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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
2 永遠の混沌

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92 魔人城

頭を下げた俺たちに慌てるフェルトさん

フェルトさんは仕方がないといった感じで教えてくれる


「その方は女性です、黒髪黒目で綺麗な方でした

 フードで隠れていたから髪の長さとかはわかりません

 同じくコートで隠れていたので体型もわかりません

 でも背丈はあなたよりやや低めぐらいでしたよ」


パンティさんも女性だったか

メイド好きのおっさんではなかったようだ

だけどやっと存在確認ができた


「教えてくれてありがとうございます」

「ありがとうなフェルト♪」


「あの、フェルトさんに一つお願いがあります」

「なんでしょう?」


「その冒険者が来たら俺たちのことを伝えて下さい」

「まあそのぐらいなら、わかりました」



俺たちは再度お礼を言ってギルドから出る


「俺たちも王都に拠点を移した方がいいよな」

「必要ないだろ」


「でも移動手段が足りないから頻繁に来れないだろ

 こっちで動けるようにしとかないと」


「大丈夫だ、問題ない」 キリッ



多種多様なアイテムを売っている商店区画に来た


「なるほどこれなら4人とも移動できるね」

「だろ?」


ベンケイさんが野球のボールサイズの緑色の玉を購入

そう、スーパーカブだ


型は俺と同じスーパーカブ110

ボディカラーはタスマニアグリーンメタリック


二台あれば4人で一度に移動できる


「でもベンケイさん、魔力ゼロだよね

 闘将だから魔力は全部気力に変換されるでしょ」


「ああ、だからこれはアンナかアオイに渡す」

「譲渡不可のアイテムだよ?」


「それは魔力認証後だ、まだ認証前だから渡せるぞ」

「そういやそうだったね」


魔力認証することによって所持者を固定できる

盗難防止になるが代わりに譲渡ができなくなる

でも認証前なら盗めるし贈り物にもできる



街へ戻って俺たちはこれからについて話し合う


「拠点はこのままで王都へ毎日ここから通う」

「移動手段は二台のスーパーカブだ」


「でも本当に日帰り可能なんですか?」

「300キロをキープして走れば片道2時間半だ」

「それ以上出せばもっと早く着くぞ♪」


「ベンケイさん、戻りながら言ったでしょ

 速度出し過ぎて事故ったら駄目なので最大300キロまでって」


まあ300キロも大概だけどな


「それに速度を上げるほど必要魔力量も上がる

 いざというとき魔力が足りなかったら困るから」


「そうだったな、すまん」


王都からの帰り、500キロ出そうぜとか言うから説得した


「一台はお兄さんだけどもう一台は誰が走らせるんですか?」

「アンナかアオイくんだよ」

「わたしはパスで」


やはりアオイくんは断ってきた


「アオイさん、なぜです?」

「わたし忍者ですから」


「忍者関係ないでしょ!」

「だって機械オンチだもん」


「魔力で走らせるんだから機械オンチでも動かせますよ?」

「忍者は魔力じゃなくてチャクラだもん」


「あなたはどこの渦巻さんですか!」 うがー!

「ひいっ!」 ビクビク


「アンナ、勘弁してやれ」

「でもお兄さん、アオイさんああ言えばこう言うんですよ!」


魔法を忍術に置き換えるほどこだわってるからな


「アンナが乗ってくれ」

「むう、やっぱり私以外に甘いです」


「走らせるためには常に魔力を注ぐから魔力量が多い方がいい

 アンナの方が多いからアンナが乗った方がいいんだよ」


「しょうがないですね、わかりましたー」


緑カブはアンナが乗ることに決定した


「それじゃまとめるけど、朝一で街から王都へ行く

 日中は王都でパンティさんを捜す

 王都内で簡単な依頼とか休んだりしながらな

 夕刻になったら王都から街へ戻る

 パンティさんと再会するまでこれでいこう」


「わかりましたー」

「はい」

「おう」


今日はもう時間が遅いので明日から行動開始だ




翌日から王都での日帰り活動を開始する


朝一で王都へ行く


俺とポチャ、アオイくんとサスケ

ベンケイさんとヨシツネ、アンナ単独

この4組で散らばって王都内をうろつく


プレイヤーを感知して特徴に合う人物を探す

俺と背丈が近くて黒髪黒目の綺麗な女性

フードを被りコートで身体を隠している人物

この条件が合うプレイヤーにのみ話しかけると言う作戦だ


夕刻前にギルドで集合して情報交換

フェルトさんに確認して街へ帰る


これを毎日繰り返す




今日も王都をうろつく俺たち

王都中をくまなく探していく


「なかなか出会えないなあ」

「ごめんねお兄さん」

「ポチャのせいじゃないよ」


落ち込むので撫でてやる

プレイヤーを感知しても条件に合わなければ仕方がないのだ

まず男は除外、俺の背丈より高かったり低過ぎても除外

なかなか条件に一致しないから見つからない


ギルドの方にも来ていないようだ

冒険者の仕事してないのか?

依頼の一つぐらい受けに来るものだが


「あら? ケンタさん?」


リディアが現れた


「よう、リディア」


「いつ王都にいらしてたんですか?

 来てたのなら会いに来て下さいよ!」


だって目的が違うし

てか、なんで絶対会いに行かないといかんのだ


俺は探していた仲間の情報を得たこと

見つけるために王都へ来ていることを大まかに伝える



「そうだったんですね」

「ああ、だから人捜しで忙しいから会いに行けないんだ」


「でしたら特徴とか教えて下さい

 どこかで見つけたらケンタさんのこと伝えますから

 それにお父様に頼んで捜索していただきます」


「待って、そんな大事(おおごと)にしないで!」


そりゃ男爵家の力があれば捜索も楽になるだろうけど


「俺たちの身内のことだから自分たちでなんとかするよ」

「でもお役に立ちたいのです」 ギュッ


どさくさに手を握らないでね


「気持ちだけでいいよ、ありがとうなリディア」


頭を撫でてやる


「うう、妹扱いはやめて下さい」

「ごめん、可愛いから撫でたくなるんだ」

「・・・・・ほんとにズルいです」


照れながら睨むリディア


「せめて私には特徴だけでも教えて下さい

 さっき言ったように見かけたら伝えておくので

 そのぐらいならいいですよね?」


「そうだな、じゃ頼む」

「はい♪」


俺はリディアに話すが名前は伏せておく

おっさんが14歳少女にパンティと言うのはさすがにアウト


背丈が俺に近い、黒髪黒目、フード付きのコートなど


「顔も身体も隠してるなんて不審者みたいですね」

「言うな、思ってても言うんじゃない」

「ご、ごめんなさい」


俺ががっくりしたのを見て謝るリディア


「その方は男性ですか?」

「いや女性だよ」


リディアが沈黙する


「どうしたリディア?」

「イエ、ナンデモアリマセン、、、」


なぜカタコトに?


(もしやまた恋敵が増えるの?)


「それでは失礼します、またお会いしましょうケンタさん」

「おう、じゃあなリディア」


フラフラとリディアは足取り重く去って行った

どうしたんだ?



夕刻前にギルドへ俺たちは集合する


「今日もいませんでした、疲れましたー」


ざわざわ


「そう言うなアンナ、でもごめんな

 俺たちの都合に合わせてしまって」


がやがや


「いえ、愚痴ってごめんなさい

 私ももう仲間なんですから頑張りますよ」


ばたばた


「私の方も収穫なしだ」

「わたしもです」

「二人もお疲れ様」


あーだこーだ


「さっきからギルドが騒がしいな、なんかあったのか?」

「依頼失敗者が続出してるようですよ」


俺より先にギルドに戻っていたアンナが教えてくれる


「王都から北に魔人城と呼ばれるお城があって

 その城主の魔人は多種多数の魔物を従えています」


「もしかしてそいつらが王都を狙ってるのか?」


「いえ、王都に攻め込むことはしないようです

 お城の周辺に魔物が配置されていますがテリトリーからは出て来ません」


ようは城とその周辺で暮らしていると言うだけか

住んでいるのが魔物と魔人なだけで人里と変わらないな


「配置されている魔物がそれなりの価値があるようです

 素材や肉や魔石を入手するために冒険者たちが狩り場にしています」


「魔人がそれに怒ってるとか?」


「いえ、配置するだけして放置のようです

 減ったらまた補充しているようです」


まるで陸のダンジョンだな


「ですが段々と魔物の数が減っていって補充もされなくなりました

 それでお城に住む魔人の調査が始まったのですが失敗します

 お城の四方を大きい魔物が守っているらしいです」


「その魔物に殺された冒険者もいるのか?」


「それが不思議なことに死傷者ゼロです

 お城を守っているだけのようです

 死者が出てないから大したことないと思ったバカ、コホン

 冒険者さんたちがこぞって挑みますが全て失敗に終わります」


バカって言ったな?


「それでギルドから聞いた情報と食い違っているとか

 ちゃんと魔物の情報を寄越せとかクレームが殺到しているのです」


「それでこの騒ぎか」


フェルトさんも対応に追われていた

今日はパンティさんの確認ができそうにないな


「しょうがない帰ろうか」

「そだな、魔人城とか私らには関係ないし」

「そうですね、パンティ殿捜しを優先ですから」

「帰ってご飯食べましょうお兄さん」

「おう」


俺たちは街へ帰って明日に備える

明日こそパンティさんがいますようにと祈りながら眠る




翌日も朝一で王都へ行く


ギルド内はひとまず騒ぎは収まっているようだ

ただ職員は慌ただしい、情報の整理とかで大変なのだろう


十数人の装備がしっかりしている冒険者たちがいた

職員と何やら話している


「おはようフェルトさん」

「おはようございますケンタさん」


疲れ切っているなフェルトさん


「あの団体さんは?」


「今日、魔人城の調査をするために集めた冒険者の方々です

 四方を守る魔物や城の状況などを調べてもらうんです」


なるほど、調査隊か

川口さんみたいな人がいるかな?

それは探検隊だ! ぷっ♪


「お兄さん、なにかくだらないことを考えてるでしょ」

「なぜわかった!?」


「くだらない顔をしていたからですよ」

「どんな顔だよ!」


気を取り直してフェルトさんにパンティさんのことを聞く


「来ていませんね、でも退去はしていないようです」


パンティさん、仕事しようよ

どこで引きこもっているんだか


このあと、いつもどおり王都内を捜すが見つからなかった

今日も収穫なしで街へ帰還する

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