さんかく
食べ物には味がある。しかし、こんなにも、味がするだけのものだっただろうか。
それとも、今、この瞬間食べている"これ"に、それ以上の感想を抱けないのか。
街は音で溢れている。声、足音、車、他。
しかし、こんなにもどうでも良いものだっただろうか。それとも、今、この瞬間聞いている"音"を、どうでも良い音として捉えているのか。
街は色で溢れている。赤、青、黄色、僕の言い表せられない色。
しかし、こんなにも色彩なく見えるものだっただろうか。それとも、今、この瞬間見ている"色"を、色として認識していないのか。
こんなにもこの世界は、何も無いものだっただろうか。
こんなにもこの世界は、どうでも良いものだっただろうか。
こんなにも世界は、何も感じないものだっただろうか。
いや、まだ私には嗅覚と触覚が。