episode0-2.受取人の話③
日報受取人
これはある男の報告では無い。
その日は暑い日だったことをよく覚えている。
日報が届き続ける中で、全て実在するのかが気になった。
だから会うことにしたのだ、彼に。
人見秀一という人物に。
喫茶店でコーヒーを口にする。待ち人来ず、というところだろうか。日時は相手から指定があったのだが。
もちろん、日報が届いていることについては伝えてある。
女が喫茶店に現れた。こちらを見るなり、あなたは佐藤(仮名)さんですか?と声をかけられた。
はい、と返事をしたところ向かいの椅子に座った。
女性の名前は田原愛美という方で人見秀一の助手をしているらしい。
人見秀一さんは?と聞いたところ彼は急用が入ったため代わりに来たと伝えられた。とりあえず、コーヒーを頼み今回の経緯をお伝えした。
すると、彼女は自宅にお邪魔しても良いか?と聞かれた。実際に日報の方を確認したいという。
了承し、自宅へと2人で訪れた。
正直、女性を部屋に案内するのは初めての事だったがそれは今はどうでも良い。
自宅に帰ったところ火事が起きていた。自室ではなく、隣の部屋から。緊急事態だったため今回は自宅案内は無しとなり、燃え盛る部屋を見ながら警察や消防に声をかけてとりあえず今日は自宅には戻れなかった。
田原さんからうちに来ませんか?という事だったので田原さんの言う事務所へと移動した。
僕はそこで彼と初めて相対する。
あなたが人見秀一さんですか?
すると彼は答えた。
そうだ、今日は申し訳ない。急用でねと彼は詫びを入れた。
人見秀一とは一体どんな人物なのか、緊張していた。
彼は振り向いた。
20代後半の男だった。
同い年くらいだろうか。
すみません、お邪魔してしまって。
気にしないでください、僕はあなたに興味がある。
口角を上げた彼の前で震えながら届いていた日報を取り出した────




