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心の隅で
イズ、あいつは姉と父の仇。そして母の仇です。
どうか、この手紙を読んでいるのなら。
あの忌まわしき一族を根絶やしにして下さい。
キャシー・二ルズ・ブロムダール
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こんなの、ほんとにあるんだなぁ。
焼け焦げた木と、微かに香る春の花の風を感じながら
僕は墓石を見下ろしていた。
もう、15年も前の事らしい。
寮母さんは、父が働いていた宿の娘さん。
母が亡くなり、姉が失踪し身寄りのない僕を育ててくれた。
当時、僕は3歳で
目の見えない姉と、その姉を介抱しながら働く母さんと3人で暮らしていた。
あんまり記憶は無いけど。
母さん最期のあの言葉通り、父さんの墓石の裏に埋められてたんだ。
この手紙。
あの一族って何?仇?意味が全く分からない。
けど、これが母さんの最期の遺したもの。
僕には姉が居たけど、いつだったかな。買い物に行くって言って、それ以来帰ってきてない。
元々会話なんて無かったし、寂しいとかは無かった。あったものが、なくなっただけ。
母さんだってそう。勝手に出ていって、僕に言い残したんだ。目の前でこの木に火をつけて、飛び込んだ。
ぼくは、だれからも、あいされてなかったんだ。




