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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
2 永遠の混沌

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42 サンオン塔

今日と明日は自由行動になりました

今日はもうお昼なので半日弱しかありませんが


屋台で買ったものを食べながら北西の門へ向かっています


「主、街を見て回らないのですか?」

「見て回るのは明日にするよ」

「ではどちらへ向かっているのですか?」


サスケが頭の上から聞いてくる


「この街の北西に塔があるのは知っているよね」

「はい、存じております」


ガイド精霊だからマップは頭に入っているそうです


「あの塔、サンオン塔に何かあるのですか?

 魔物は弱いし特に何かあるわけでもありませんよ」


「そうだね、何もないよね」


サンオン塔、ちょっと五重の塔っぽい塔

各階に罠はなく魔物もレベル1でも余裕で倒せる弱さです

冒険者にとっては旨味も面白味もない場所

でも極一部のプレイヤーしか知らない仕掛けがある


サンオン塔に着きました


「見事に冒険者が少ないですね」


いるにはいるが数えるほどしかいない

それも初心者ばかり


弱い魔物しかいないから初心者の狩り場になっている


塔の中に入る


一階から三階はスライム、四階はスケルトンが出現する

最上階の五階はボスしか出ません


みなさんプチプチとスライムを倒しています

軽く一突きするだけで破裂します


簡単に倒せていいのですがすぐに飽きてしまいます

ほら、数匹狩った冒険者の方々が帰って行きます

手応えが無さ過ぎてつまらないのでしょう


飽きたら帰るか上の階に行くかのどちらかに分かれます


二階もスライム、三階もスライム

どちらも一階と同じスライムしか出ません

なので上に行くにつれて人が減ります


帰るかスライムを無視して四階に行く人に分かれます

四階はスライムではなくスケルトンですから


ですがスケルトンも弱いのです

動きが単調で遅くスライムと同じく一撃で粉砕できます


結局飽きて帰るか無視してボスへ挑むかになります


五階です、ボス部屋です、みなさん逃げます

逃亡可能なボス戦なんてちゃんちゃらおかしいです

でもみなさん逃げ帰ります


サンオン塔のボス、サンカンシオン

姿がスケルトンですが強さが四階のスケルトンとは違います

素早く頑丈で火属性と水属性の魔法を使ってきます


下の階が弱過ぎなのに対してボスが極端に強いのです

ゲームバランスが崩壊しています


「とりあえず倒しますか」


ボスエリア内に入ったのでわたしを攻撃対象と認識します

アイスニードルを乱れ撃ちしてきました

大きな針状の氷がたくさん飛んできます

そりゃこんな攻撃されたら初心者は逃げますよね


わたしは両手の短刀で弾き捌いていきます

アイスニードルを撃ち終わったらほんの少しだけ間が空きます

その隙にサンカンシオンの懐に飛び込みます


ガキィィン!


肋骨の部分を数本砕きましたが倒れません

次は背骨部分を狙います


素早くわたしから距離を取るサンカンシオン

今度はファイアボールを乱れ撃ちしてきます


「水壁の術!」


分厚い水の壁で防ぎます

はい、ウォーターウォールです

わたしは忍者ですから水壁の術と呼びます


流れ弾のファイアボールが塔のあちこちに当たります

でも燃え移りません、塔自体に魔法障壁が張られているからです


ファイアボールを撃ち終わったらまたほんの少しだけ間が空きます

すぐに背後へ回り込みます


「忍技・土槍突き!」


硬質化した土の槍を背骨に撃ち込みます

ストーンランスですが忍者なので土槍です

魔法だけど忍術です、そこは譲れません!


バキン!


サンカンシオンの背骨が砕け散ります

ガラガラと骨が崩れていきます

骨が灰になり魔石と頭蓋骨が残ります


ボス討伐の証明は頭蓋骨か魔石です

頭蓋骨は装備素材なので換金できます


「終わりましたね、では帰りましょうか主」

「まだよ」

「え、ですがもう何もありませんよ?」


どうやらガイド精霊でも仕掛けまでは知らないようです


「ここに来た目的はこれからなの」

「何があるのですか?」


わたしは部屋の中央に立つ

そこに頭蓋骨を置く


「しっかり掴まっていてねサスケ」

「え? はい」


サスケがわたしの頭に張り付く

最近良い物食べてるから少し重い


「じゃ行くよ」 ガシャン!


頭蓋骨を踏み砕く


「主!? それ結構なお値段になりますよ!?」


次の瞬間、わたしとサスケは別の部屋に来ていた


「え、こ、ここは!?」

「ここはサンオン塔最上階の1000メートル真上よ」


じつは五階の上、六階があったのです

しかも1000メートル上空


五階の中央で頭蓋骨を砕けば来れるのです


「ガイド精霊でも知らないことってあるのね」

「マップや魔物の情報などはありますがギミックの情報はありませんから」


やっぱりそうだったんだ


「それでこの部屋には何が?」

「中央だとわかりづらいから壁側に行くね」


壁側は展望台のようにガラス張りです


「あ、これは、、、」

「ふふ、いい眺めでしょう?」


ここから見える景色

ここを中心に周辺の街や山や王都が一望できるのです


「ほら、あれが王都よ、大きいね

 あっちがニクジャガ山で、こっちがホルモン草原

 少し目を凝らせばブリダイコン山も見えるわ」


「おお、本当ですね」


ふふ、サスケが驚いている、面白い♪


「主はよく知っていましたねこんなギミック」

「ケンタ殿とベンケイ殿に教えてもらったの」


わたしも初めて連れて来られたときは驚いた

そして感動した、この世界の広さに

それからどっぷりとFPOにハマってしまったのよね


パンティ殿は来たことないみたいだから教えてあげたいな

早くみんなとまた冒険がしたい


夕刻までこの景色を見ながら過ごして街へ戻りました



ギルドでボス討伐の報告をします

サンオン塔の討伐は依頼書が無くても可能なのです


「こちらが討伐報酬と魔石の買い取り金です

 頭蓋骨もあれば報酬がもっとあったのに残念ですね」


間違って粉々にしてしまったと言いました

粉砕したのは事実なので嘘ではありません

それにあの景色は報酬より価値があります♪



ギルドを出て宿屋へ戻ります


「明日は街を見て回ろうねサスケ」

「はい、お供致します」


ケンタ殿はこの街を拠点にすると言っていた

わたしも賛成です


この街にはみんなで過ごした11年間が詰まっている

拠点はこの街しか考えられません


ベンケイ殿、パンティ殿、何処にいるのでござるか?

拙者とケンタ殿はこの街にいるでござるよ


本当に早く見つかるといいな

今回はアオイ視点でした

次回はケンタとアンナ、それぞれのお話です


ネーミングネタ

サンオン塔 → 三温糖

サンカンシオン → 三寒四温

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