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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
2 永遠の混沌

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66 模擬戦祭り

目が覚めたら10時少し前だった

アンナたちはすでに起きていた

俺を気遣って起こさないでくれたのだろう


遅い朝食タイム

食べずに待ってくれていたのだ

あのポチャまでもが我慢していた

みんなの優しさが心に沁みる



食べ終わって冒険者ギルドへ向かう

久しぶりだな、相変わらず賑わっている


中に入るといつものように視線を浴びる

すぐに視線はなくなるが少しだけ違った

残念そうにしている冒険者がたくさんいた


何だ? みんな誰かを待っているのか?

この街に有名な冒険者でも来ているのか?


まあ俺たちには関係ないだろう

俺たちは受付へ向かう


「ただいまベルさん、久しぶり」

「あ、、、 おかえりなさい、皆さんお久しぶりです」


俺たちを見てバツの悪そうな顔を一瞬したがすぐに営業スマイルに戻す


「どうかしたの?」

「な、なんでもないですよ?」


目が泳いでいる、それでなんでもないわけあるかよ


「ご、護衛依頼は終わったんですよね?

 手続きするからカードを提出して下さい!」


誤魔化すように業務に逃げるベルさん

まあいいか、しつこくして嫌われたくないし


「そうだ、これギルマスに渡してくれ」

「これは?」

「Cランク昇格の推薦状だ」

「え、誰から貰ったんですか?」


「護衛依頼の報酬で領主様がくれた

 王都のフレンダ男爵様との連名だ」


ベルさんの動きが一瞬止まったがすぐに我に返る


「わかりました、少し待っていて下さい」


そう言って席を立ちギルマスのところへ行く

あまり時間は掛からなかったようですぐに戻って来た

水晶板を操作して処理をしてくれる


「完了しました、Cランク昇格おめでとうございます♪」


カードを確認する

Cランクの印字にちょっとだけニヤける


「昇格するの早いですねケンタさんたち」

「そうかな?」

「そうですよ、登録したのって2ヶ月前ですよね」


カードには登録日も記載されている

たしかに2ヶ月でCランクまで昇格するのは早いかも知れない


「ふふん、俺たちは実力があるからな♪」

「あはは、自分で言いますかそれを」


「お金もあるし出世街道まっしぐらだし

 俺って優良物件だと思いますよベルさん♪」


軽いアピールをしてみる

まあ冗談にしかならないけどな


「そうですね♪」


・・・・・・・ん?


「お兄さん、こんなところでナンパしないで下さい」

「いや俺はそういうつもりでは」

「あら、違ったんですか、残念」


自分で話を振っといてわけがわからなくなってきた

え? もしかしてベルさん、俺に気があるの?


「護衛依頼が終わったばかりですけどどうしますか?

 何か依頼を受けていきますか?」


何事もなかったように業務に戻るベルさん

ああ、からかわれたのね俺、酷いなあベルさん

まあ俺が先に調子こいたこと言ったんだけどさ


「いや、今日はやめとくよ、ゆっくりしたいから」

「お疲れさまです」


「ベルさん、すみませんがまた調べていただけますか?」

「パンさんとベンケイさんですね」


アンナが二人が来ているか調べてもらう

ベルさんはパンティと言いたくないからパンさんと略している


「調べなくてもベルさんはもうわかるのでは?」

「アオイくん、どういうこと?」


「ベルさんは二人の名前をもう覚えていますよね

 滞在手続きに来たらカードを見るから来たらわかるはずですよ」


たしかにそうだ、いちいち調べる必要ないよな


「あの、受付はわたしだけじゃないからね?」

「あ、そうですね、他の受付に行かれたらわかりませんね」


そうだった、受付が一人なわけがなかった


「ごめんなさいベルさん」

「いいのよアオイちゃん、気にしないで」


苦笑しながら調べてくれる


「パンさんは来ていませんね」

「ん? じゃベンケイさんは来ているのか?」


そう言った途端、ベルさんが困惑する

その反応は何なの?


「べ、ベンケイさんと言う方も、い、いませんよ?」

「なんでそんな挙動不審なのさ」

「あーもー! いませんったらいません!」


なんでキレるのさ?


「用事が済んだらさっさと受付から離れて下さい!

 他の冒険者が受付に来れないじゃないですか!」


「わ、わかったよ、帰るよ」


今日のベルさんはおかしいぞ?

何かあったのか?


俺たちは受付から離れることにした


「あ、ちょっと待って」


呼び止められた


「なんだよ、離れろと言ったり待てと言ったり」

「ごめんなさい、でも一つだけあなた達に伝えることがあったの」


なんだろう?


「一応毎日ギルドには顔を出してね、できれば昼過ぎがいいわ」

「どゆこと?」

「来ればわかるわ、それ以上は言えません!」

「今日のベルさん少し変だよ」

「、、、ごめんなさいね」


気落ちしている、追及しない方がいいな


「いいよ、わかった、昼過ぎに顔を出すよ」

「ありがとう、ほんとにごめんなさいね」


申し訳なさそうに笑うベルさん

ベルさんも色々あるんだろうな


俺たちはギルドから出て露店へ向かった



「怪しいですね」

「何が?」


「ベルさんです、何か隠していますねアレは

 ベンケイさんは来ているのではないでしょうか」


「ベンケイさんが来ているのを隠す理由がないだろ?」

「そうですよアンナさん、深読みし過ぎでは?」

「理由はわかりませんがきっと隠しています」


断言するアンナ

たしかに怪しいけど隠す理由がわからん


「それに昼過ぎに顔を出せと言うのもおかしな話です

 ギルドに顔を出すだけなら朝でも夕方でもいいはずです

 なぜ昼過ぎと限定するのでしょうか」


「たしかにそうだな」

「もしかしたら昼過ぎにベンケイさんが来るのでは?」

「だったらそう言ってくれるのでは?」


「そうですよね、なぜそんな回りくどいことをするのか謎です」

「まあ昼過ぎにギルドへ行けばわかるだろ」


「でしたら今日早速行きませんか?」

「そうだな、行ってみるか」


今日はゆっくり過ごそうと思っていた

でも俺も気になるから行くことに決める


「昼までちょっとだけ時間があるから露店で軽くつまむか」

「そうしましょう」


俺たちは露店をブラつく



「おお、ケンタさんじゃないか、久しぶり」

「ストックさん、久しぶり」

「数日見なかったがどこかへ行っていたのか?」

「護衛依頼で王都まで行ってたんだよ」


ストックさんは街の周辺で討伐依頼をしていたそうだ


「ケンタ殿、この方は?」


そういやアオイくんは初対面だったな


「この人がストックさんだよ」

「ああ、この方が」


ベンケイさんとパンティさんを探していたとき

ギルドに聞けばいいとストックさんが教えてくれた

アオイくんにも伝えたので名前だけは知っている


「初めまして、アオイと申します」

「ガイド精霊のサスケと申します」

「俺はストックだ、よろしく」


「そういやギルドで昼過ぎに何かあるのか?」

「ああ、あるぞ、面白いことが」

「面白いこと?」


「5日前から模擬戦祭りが行われている」

「何だそりゃ?」


5日前って言ったら王都到着の翌日だな


「6日前に来た冒険者がギルマスに交渉して始めたんだ

 1日3組限定だがその冒険者へ誰でも挑戦できる

 ルールも単純だから他の冒険者たちも楽しんでいる」


「その冒険者は戦うのが好きなのか?」

「それはわからんが、こんな祭りをやるぐらいだからそうかもな」


ストックさんが知っている限りのことを教えてくれた


1日3組限定、1組の人数は問わない

ようするにサシでもパーティーでもOKということだ


誰でも挑戦できるが各組一戦限りで再戦はなし


一戦の時間は5分で時間内に気を失わすか降参させた方の勝利

5分を過ぎて決着がついてない場合はそのまま続行するが

身体の腰より上が地面に着いたら負けという条件が追加される


敗けたら所持しているアイテムや装備のどれか一つを差し出す


「きちんとルールが決められているんだな」

「ああ、ただの戦闘狂ではないと思うぞ」


5日前からだから今日で6日目か


「昼過ぎに来いって言うのはそれを見せたかったのかな?」

「もしかしたらその人がベンケイさんでは?」

「だとしたらベルさんは何故言わないのでしょう?」


「ベンケイ? 誰だいそれは?」

「俺たちが探している仲間ですよ」


「そうか、じゃ違うと思うぞケンタさん

 その冒険者は女性でシズカという名前だからな」


そう都合よくいかないか、残念だ


「って女性? そんな祭り、男がやってるもんだと思ってた」

「まあそう思うよな、俺も最初は不思議に思ったよ」


強い女性はいるけど模擬戦祭りなんてやらないよな


「ちなみに5日目の昨日まで全勝中だ」

「は? マジで? そんなに強いの?」

「ああ、マジだ」


1日3組だから15連勝中と言うことだ

パーティーで挑んでいる奴らもいただろう

人数にしたらかなりの数を倒していることになる


「俺は今日も観戦するつもりだ」


「じつは俺たちも見に行こうと思っているんだ

 ベルさんに昼過ぎにギルドへ来いって言われたし」


「そうか、じゃギルドでまた会えるな」

「ああ、一緒に観戦しよう」


ストックさんは寄るところがあるのでここで別れた


「ベンケイさんじゃなかったな」

「わかりませんよ、真名か偽名かも知れません」

「でも女性だし」

「キャラが男性でも実際は女性かも知れませんよ」

「わたしと同じかもですね」


そうだよな、アオイくんの例があるわけだし


「よし、あれこれ考えていても埒が明かない

 会って話して確認するのが一番だ」


「そうですね、そうしましょう」

「ベンケイ殿だったらいいですね」

「そうだな」


でもベンケイさん、とても漢らしい人だった

女性とは思えないんだよなあ



12時になったので俺たちはギルドへ再び向かう


俺たちが入ると視線を浴びるがすぐに視線はなくなる

シズカさんが来るのを待っているのだろう


ギルド内は朝来たときよりも冒険者が集まっていた


どんだけ人気あるんだよ模擬戦祭り

「闘将」編スタートです

と言ってもまだバトル前です、ごめんなさい

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