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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
2 永遠の混沌

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45 行動開始

朝食タイムのあと、俺の部屋に全員集合している

今後の活動について話し合うためだ


この街に着いた初日は宿屋の確保

その前にアンナと色々あったが今はもういつもどおりだ


その後はギルドで更新して各自で好きに過ごした

みんなそれぞれゆっくり色々考える時間も取れたと思う


今後の活動の指針になることもあるだろう

それらを踏まえて今日から行動開始だ


「諸君、これより会議を始める」 キリッ


「それ必要ですか?」

「なんだよう、やってみたかったんだよう」


気を取り直して話し始める


「宿屋も確保して休息も取れたので今日から行動開始しようと思う

 だけど基本方針としてはゆっくりやっていきたいと思っている

 みんなはどうだ?」


「私はお兄さんの方針に反対はしません

 それに合わせてサポートをするだけです」


ガイド精霊らしいご意見だ


「わたしも忙しないのは嫌なので賛成です」


アオイくんはそう言ってくれると思っていたよ


「私は主に従うだけです」


サスケはそうだろうね


「僕もゆっくり遊びたいからそれでいーよ♪」


うん、遊んでばかりってわけにはいかないけどね


「では永遠の混沌(エターナル・カオス)の基本方針はそれで決まりだ

 ゆっくり無理せず楽しく日々を送ることを基本方針とする」


俺たちはホワイトなパーティーなのだよ


「では次に当面の目標、目的について

 今の俺の優先事項はベンケイさんとパンティさんを探し出すことだ」


「わたしも同じです」

「構いませんよ」

「主に従います」

「いーよ♪」


もはやポチャとサスケの意見はこのあともすべて同じだろう

サスケはアオイくんに従うだけだろうし

ポチャはなんでもいいのだろう楽しければ


俺のもう一つの目標、パーティーハウスは今はいいや

みんなが揃ってからでも遅くない


「二人を探し出すことを念頭に置いて冒険者活動もしていこう

 もちろん無理のない範囲でだ」


こうして俺たちの基本方針と当面の活動内容が決定した



「では今日はどうします?」

「軽めの依頼でもやりますかケンタ殿」


「今日はFPOプレイヤーたちを調べていこうと思う

 アンナ、サスケ、ポチャがいればプレイヤーを判別できる

 その人たちに声を掛けたり会話を聞いていく

 ベンケイさんとパンティさんの名前が出てくれば万々歳だ」


「手当たり次第のローラー作戦ですね」

「でも一つだけ問題がありますよねケンタ殿」


「アオイくんの言うとおり問題がある

 ベンケイさんはそれで見つけられるだろう

 だがパンティさんはきっと無理だ

 絶対パンティとは名乗らないはずだから

 真名を名乗っていることだろう」


現実世界でパンティなんて名乗れるわけがない

それに俺たちも知らない人にパンティとか言えない


「パンティ殿を探し出すのは難易度が高過ぎますね」


「ああ、パンティさんに関してはかなり難しいだろう

 でもパーティー名に反応してくれれば名乗り出てくれると思う」


それしか手立てがないのが辛い


「ではギルドや街中でプレイヤーに探りを入れていこう

 今日から当面はこれをやっていく」


「依頼とかはやらないんですか」


「もちろんやるよ、近場で簡単なやつをな

 依頼で外に出てる人もいるだろうからね」



そして俺たちは冒険者ギルドへやって来た

アンナたちがプレイヤーを判別してくれる

話し掛けやすそうなプレイヤーから声を掛けていく


アオイくんはサスケと一緒に街中を探す

ギルドにいなかったので俺たちも街中に出る



「やあ、ケンタさん」

「あ、ストックさん、こんにちは」


相変わらず男前だ


「ニクジャガ山はどうでした」

「ああ、ボスの速さに苦戦したが仕留めたよ」


さすがだな、ソロで死なない男


「ケンタさんは何をしているんだ?

 さっきから色んな人に声を掛けていたようだが」


ゲーム時代の仲間を探していることを話す


「なるほど、こっちに来ているであろう仲間を探していたのか

 そっちのお嬢さんと犬が前に言っていたガイド精霊だね

 初めまして、俺はストックだ、よろしく」


「初めまして、アンナと言います」

「僕はポチャ♪」

「おお、本当に犬でもしゃべるんだな」


アンナとポチャにストックさんと出会ったときのことを話す


「ところでケンタさん、その探し方は効率が悪いと思うぞ」

「俺自身もそう思うけど他に思いつかなくて」


するとストックさんから至極当然なご意見が


「ギルドでこの街に滞在しているかどうか聞いたらどうだ?

 滞在している冒険者は登録されているからな」


俺は衝撃を受けた


そのとーり! ストックさんの言うとーり!


何でその発想が出なかったんだ俺!

あちこち声掛けたり捜し歩く必要ないじゃん!


アンナもポカンとしていた

アンナもその発想に至らなかったようだ


「おいおい落ち込むなよ、なんかすまん」


「いや、ストックさんは悪くないです

 むしろ気付かせてくれてありがとうございます」



ストックさんにお礼を言ってアオイくんと合流する

そしてこのことを伝える


「そ、そんな、全然思い付きませんでした!」


俺たちは全員ダメな子だったようだ



トボトボと俺たち永遠の混沌(エターナル・カオス)はギルドへ向かった


受付に行き訊ねる


「ベンケイさんと言う冒険者ですか?

 わかりました、調べますので少々お待ち下さい」


ベルさんがナビのような水晶板を操作する

いるといいな、いてくれベンケイさん!


「いませんね」


いないのかよ!




宿屋に戻ってぐったりする俺たち


「まだこの街に来ていないのかよベンケイさん」

「残念無念です」


「あの、今思い付いたのですが」

「何だアンナ」

「パンティさんも調べてもらったらどうですか?」


「「無理!」」


「ええっ!?」


「パンティと言う名の冒険者は滞在してますか、なんて聞けるかっ!」

「そうですよ! 変な目で見られちゃいますよ!」


ギルドカードにはキャラネームが載る

この世界ではキャラネームがプレイヤーの実名だ

鑑定とかでもキャラネームが表示される


だからこの世界ではパンティ・ストッキングという名前なのだ

恥ずかしいだろうから真名で名乗っているだろう

けれどカードを見られれば一発KOだ


本当にパンティさんを探し出すのは難し過ぎる

ベンケイさんはいずれこの街に来るだろう

定期的に滞在確認をすればいいだけだ


「ベンケイさんは滞在確認をたまにしよう

 パンティさんは向こうから来るのを待つしかないな」


「それしかありませんね」




翌日、冒険者ギルドにて


「パンティという名前の冒険者が滞在しているか調べて下さい」

「パ、アンナちゃん、何を言っているの!?」


困惑するベルさん

アンナが堂々と聞いてくれた


「そういう名前の人なので気にしないで下さい」

「気にするわよっ!」


うん、気にするよね、ごめんね


「いいから調べて下さい」

「うう、わかりました」


本当にごめん、マジすまん


「いませんね」


いないのかよ!(二度目)

気にするよね、ある意味セクハラですね

ちなみにストックさんはソロでニック・ジャガーを討伐しました


次回、おじ様と令嬢

ここから長い物語が始まります

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