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紡いだ火

「ヴィル!早くしないか!」

「はい!ただいま!」

.....



「ふぅ...」

今日も厨房は忙しかったな。

調理長のテクニック、盗む暇すら無いなんて...何のために

働いてるんだか分かりゃしない。


家で待つエミリーやキャシーの為にも、沢山稼がなきゃならんのに...


そうだ、この町には立派な木があったな。言い伝えではあるが、この時期の果実は長寿の信仰があるんだ。


今度の休みに、それを家に送ってやろう。


__________________________________________



「ル.....ヴィル.....ヴィルヘルム!!!!!」


...料理長..支配人....?なぜ、私は床に...


「かはっ....」


「話すんじゃない...何も、覚えていないのか...?」


「まさか、あんなガキが大人を一突きとは...

ヴィル、必ず助かる!!だから、眠るんじゃない!!」


「キャシー、、、エミ、、リー、、」

__________________________________________


数日後


「居たぞ!!怪しいヤツめ!!似顔絵とそのままのガキだ」

「ワンワンワンワン!!!!!!」


子供を捕らえようとした瞬間、大きな火柱が散った...


「うわぁぁっ....なんなんだ!?あのガキは!!」


ねぐらにしていた木の根元は大きく焦げ、木がメラメラ燃え上がっていた。


「くそっ逃がすな!どこか近くにいるはずだ!探せ!」


__________________________________________



キャシー、エミリー、そしてまだ見ぬ息子へ

この黄色の果実はね、昔から食べると長寿になれると言い伝えられているんだ。だが、禁忌の実とも言われている。

かつてのアダムとイブのように禁忌の実を食べ、天界を追放されたのさ。

けど、ここはもう地上!落ちるとこなんか地面くらいしかないもんさ!まぁ冗談として、これはほんの差し入れだよ。

たんと食べて、しっかり大きくなるんだぞ!

キャシー...僕らの息子には、なんて名前を付けよう。

そんなことばっかり考えながら、今日も料理長見習いとして

頑張ってるよ。

愛してる。

ヴィルヘルム

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