海賊船
ある空間に一隻の海賊船が浮かんでいた。
その海賊船の舵に寄りかかっている少年が見つめている先には、大きな惑星があった。
「久しぶり、人間界で唯一生き物が住める星、太陽系第三小惑星、地球・・・・・・。」
少年は少し悲しげな顔で地球を見つめていた。
後ろで結んでいる栗色の長い髪が揺れている。
「クーオン、どうしたの~?」
突然、ネコ科の動物の耳をはやした少女が、舵に寄りかかる少年の横に現れた。
「!! ルルか・・・、何か用?」
「うーんとねぇ~、まだ着かないかなーって思って、聞きに来たんだよ~。」
クオンは、寄りかかっていた舵から体を離してルルと向かい合い言った。
「まだ。」
「即答!!。」
「はいはい、中に入った入った。」
「え--------。」
ルルが、クオンに向けて頬をふくらませていると、 左側の扉からスタイルのいい銀髪の美少女が出てきた。
「ルル、またキャプテンの邪魔をしてるの?」
「別に・・邪魔なんかしてないもんっ。」
「そっか、でもキャプテン困ってるよ?話聞いてあげるから中に入ろ?。」
ルルは何か言いたそうだったが、しぶしぶとミライに連れられて左側の扉に入っていった。
ルルには悪いが、今は少し自分の世界に浸りたい。
「で、・・・・・カイ、いるんだろ?」
「あ、ばれてたんスか?」
「ああ、すぐ分かる。」
「・・・・・マジッスか。」
苦笑しながら柱の後ろから出てきた少年は、笑いをこらえてるクオンを見てしかめっ面だ。
「何笑ってるんスかっ。」
「いや、だって・・・ははっははははっ。」
「キャプテン・・・・・。」
「ごめん、笑いすぎたっ。」
「まだ笑ってるんスけど・・・・。」
「えー、そんなことないよ。」
と、いいながらも少し笑っている。
「それより、準備出来やしたんで命令を。」
「僕、もうちょっと自分の世界に浸りたいんだけど」
「ダメッスよ。 時間ないんで」
「ケチ。はぁ、エンジン全開!!!猛スピードで地球へ!!」
「アイアイサーっ。」
こうして、僕たちは人間界の地球へと突入していった。