表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
2 永遠の混沌

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/159

78 屍とアンナ先生

俺は真下のドクダミチャンにダイブ

千枚通しで攻撃してくるがアンナが結界で防いでくれる

俺は攻撃を気にせず短剣で花弁を斬り裂き茎も真っ二つにする


ベンケイさんは<気合い>を込めて薙刀を投げる

千枚通しで捌こうとするが薙刀に粉砕される

そのままドクダミチャンを貫いて撃破


アオイくんは千枚通しを自慢の速さでくぐり抜ける

懐に入り短刀で斬り刻む


俺たちは危な気なくドクダミチャンを倒していった


「魔物は一掃したからアマ草を採取しよう」


アマ草をみんなでちまちま採取していく

ギルドから預かった専用の箱に入れていく

この箱は収納庫と同じでかなりの量が入る

またアマ草専用なのでアマ草が痛まないようになっている

さらに採取した量が表示されるパネル付きだ


「1800グラムだから依頼達成ではある

 でももっとたくさん採れば報酬も多くなる」


俺たちはアマ草を求めて移動する


アマ草を見つける、歌う!

ドクダミとドクダミチャンを倒してアマ草を採取

そしてまたアマ草を探しに移動する


繰り返すこと11回、最初を含めて12回の採取を終える


「全部で22763グラムか、結構採取できたな」


暗くなる前に山を降りて宿屋へ帰る



「明日も採取に行くのか?」


夕食時、ベンケイさんが聞いてくる


「どうしようかな、採り過ぎても良くないからな」


採り過ぎると生態系が狂う可能性がある


「もうちょっとぐらいならいいんじゃないですか?」


アオイくんも物足りないようだ


「よし、それじゃ明日も採取しよう

 帰るのは明後日ということで」


「おっけー♪」「はーい♪」


(明日もあの歌を何度も聞かされるのかしら、、、)


アンナが微妙な顔をしている


「どうかしたかアンナ」

「なんでもないです」




翌日、俺たちは昨日と同じく採取を頑張る

見つける、歌う!、倒す、採取を繰り返す


(よく飽きもせず歌えますね)



「もう少ししたら夕方だ、ここの採取で終わりにしよう」

「そうだな」

「はい」


(やっと終わる、、、)


「では最後なのでアンナも一緒に歌ってもらうぞ!」


「「さんせーい♪」」


「お断りします!」


「アンナは俺たちの仲間だろ?

 仲間ならこれはやらないといけないんだぞ」


「お兄さん、面白がっているだけでしょ」

「心外な! 仲間の絆を確かめ合っているだけじゃないか!」

「そんな確かめ合いは今すぐゴミ箱へ捨てて下さい!」


「アンナ、いいじゃん歌おうぜ♪」

「アンナさん、歌いましょうよお♪」


「くっ、渡る世間は変人だらけっ!」


「よし、ケーキをホールで買ってやろう!」

「うっ、ぬぐぐ、、、 わかりました、、、」


くくく、堕ちた!


アンナも含めたパート分けをして永遠の混沌(エターナル・カオス)の合唱が始まる


「「「「さーいーたー、さーいーたー♪」」」」 合唱


「チューリップの、はーなーがー、、、」 アンナ


「なーらんだー、なーらんだー♪」 俺


「あーか、しーろ、きーいーろー♪」 ベンケイさん


「どーのーはーなーみーてーもー♪」 アオイくん


「「「「きーれーいーだー」」」」 合唱



「にゃー・・・・・」 歌もにゃんこ手もアンナだけ



アンナ一人でにゃんこさせようと事前に決めていた

見事に引っ掛かったな、ざまあ♪


にゃんこ手のままアンナの顔が真っ赤になる

俺たちはニヨニヨ眺める


「ーーーーーーーっっ!」


アンナが声にならない叫びを上げる

そして俺たちは屍となった



最後の採取を終えて山を下りる


「今日は37267グラム、昨日よりたくさん採れたな」

「帰ったらちょっと高いメシ食おうぜ♪」

「いいですね、打ち上げしましょう♪」


(貯えるとか考える人がいない、ダメだこの人たち)


アンナが俺たちをダメ人間を見るような目で見ている


「アンナ、美味しい肉料理食べたいだろ?」

「そりゃ食べたいですよ」

「僕もー♪」

「もちろんポチャもだ、たらふく食わせてやるぞ♪」

「でも少しは節約を」

「デザートにケーキを3つ付けてやろう」

「・・・・・仕方がありませんね」


アンナが肉とケーキのセットに弱いことは把握しているぜ

くくく、お前も所詮はダメっ子なのだよ!


ようこそ、ダメ人間の領域(フールズ・パラダイス)へ♪




翌朝、馬車に乗ってオシリペンペン街へ向かう

約半日なので夕刻ぐらいに着く予定だ


「帰ったら夕刻を過ぎるからギルドは明日だな

 ギルドに達成報告して渡したらゆっくりしよう」


「次の依頼を決めないのか?」

「ベンケイさん、連続で依頼を受けるのはなしだよ」

「そうだったな、ホワイトだもんな」


「でも次にやる依頼は討伐がいいでーす!」

「わかったよ、次はアオイくんに選ばせてあげるよ」

「ありがとうでござる♪」


帰りもアンナが御者だ


「まったく、こうなったらヤケです、食べまくってあげます!」


ブツブツと文句垂れているが食べる気満々のようである


「そういやケンタとアオイもデリートなんちゃらと闘ったんだよな」

「はい、サスケを助けるために」

「俺もアンナやポチャが襲われていたからな」


「結構強かったよなあいつら、連携巧いし魔法も使うし」


「「え?」」


マネキンが強い? 連携? 魔法なんて使ってなかったぞ?

そもそもベンケイさんが強かったなんて思う強さじゃない

クラッシュ一発で砕け散る程度の奴だ


「全然強くないよ、俺のクラッシュで砕けるし

 魔法なんか使わないし背中の触手攻撃だけだったよ」


「「え?」」


あれ? アオイくんまで?

さっきは俺と同じくベンケイさんの言葉に驚いていたじゃないか


「それなりに強いですけど頑丈なだけでした

 砕くのには手間暇がかかりましたが言うほどではありません

 ベンケイ殿とケンタ殿なら余裕の相手ですよ」


「「え?」」


今度は俺とベンケイさんが驚く

頑丈? だからクラッシュで一撃だよ?


なんか三人ともデリートシステムの認識が食い違っている


「みなさん違うタイプと戦ったようですね」


話を聞いていたアンナが会話に入ってくる


「違うタイプって、デリートシステムって何種類かいるのか?」

「はい、3タイプに分類されます」


まさかの三人被りなし!


「そういう情報は早く教えて欲しかった」

「特に言う機会もなかったから」


ポチャのときもマネキンだった

だからデリートシステムはマネキンだけと思っていた


「ちなみに俺が戦ったのはマネキンだ」

「私はピエロ」

「わたしはダルマです」


マネキン、ピエロ、ダルマってなんだそのチョイス


「アンナ、折角だからデリートシステムについて教えてくれ」

「そうだな、知っておいた方が良さそうだ」

「わたしも知りたいです」


そしてアンナ先生によるデリートシステムの説明が始まる


「デリートシステムは3タイプ

 強い順にピエロ、ダルマ、マネキンです」


俺は一番弱いマネキンとしか戦っていなかったんだな

ベンケイさんが強かったと言ったのは一番強いピエロと戦ったからか


「マネキンの攻撃は背中から出す触手しかありません

 複数出て来ても連携はしないし魔法も使いません

 耐久力も低いのでみなさんなら余裕で倒せます」


ぶっちゃけザコだな


「ダルマは耐久力が重戦車並みです、固いです

 魔法は使いませんが体当たりと自爆を使います」


「うん、やってた」


戦ったアオイくんが頷く


「体当たりは追尾型なのでしつこく追って来ます

 そして体当たりの命中時に自爆します」


ホーミングミサイルかよ


「ダルマも連携はしませんがマネキンよりは厄介です」

「避けても避けても飛んで来るから大変でした」


アオイくんがしみじみ言う


「ピエロは人型だけあってそれなりに格闘戦もできます

 魔法も初級レベルですが使えて連携もします

 ある程度訓練された兵士と言ったところですね」


うん、そりゃ強いわ


「あれ? もしかして俺、ザコしか倒してない?」

「もしかしなくてもそうですよお兄さん」


アンナよ、もう少し気を遣ってくれ、落ち込むぞ?


「でもさ、ピエロは強かったけど私らの脅威にはならないレベルだよ」


「そうですね、でもそれぞれの上位個体が存在します

 私たちガイド精霊上位個体と同様に序列三位までいます」


「そいつらはやっぱり強いのか?」

「もちろんです、序列が決まっている上位個体は基本的に強いです」


「でもピエロはともかくマネキンの親玉なんて大したことないだろ」

「甘いですよ、下位ピエロを複数同時瞬殺できる強さです」

「そりゃすげえ、私は複数同時瞬殺できなかったぞ」


上位個体ってとんでもねえな

だったらピエロの上位個体ってそれより強いってことだろ

どこかで出会うかも知れないができる限りお会いしたくないなあ


それから俺たちはまたダラダラと雑談したり仮眠をとる

アンナは馬車を走らせる


働かせ過ぎてるな、ごめんなアンナ




夕刻過ぎにオシリペンペン街へ到着

宿屋でメシと風呂をすませて眠る


翌朝、ギルドへ直行する


「ただいまベルさん」

「おかえりなさい」


アマ草専用の箱を渡す


「たくさん採ってきましたね」

「採り過ぎたかな?」


「いえ、このぐらいなら生態系に影響はないです」


アマ草の買い取り報酬は口座に振り込んでくれる

依頼達成報酬は現金で受け取る

これで打ち上げするんだい♪


「ようし、今日の夕食は豪勢にいこうぜ♪」


「おう♪」「はい♪」


「待って」


帰ろうとしたらベルさんから待ったがかかる


「なに?」

「あなたたち、領主邸へ行ってね」


「なんで領主邸へ行かないといけないの?」

「理由は知らないけれど領主様があなたたちをお呼びなのよ」


俺たち領主様に呼ばれるような心当たりがないんだけど

いや、これまで結構不敬な態度をしてきたからついに罰せられるとか?


「そんな不安そうな顔しないでよ

 なにか大事な話があると言っていたわ」


「大事な話ってなんだろう?」

「昼過ぎならいつでも良いらしいから明日でもいいのよ」


「ケンタ、面倒事ならさっさと済ましてしまおうぜ」

「そうですよお兄さん、今日のお昼に行きましょう」


そうだよな、さっさと済ませてゆっくりしよう


「よし、今日の昼に行ってみるか」

次回、ベンケイ怒る

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
アンナちゃんのにゃんこ手を想像して尊死…そして私も屍になった。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ