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ぼくと吸血鬼、ときどき部長   作者: ジェロニモ


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13/21

次はおまえの番だ

「ねえ弘明くん。見て見て」


ぐしゃりと、部長は手に載せていたリンゴを握りつぶし、下に置いてある皿へとリンゴの残骸が落ちた。


「はい、あげる」


部長はその皿を差し出してきた。なんだろう。リンゴは好きだけど、さっきの場面を見るとまるで食欲がそそられない。しかしせっかくの食材を無駄にするのも気が引けたので、ぼくはそのリンゴの残骸をミキサーに移して、ジュースにして飲んだ。


「怪力、やっぱりあったんですね」


先日組み敷かれたときに感じてはいたが、自在にコントロールできるらしい。


「うん、それにすごいんだよ。ちゃんと使いたいって思わなきゃ使えないから、日常生活で力加減を誤ってドアノブを壊したり、スプーンを曲げたりってこともないし!」


部長はえらく興奮しているようだった。


「たぶんこれは筋力というより、魔法みたいなものなんじゃないかな。すっごく便利だよ。おかげで運動神経も抜群に良くなったし、今なら屋根から屋根に飛び乗る、なんてこともできると思うなあ」


部長はニマニマと笑う。脳内では怪力をどう使うかに思いをはせているのだろう。


「お願いだからニュースに出るような目立つことはしないでくださいよ。もし出たら知らんぷりしますからね」

「冷たいなあ。一緒に吸血鬼の子供を匿った協力者でしょ?」


協力者じゃなく、共犯者の間違いじゃなかろうか。


「ぼくは人間ですけど、部長は吸血鬼になっちゃったんですよ? バレたらどこぞの研究所でモルモットにされるかもしれないんですから気をつけてくださいよ」

「弘明くんだって「まだ」人間の間違いじゃない?」

「どうでしょうね」


 麦茶を飲んでから一週間になる。しかし、未だにぼくの体に異変は起きていなかった。


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