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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
2 永遠の混沌

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84 リディア・フレンダ 1

私はロマンス小説が大好きです

そしてそんな恋に憧れていました


いました、そう過去形です

今は本当の恋を知ってしまいましたから


恋に恋して周りが見えていませんでした

そのため悪い男性に恋をしていました


優しく頼りになる大人の男性

それは飾りで本性は最低最悪でした


傷付きました、泣きました

私のために怒ってくれたパトラッシュが怪我をしました

私はいっぱい後悔しました、自身の愚かさを呪いました


ですがあの方が救って下さいました

私の目を覚まさせるように叱ってくれました

そして私のために戦って下さいました


初めて会ったときはただの冒険者さんだとしか思っていませんでした

一緒に行動するようになって頼りになる大人の人だと認識しました

そしてあのとき私はあの方に心を奪われました きゃっ♡


あの方、ケンタさんの言葉は一言一句忘れません

私の心に深く、とても深く刻み込まれましたから



「俺に乙女心を勉強しろって言ったよな?

 お前こそ男と言うものを勉強しろ!

 こんな変態教師に惚れるなんて見る目無さ過ぎだ!」


私は偉そうに乙女心を理解しろといっぱい言いました

ですが私も男性のことを理解できていませんでした


仰るとおり見る目がありませんでした

人のことを言う前に自分がやるべきことだと教えられました



「恋に恋する乙女が悪いとは言わない

 だけどな、盲目になるな!

 相手をしっかり見ろ、考えろ!

 そうでないとまたこんな男に引っ掛かるぞ」


そうですね、本当になにも見えていませんでした

もうあんな男性に引っ掛かりたくありません

しっかり見て、しっかり考えます



「お前は可愛いんだから男なんか選り取り見取りだ」


ケンタさんから見て私は可愛いようです、嬉しいです♪

選り取り見取りなのですよね?

ふふ、では私は選びますよ、あなたを♡



「自分が惚れるんじゃなくて相手に惚れさせろ!」


そう仰られてもすでに惚れてしまったので仕方がありません

ですが惚れてもらえるように努力するので覚悟して下さいませ♪



「次の恋は、間違うなよ」


はい、間違えません!

そもそもケンタさんが相手なら間違いなどありません

この恋は大正解です♪


でもこのセリフ、ドキドキしてしまいます

ロマンス小説のヒーローのようです

ヒロインはもちろん私 きゃっ♡



少し興奮し過ぎてしまいました

落ち着きましょう私 すーはーすーはー


王都からお帰りになるとき私は左頬にキスしました

みんなが見ていましたが構いません

むしろ見せつけるつもりでやりましたから


だって恋敵たちがあの場にいましたから先手必勝です!


ケンタさんはご自身が魅力的だと気付いていません

鈍感ですし、好意を直接的な形で表さないと気付いてもらえません

だから私ははしたなくても積極的にアピールします



ふう、ケンタさん、次はいつ王都に来て下さるのかしら

私の方から街まで行こうかな?


学校もあるので長期連休でないと無理ですね

そこらへん調整してみましょう



「お嬢様、お手紙でございます」

「ありがとうパトラッシュ」


執事のパトラッシュが手紙を届けてくれました


「パトラッシュ、腕の方は大丈夫なの?」

「はい、アンナ様にしっかり治していただいたので」


パトラッシュは私のために怪我をした

本当にごめんなさい、私が悪い男性に騙されたばっかりに


私は手紙の送り主の名前を確認する、シシリーだった

手紙を読みます


「パトラッシュ!」

「如何なされましたか?」


私はパトラッシュに色々と準備させるために指示を出します

私は今喜びに満ち溢れているのです

私の乙女心が最高潮です!


「おお、ケンタ様が王都へ来られるのですね」

「そうよ、シシリーが連れて来てくれるの」


シリウス様の王都までの護衛として雇ったそうです

シリウス様を子爵邸へ送り届けたら次はシシリーの護衛に移行します

そして我がフレンダ男爵邸へ連れて来てくれると手紙にありました


ありがとうシシリー、私の親友♪

でも同時にシシリー()恋敵です

負けませんよシシリー!


ケンタさんが来て下さいます、忙しくなってきました

私は色々と準備に勤しみます


ケンタさん、私のヒーロー

この恋は成就させてみせます、絶対に!



そして、ケンタさん(たち)がやって来ました


「お待ちしておりました、ケンタさん♡」






フレンダ男爵邸へ到着する

心の準備はとりあえずできた

でも緊張する


「ようこそ御出で下さいました」


パトさんが出迎えてくれる

そして扉が開いてリディアが小走りに来る


「お待ちしておりました、ケンタさん♡」


いや来たのは俺だけじゃないからね?


「リディア、お久しぶり」

「シシリー、(連れて)来てくれてありがとう♪」


相変わらず仲が良いな


「アンナさん、アオイさんもいらっしゃいませ♪」

「お世話になります」

「よろしくでござる」


ふと、リディアが止まる


「あの、こちらの方は?」


ベンケイさんとは初対面だからな


「私はベンケイ、よろしくな♪」

「あ、はい、リディアと申します、よろしくお願いいたします」


「ベンケイさんもケンタ様のパーティーメンバーですの」

「へ、へえ~、、、 ちょっとシシリー、こっちへ」






手紙にベンケイさんという方のことは書かれていました

ケンタさんが探していらした仲間でやっと合流したそうです


でも女性とは思いませんでした、手紙にも書いてなかったし

名前がベンケイなので女性とは思わず男性と思っていました


しかも可愛らしく、それでいて風格があります

さらにケンタさんとなんだか心から分かり合っている感じがします


やばいです、恋敵が増えました!

シシリーとアオイさんよりも強敵そうです


いえ、まだそうと決まったわけではないですね

落ち着きましょう私 すーはーすーはー


「シシリー、手紙に性別ぐらい書いて下さい」

「ごめんなさい、リディアの反応を見たかったので」 クスリ


確信犯ですかっ!

私のあたふたする姿を見て楽しんでいますねシシリー

というか貴女も恋敵が増えると困るのでは?


「とりあえず皆さんを屋敷の中へ案内しませんこと?」

「そうですね、そうします」


門前で立たせっぱなしなのは失礼です

一旦、ケンタさんたちのところへ戻りましょう


シシリーにはあとで問い質します!






シシリーを連れて少し離れるリディア

リディアがなにかシシリーに訊ねている

シシリーは平然と対応していた

そして戻ってくる


「お待たせしてすみません、どうぞお入り下さい」


中に入って俺たちは客間に通される

シシリーはリディアとリディアの自室へ行った


「なるほど、あれがリディアか」

「お姉ちゃん、変なこと言ったりしないでね」

「なんだよアンナ、信用しろよ」


お茶と菓子がテーブルに置かれていく

お茶をすすって気を紛らわせる


アオイくんが落ち着かない様子だ

まだ大きい屋敷は慣れないのだろう


ベンケイさんはお菓子をヒョイパクしている

アンナが恥ずかしそうに止めようとする


あれこれ考えても仕方がない

よし、なるようになれだ!

なるのか?






侍女たちが私の部屋にシシリーの荷物を置いていきます

シシリーは来るたび私の部屋で寝泊まりします


「さてシシリー、ベンケイさんとはどのような方なのですか?」


まずは相手を知らなくてはいけません


「そうですね・・・・・」


シシリーから情報を聞き出します


ケンタさんとアオイさんの古くからの知り合い

年齢的に幼少期からケンタさんと知り合いなのですね

もちろんアオイさんも幼少期だったでしょう


そんなの幼馴染とかじゃないですか!

お互いのことを詳しく知った仲ではないですか!

くっ、手強い、、、


事情があって離ればなれになっていました

そしてケンタさんは彼女を探していたそうです

羨ましい、追い求められるなんて


やっと再会してパーティーメンバーになったそうです

そしてケンタさんのことをとても大事に想っているそうです


私がケンタさんを傷付けるようなことをしたら許さないらしいです

そんなことしません、するわけがないです!


これはアオイさんより厄介な相手です

ですが私は絶対にケンタさんの愛を勝ち取ります!


「シシリーはいいのですか?」

「なにがです?」


「恋敵が増えましたよ」

「問題ありませんわ」


「余裕ですか?」

「だって一夫多妻は当たり前ですもの」


そうでした、シシリーは伯爵令嬢

結婚観が私たち下位貴族とは違います


伯爵以上だと一夫多妻は常識なのです

正妻の座は争いますが側室とか第二夫人とかは許容範囲なのです


迂闊でした、シシリーもまた強力な恋敵でした

多分、正妻の座は狙っているでしょう

私や他の女性はそれ以外と思っているので焦りがないのです


やはり全力でケンタさんにアピールしなければ!

私は決意を新たにします






しばらくしてシシリーとリディアが客間に来た


「お待たせしました」


シシリーとリディアが対面のソファに腰掛ける


「叔父様の護衛は終わりましたので私の護衛へと移行していただきます」

「そういう依頼だったからな」


「明日と明後日の二日間、お出掛けしますからお願いしますね」

「任せろ、まあ前回と違って危険度は低いけどな」


もうシシリーを狙っている奴はいない

もちろん油断せず護衛するつもりだ


「私の部屋の両隣に皆さんの部屋を用意しています

 そちらでゆっくりして下さいませ」


「今回は二部屋なのか?」

「はい、男性と女性で二部屋用意いたしました」


前回はアンナとアオイくんがリディアの部屋に行ったからな

今回はベンケイさんが増えたから用意したのだろう


「別に私はケンタと相部屋でいいぞ」


「「「「ダメです!」」」」


「うわ、びっくりした!」


アンナ、アオイくん、シシリー、リディアが却下する


「わかったよ、そんな睨むなよ」


それから、それぞれの部屋へ荷物を置きに行く


夕食前に風呂に入る、もちろん俺は一人だ

広い風呂を独り占め、金持ちになった気分だ


緊張も抜けてリディアと普通に接せるようになった

リディアも普通にしているからやっぱりアレはただのお礼だったのだろう


よし、明日と明後日の護衛、頑張ろう!

次回、恋する乙女は止まらない

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嵐の前の静けさ。とりあえずはがんばれgirls。
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