っ込みも意に介さず、キラキラした目で真っ直ぐ俺を見つめるサーレ。


「徹夜明けにもかかわらず、貪欲に強さを求める向上心は立派だと思う」

「ありがとうございます! あたし、あたしたちが所属している騎士団の名前の由来にもなった、教会騎士団の創設者にして初代総司令官の第二使徒ユーベルリッテ様みたいな立派な騎士になりたいんです!」


 あまりの勢いに押されるこちらを気に留めることもなく、熱血少女の語りは続く。


「ユーベルリッテさまは第二次聖都決戦において、主力が北の国境に張り付いていて守備隊二千しか残っていなかった聖都を守るため、自身の親衛隊二百のみを率いて南方からせまる三万の異教徒たちを奇襲! 混乱したところに聖都守備隊も全軍で突入し、敵を退けたすごい方なのです! さらに――」

「ええい! 落ち着け!」


 リーネの拳でやっと静まった。

 こうしてみると、まるで姉妹だ。しっかり者の姉と、お調子者の妹――恐ろしいほどにしっくりとくる。「何すんのさ!」「ちょっとは空気を読め!」という二人のやりとりを見てその思いはより強まった。


 しばらくしてやっと話のできる状況になり、俺は未来ある努力家の少女に優しく語りかけた。


「仕事中だ。ないとは思うが、またの機会に」

「それじゃあ、さっそく――え?」


 断られることは微塵も想像していなかったのだろう。サーレは固まってしまっている。


「だから言ったでしょう、サーレ。それに、こんなやつと馴れ合うことないわよ」

『我らも随分と嫌われたものだな』


 空気が固まる。


「何か、私の気付いていない緊急の事態でも起こりましたか?」

『いや、まったくないな』


 怖い。戦って勝てる勝てないと言うような次元の話ではなく、もっと原始的な次元でリーネの視線が怖い。


「何か言い訳ぐらいはないんですか? おちょっくているんですか?」

『ああ、正解だな。ガッハッハ!』


 相棒の声は届いていないはずだが、リーネがさらに恐ろしくなる。数々の修羅場を越えてきた俺ですら言葉を失うくらいに。さらに言えば、彼女の相棒のサーレは慌てることもできずに、目を見開いて固まっている。


『あまりふざけたことをするな、相棒。教会のど真ん中だぞ』

「ほう。見習い風情に語る言葉は持ち合わせていないと?」


 しまった。優先すべき対象を間違えた。


「分かりました。では、やりましょう。模擬戦」

「……は? いや、仕事中だから――」

「万が一の時には共闘するんですから、前もってある程度はお互いの力量を知っておいた方が良いのではないですか? むしろ、『仲間』の力量が未知数である現状が問題なのではないのかと」


 正論だ。間違いなく正論だが、黒いオーラを収めてから言って欲しかった。

 こちらの返答など求めもせず、訓練用の武器を取ってくると言い残して去っていくリーネ。


『ガッハッハ、ちょっと煽ればすぐこれか!』

「頼むから少し大人しくしていてくれ」

『良いではないか。最近はおもしろいこともなかったからな。まあ、ここまで見事に釣られるとは思いもしなかったが』


 頭を抱えながら周りを見れば、サーレはさっきまで固まっていたのが嘘のように嬉々として腰にあった大剣を振っている。何だかんだで望みが叶って、難しく考えるのをやめたのだろう。

 手を繋いだままのミリカは、俺の顔をじっと見つめている。

 念話の聞こえているこの娘は、会話に興味があるのか、他の理由か。


 こうして色々考えていると、常に無表情で居ることの交渉での優位性がよく分かる。


「ほら、サーレ。訓練用の木剣。――あなたには木製の短剣を二つ持ってきましたけど、腰にある武装的に問題ないですよね」


 無駄に気配を遮断して現れたリーネは、少なくとも俺とサーレの度肝を抜いてから自分の杖を構える。 


「分かった。ここまで来て逃げはしないが、殺しあう訳にもいかない。状況的に、誰かが負傷できる余裕も無い。だから、俺は拳銃と異能を使わない。そっちも同じように制限を設けることで良いだろう?」

「……分かりました。そちらは飛び道具を封じるのですし、格闘戦のみにしますか」


 俺の言い分を聞いて、少し落ち着いてくれたらしい。

 だが、どうせやるならこれでは成果も不十分だろう。可能な限り選択肢は多いほうが、より実戦に近い感覚で戦える。


「いや、俺は格闘戦でも本職の前衛と渡り合えるように鍛えられているし、切り札もある。だから、見るからに術師型のリーネが格闘戦限定になるほうが不公平だろう」


「じゃあ、サーレは火属性だから身体強化以外での魔術利用のすべてを、私は水属性ですから治癒と氷を使用禁止でよろしいですよね」


 確かに、死傷しないようにしてできるだけ公平にするならばそんなところだろう。


「って、騎士様は何も防具をつけてないですけど、大丈夫なんですか?」

「職業柄、物々しい武装は好ましくないから、俺の服にはすべて防御の魔術陣が仕込んである。込められている魔力にはまだ余裕があるし、君たちのような正規の装備ほどには効果はないが、実戦でも十分に使える程度の防御力はあるさ」


 サーレもその言葉で納得し、ついに模擬戦が始まることになった。

 ミリカに離れるように言ってサーレと共に送り出し、()る気満々のリーネの前に立つ。


「合図は?」

「いつでもどうぞ」


 お言葉に甘えて、何の捻りもなく最短最速で距離を詰める。

 水属性の持つ性質の中で、治癒と氷を封じるなら、使えるのは水のみ。そして、向こうが一方的に飛び道具を持っている現状では、とにかく食らいつかなければ戦いにならない。


 当然向こうもそれは分かっていて、杖先から目隠しの霧を噴射しながら後退していく。


 極短時間で晴れるであろう目隠しを生かすなら、次の一手は広域への殲滅。それを防ぐために大きく後退すると同時に、いくつもの水球が俺の居たあたりをまとめて薙ぎ払う。

 消えかけてはいても、まだ霧は晴れない。視界の悪さを利用して、大きく迂回して側面から奇襲を掛けるが、右の一撃目、左の二撃目と杖でいなされ、もう一度左で放った一撃によってやっと首筋に刃を突き付けた。


「……参りました」

「常に最悪を想定するという遊撃騎士殿の教えは、あらゆる状況に備えろと言っているに等しい。最後の奇襲では、確かに接近戦での杖の扱いは後衛職とは思えないほどに洗練されていたが、意識が魔術での殲滅に向きすぎていたせいで一手出遅れていた。同じ状況でも、生かし方はいくつもあることの方が多い。そのことを意識して戦術を組み立ててみるんだな」


 黙って一礼。去りながら舌打ち一つ。

 戦力把握との名目だが、最初は二人が強くなるためにと頼まれていた。俺も生き残ることを最優先に集中的に叩き込まれた回避と防御以外はそう得意でもないけれど、助言くらいはしておいた方が良いと思ったが、リーネのプライド的には許せないらしい。


 リーネと入れ替わりに構えたサーレは、丸一日寝ていないことが信じられないほどにやる気満々だ。

 さっきとは違って射程距離がほとんど変わらないので、公平にリーネの合図で試合を開始した。


 サーレは、攻撃力のバカ高い火属性らしいが、そのお陰で火を用いた中遠距離の攻撃手段を封じられている。とは言っても、もう一つの身体強化も接近戦では十分に脅威だ。

 魔術師と違って特定属性の中の特定性質しか使えない異能者の身として、同じ属性だからこそ能力の幅が羨ましくなることもある。特に、今のように近距離で正面からぶつかるときにはいつも思う。

 こちらを上回る速度で距離を詰めたサーレは、そのまま上から下へと縦一閃。回避を選択して後ろへと逃れると、さっきまで居た地点の地面が吹き飛ぶ。


「サーレ! そのまま()っちゃえ!」


 何か物騒なセリフを聞き流しながら、避けきれないと判断した二撃目を左の短剣で受け流した――つもりだったが、刃を見るとヒビが入っている。左では次を止められないだろう。


 そこからは、サーレの攻勢をとにかくかわし続ける。受ければ武器が持たない以上は、負けたくないならこうするしかなかった。身体強化の恐ろしさを表している。破壊力も速度も跳ね上がり、普段なら接近戦では絶対に戦いたくない能力。

 しかも、上昇幅や時間は魔力量で変動する。資質は最精鋭たる騎士団に相応しいとされている以上は最低でも上級である目の前の少女については、考えるだけでもめまいがしてくる。むしろ、これだけの破壊力からするに、もっとも上の分類である特級かもしれない。

 そうしてかわした攻撃が二十を超えた頃、状況を打開しようと体勢が崩れたふりをしてみると、サーレが木剣を大きく振りかぶった。


 決着は一瞬。

 必殺の一撃はむなしく地面を砕き、決死の一撃は眉間に突き立つ。――はずだった。


 確かに勝敗は決した。事ここに至って、逆転を許すほどに甘くはない。

 だが、サーレはその身体能力の高さを見せつけるかのように、重い大剣を振りぬいた姿勢から無理に重心をずらして回避を試み――


「うぅ……参りました……」

「あー……前衛として、素質も技術も悪くない。ただ、決めきれないからとあせりすぎだ。だからあんな見え見えの罠に掛かる。大振りは、絶対に外さない状況を作るまではするな。威力が大きい分、リスクもそれに見合って大きいことを理解しろ」

「はい! 頑張ります!」


 こんな気持ちの良い反応をされると、助言のし甲斐もある。

 だが、しかし。


「おい、そろそろどいて――」

「いつまで胸揉んでんだ、コラーッ!」


 サーレがバランスを崩した後、俺が下になって一緒になって倒れていたサーレを抱きしめ、とっさに顔面に迫っていたリーネの踏み付けを転がって緊急回避した。


「落ち着け。確かに、モノが大きすぎるせいで側方から触れられる柔らかさは感じた。だが、一応は胸当て越しだからセーフのはずだ」

「って言いながら、サーレのおしりを揉むな!」


 それはお前が急に攻撃してくるからたまたま手がそこに行っただけだとか、被害のないリーネが怒り狂い被害者のはずのサーレがなだめるのはどうなのだろうか、など、言いたいことはたくさんあった。

だが結局、なぜか俺がリーネとサーレに謝罪することで騒動を治めた。リーネには頭を下げなかったのが、最後の意地だ。

 こうなった理由は色々とあるが、信仰機関のお姉さま方は実に色々と教えて下さっていた、とだけ言っておこう。


 その後は、いつまでもミリカを放っておく訳にもいかないので、サーレとは別れて三人でミリカの部屋へと赴いて大過なく仕事をやり終えた。

 ――終始リーネに睨まれ続けたことは、大過のうちには入らないはずだ。

 お付き合いいただき、ありがとうございました。



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