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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
2 永遠の混沌

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49 謎のお姉さん

街から森まではさほど遠くない

普通に歩いて1時間ほどのところにある


アオイは全力で走り10分で到着する

それからアジトまで慎重に行っても5分

出発から15分でアジトの近くまで来た


斥候なので無理に押し入らない

下手に動いてリディアに何かあっては意味がないからだ


サスケに合図を送る

サスケが茂みから向かいの茂みへ走る


「何だ!?」

「猫だ、いちいち驚くな」

「いきなりだからビックリしただけだ」

「へ、ビビりめ」

「なんだとう!」

「やめろ、見張りに専念しろ」


などと意識がよそへ向いている隙にアオイは中に入って行った

音と気配を消して素早く移動する


リディアの居場所を探る

犯人たちの会話から地下牢だとすぐに判明する


地下牢を見つけるのは容易だった

アオイは探索を使えるので入り組んでいても場所がわかる


地下に降りてすぐのところに牢はあった


(いた、あの女の子がリディアちゃんね)


同時にそばにいる女性を観察する


(見張りかな、でもあの格好)


シンプルな黒いロングドレス

腰まで届く綺麗なストレートの黒髪

その頭に魔女が被るような大きな黒帽子

右手には魔法使いが使うような木の杖

スタイルも良く、胸もある


少し薄暗いが顔を確認する

優しそうな笑顔でリディアと何やら話している

リディアはパンを受け取り食べていた


(美人さんだ、リディアちゃんも警戒していないみたい)


スキル<地獄耳(デビルイヤー)


任意の遠くの音や声を聞き取るスキル

忍者や盗賊が取得できるスキルである


「お姉さん、私をここから逃がして下さい

 そして向かって来ている親友を助けてくれませんか」


「いいわよ♪」


(あれ? もしかして良い人?)


「でもちょっと待ってね、気になることが一つできたから」

「何ですか?」


(何だろう?)


「フラッシュ」


アオイの方に向けて眩い光が放たれる


「まぶし、、、!」






「さすがに速いですねアオイさん」


飛んでいても差が縮まりません

私が飛ぶ速さと同等のようです


森の上空からアジトを見つけます

見張りのいない場所へ降ります


「ポチャ、行きなさい」

「うん♪」


ポチャが見張りのところへ近付く


「くぅ~ん♡」


可愛らしくキョトンとして鳴く


「今度は犬かよ」

「おー可愛いな、ほらほらおいでー」

「こんなところに犬が来るっておかしいと思えよ!」

「さっきの猫といい、何なんだ」

「まさか誰か来てるのか?」


見張りたちが警戒しだした、一人を除いて


「よーしよし、可愛いなあおまえー♪」

「お前、警戒しろよ、、、」

「仕方ないだろ実家の犬を思い出したんだよ」


チンピラっぽいけど根は悪くなさそうですね

でも誘拐犯ですからお仕置きです


ドドン!!


地面が揺れた


アジトの中の方から? 地下?

もしかしたらアオイさんが見つかって戦闘になったのかも


見張りの男たちが中に入ろうと踵を返します

行かせません!


「そこの悪党さんたち、どこへ行くんですかー?」

「えっ、今度は何だ?」

「女のガキ?」

「うほっ、可愛いじゃねーか」

「バカ野郎、多分あの女の子の関係者だろ!」

「ていうことはさっきの揺れも敵襲か!」


アオイさんは中の敵を相手にしているのでしょう

この見張りさんたちを瞬殺して助けに行きましょう

中の方が敵の数は多いでしょうから


それにあの揺れは気になります

魔法だと思うけど誘拐犯たちに魔法が使えるとは思えません

多分、雇われ冒険者がいるのでしょう


アオイさんは強いから大丈夫だとは思います

だけどリディアさんが人質にされたら厄介です


「くそ、こいつすばしっこい!」

「全然捕まえられねえ!」


躱しながら考え事はいけませんね、集中しましょう


「では本気で行きますね」


「うおっ!」

「なにっ!?」


私は全開で仕留めて行きます


「弱過ぎですね」


声を上げることもなく気絶する見張りさんたち


「相変わらずお強いですねアンナさん」


サスケも茂みから出て来た


「ではアオイさんとリディアさんを助けに行きますよ」


ポチャとサスケと共に中に入ります






「くっ、目が開かないっ、、、」

「異常回復」


女冒険者が回復魔法を掛けてくれた

ようやく見えるようになった

目の前に木の杖が突き出されていた


「質問に答えてくれるかしらクノイチさん

 答えによっては攻撃魔法をこのまま放ちます

 この至近距離ではクノイチと言えど躱せませんよ」


この人、強い

わたしが隠れていたのを気付いていたし

どうしよう、このままだとヤバい


「あなた、わたしの監視か何かかしら?

 わたしが言うこと聞かずに自由に振る舞っているからよね

 でも監視の監視を雇うとは思ってもいなかったわ

 チンピラ誘拐団だと思っていたのだけど案外慎重なのね」


わたしが誘拐団の仲間だと思われているの?

あなたこそ誘拐団の仲間のくせに


「違います、わたしはその子を助けに来た者です

 あなたこそ誘拐団の一人でしょう」


「そうね、間違って雇われたけど結果的にそうなったわ」

「それはどういうことですか?」

「護衛で雇われたはずなんだけどこの子の監視にされちゃったの」

「この子に危害は?」

「無いわ、結界で守っているからあいつらは手出しできないわ」

「あなた、さっきこの子の逃がしてと言うお願いを承諾しましたよね」


「やっぱり聞いていたのね

 だからわたしを監視していたと思ったのよ」


「それじゃあ一緒にこの子を助けてくれませんか」

「もちろんよ」


木の杖を引っ込めてくれた


「それじゃ牢の結界だけ解くわね」

「牢の結界だけって?」


「牢とは別にあの子の身体も結界で覆っているの

 一枚多く服を着ているようなものだから動けるわよ」


なにその高度な結界、そんなことができるなんて何者?


牢の結界を解除してくれる

リディアちゃんが牢から出てくる


「ありがとうございますお二方」

「礼なら後です、地上に出てシシリーちゃんたちと合流しましょう」

「シシリーは大丈夫なのでしょうか」

「はい、わたしより強い方が守っていますから」

「話は後ですよ、さっさとこんなジメジメしたところから出ましょう」


お姉さんの言うとおりです

わたしたちは上に上がる階段へ向かいます


「あら、今度は本当に誘拐団が来たようね」


階段から男が二人降りて来た


「やっぱり裏切ったか女狐め」

「誰が女狐ですか、愉快団のくせに」

「愉快団って何だ! バカにしてんのか!」

「そうですよ」


愉快団、いえ誘拐団の男は怒り心頭のようだ


「それにしても愉快団のボス自らこんなところに何の御用かしら」


この男がボスなのね

そしてもう一人の大男が前に出る


「ボス、こいつら殺しますか?」


「殺すな、痛めつけて生け捕りにしろ

 楽しんだあと、売り飛ばすのだから」


「へい、わかりました」


セオリーどおりのチンピラさんだった


「ストーンバレット、アイスニードル、フレイムランス」


不意打ちで攻撃魔法を三連続で放つお姉さん

やっぱり戦い慣れているし強いなこの人


「ふんぬっ!」 全て弾く大男


「あら、頑丈ですね」

「身体強化と身体を強力な魔法障壁で覆っているからな」


このアホそうな大男にそんな強力な魔法が使えるとは思えない


「なるほど魔法道具(マジックアイテム)ですね」


そういうカラクリでしたか


「防御だけじゃないぞ、喰らえっ! <ストーンブラスト>」


大男が拳を地面に撃ち付ける


ドドン! 地鳴りが起こる


砕けた岩盤が無数の弾丸となってわたしたちを襲う

でも全ての弾丸がわたしたちの手前で何かにぶつかり落ちる


「何だ? 何をした!」

「言うわけないでしょ」


わたしもわからない、魔法を使ったようにも見えなかった

木の杖も動かしていないし、どうやったのだろう


「そんなのストーンブラストじゃないわ

 地面の岩盤を砕いて飛ばしただけの力業じゃないの」


「ふん、俺の拳が当たれば肉片にはなるぜ」

「そうね、当たればね」


こんなときだけどケンタ殿がたまに言うセリフを思い出した


『当たらなければどうということはない』


何かのアニメの引用なのだそうですがわたしは知りません


「なら潰れろクソ女ぁっ!」


思ったよりも速い拳がお姉さんを襲う


ガインッ! グシャッ!


「ぎゃあぁぁっ! いてえぇぇっ!!」


さっきと同じくお姉さんの手前で拳が阻まれる

全力で撃ち込んでいたため拳が潰れた


「潰れたのはあなたのクソ拳でしたね」


すうっと木の杖を大男に向ける


「その身を凍えさせ反省しなさい、アイスプリズン」


大男の身体を氷が覆っていく


「うわっ! 何だ!? やめ・・・・・」


大きな氷柱に囚われる大男

アイスプリズン、まさに氷の牢獄


「な、何なんだ貴様っ! 何者だ!?」


ボスが狼狽える


「雇っておいて何者などとはおかしなことを言いますね」

「Cランク冒険者じゃないのか貴様!」


Cランク? それより上ですよこの実力は


「Cランクですよ、カードも確認したでしょ」

「しかし、その力は、、、」

「ではあなたも反省してね、アイスプリズン」

「や、やめ、、、」


ボスも氷漬けとなった


「では今度こそ地上に出ましょうか♪」 ニッコリ


「「は、はい」」



「ところであの男たちは死んだのですか?」


ゲームと違って現実だから命を奪うことは恐い

あっちの世界とは違うのだから()らないと()られる

それはわかっていてもやっぱり恐い


「大丈夫よ、死んでいないわ」

「でもさすがに息のできない氷の中ですよ」

「わたしのアイプリは酸素を中に送っているから窒息しないわ」


アイプリって何か可愛い略し方されました


「それにあいつらは生け捕りにして兵士に渡さないとダメでしょ

 悪事を吐かせて罪を償わせないとね」


すごいな、強いし、考えもしっかりしているし

これが大人の女性かあ、わたしもなれるといいなあ


む、胸も、、、

次回、救出作戦決着

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