2つのはじまりと行方
「ねぇ、ベッキー。たとえばさ、その翼で空を飛べたら
ベッキーはどこまでいっちゃうの?」
「そんなの、飛んでみないとわかんないじゃない。
あんたこそ、その根が繋がればどこへだって行けるじゃない。」
「僕は、行けたとしてもベッキーみたいに空は飛べないよ。」
「ねぇ、ユーリ。」
「なに?」
「人間ってさ、空も飛べないし根もはれないのにさ、何が楽しいんだろうね?」
「人間なんて、生きてるだけで楽しいものじゃん。」
「ふぅん...」
ここは港町エスハーブ。
一年中雪が振り、冷たい海域に覆われている。
数日前、隣町で起きた出来事。
なぜか、私の似顔絵が、殺人容疑者として出回っていた。
もう、ここにも情報が来ている...もっと遠くへ急がねば。
(1人で、どこにいくの〜?)
またこの声...
「誰なの..」
何も、答えてくれない。
ただの幻聴かもしれない。この寒い町で、ユキギツネにでも化かされたか...
まさかね
とりあえず、暖かいところと言えば....
土でも掘るか
そうすれば木に火をつけても消えにくいし、風よけになるかも。
町から離れた雑木林で、冷たい雪を掘る。
本当はスコップでも借りたかったけど、似顔絵を持った警備隊だらけで近寄るのが怖い...。
霜焼けになる手で、ようやと土まで掘り進めた。
体力も限界だし、今日はここで火を起こそう...。
幸い山育ちの知識のお陰で、少しの石と乾燥したから木さえあればたちまち火が上がった。
拾ってきた木材は少しだが、明日の夜明け前までは持つだろう。
夕方になり、数少ないパンをかじりながら考えていた。
上着に入っていたナイフ。少量の金額。これは、あの男の人から盗ってしまったのだろうか。
幸か不幸か、宿を抜け出したあと、この金貨で急いでパンを買って町を出た。
ナイフには、確かにべっとりと血がついていてる。
柄の部分には、W・Robinsonと書かれている。
ロビンソン...かな?この辺じゃ聞かない名前だ。
なんで、こんな事に...
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少し、眠っていた。
明かりが消えかかっている。枝をくべなきゃ、、、
「ピーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「ワンワンワンワン!!!!!!!!!」
なんだ?まさか!!!
音が段々近ずいて来る、逃げなきゃ、捕まる!!!!!
「居たぞ!そこだ!!先回りしろ!!」
もうだめ....
(捕まっててよね)
え?
一瞬、目が開けられない程の眩しい光を見た。
けど、今度は真っ暗なまま....
ここ、どこ?
....ふと、懐かしい匂いがした。
藁の匂い。
もしかして、帰ってきたんだ!!!
いままでのは、夢?でも、暗いまま....ぁ...
「ああああああああぁぁぁ...」
「エミリー!?どうしたの!?」
「お母さん!!!!目が!!!!!」
彼女の目は焼け落ち、二度と開くことはなかった。
「エミリー!!なんで、そんな!!嘘よぉ....どうして...」
「返してよぉ!!!!!」
(や〜だよ!ふふ、人間ってさ、やっぱおもしろい!)




