33 パーティー申請
俺たちは冒険者ギルドへ急いで戻った
「パーティー申請ですね、こちらの用紙にご記入下さい」
パーティー申請用紙を渡される
パーティーメンバーの名前とランクとカードIDを記入する
俺とアンナとアオイくんをメンバー登録する
新たに増えたらその都度ギルドで更新しないといけない
「さて、パーティー名は何にしようか」
「変な名前にしないで下さいよ」
「ケンタ殿、ゲームのときのやつにしませんか」
「ああ、アレか」
俺たち四人が組んだときのパーティー名がある
FPOに似合わない名前なんだよな、中二病入ってるけど
「パーティー名<永遠の混沌>」
「お兄さん、アオイさん、そんな名前のパーティーだったの?」
呆れ顔のアンナ
「い、いいじゃないですか!」 真っ赤
「病んでたんだよ俺たちは!」 真っ赤
ベンケイさんは「カッコいい!」って気に入ってたし
パンティさんは「ステキ♡」って言ってた!
「とにかくこの名前で決定だ!」
「えー、私は反対です!」
「主、私もそれは恥ずかしいので止めた方がよいと思います」
「サスケ酷い!」
賛成反対が同数だ
「僕? いいと思うよー♪」
「よっし! 3対2でこの名前に決定だ!」
「ポチャ、あなたはパーティーじゃないでしょ!」
「アンナさん、それならサスケも違いますよ
そうなると2対1なので結果は同じですね」
「くっ、始めから私は負けていたのね、、、」
くくく、アンナめ、いい気味だ ざまぁ♪
「では改めてパーティー名は永遠の混沌に決定だ」
「これでベンケイさんとパンティさんが加われば完璧ですね♪」
「そうだな♪」
(くっ、この中二病どもめ、、、)
アンナがものすごく悔しそうなので気分が良い♪
登録用紙をケイトさんに渡す
一瞬フッと乾いた笑いをするケイトさん
失礼だなキミ
こうしてパーティー登録は完了した
行くぜ、永遠の混沌の名を世界に知らしめるのだ!
ベンケイさんとパンティさんはこの名前に反応するはずだ
そうしたら向こうから来てくれると思う
四人が揃って永遠の混沌は完成するのだ
アンナがブツブツ文句を言っているが無視する
宿屋に戻ってゆっくりした
ゲーム時代―――――――
「パーティープレイするときはいつもこのメンツだよな」
「そうだなケンタ」
「せっかくだからパーティー名を決めないか?」
「いいでござるね、決めようでござる」
「そうね、賛成♪」
あれやこれやと意見を出し合う
「『漆黒の絆』!」
恥ずかし気もなく俺は言う
「それなら『永遠の絆』の方がいいと思うでござる」
「なるほど、<永遠>か、悪くない」
「『混沌の旅団』なんてどうかしら♪」
「パンティさん、それは某所からお叱りを受けるからダメだよ」
「ええっ!?」
「『ケンタと愉快な仲間たち』でいいんじゃね?」
「ヤメテ、俺が恥ずかしい!」
あーだこーだと議論する
「じゃ、俺たちの絆は永遠だと言うこと
そして俺たちはいつも混沌としていると言うこと
これらを合わせて『永遠の混沌』に決定だ!」
「やっぱり永遠と言う響きは魂が昂るでござる」
「なかなかカッコイイじゃん♪」
「とっても素敵♡ 素敵過ぎて「そこまでだパンティさん」」
R18指定な言葉を発しそうだったのでストップをかける
「パンティさん、素敵だけで止めておいて下さい」
「ケンタくんのいけずぅ!」
こんな感じで永遠の混沌は爆誕した
翌日からアオイくんが受けた採取系依頼や雑用依頼を手伝う
討伐ばかりやっていたから逆に新鮮だった
「どうしましょう・・・・・」
「アオイくん?」
「これだとランクが上がるまで時間が掛かります」
「そうだね、でも焦らなくていいよ」
「でも討伐依頼をやりたいです」
討伐依頼はEランクからでないと受けられない
アオイくんの実力ならランクに関係なく余裕でこなせる
しかしギルドのルールは守らないといけない
たしかにどうしたものか
「実力測定をしてもらってはどうでしょうか」
「そういやアオイくんはそのまま登録したな」
俺とアンナはギルマス立ち合いで模擬戦をした
それがそのまま実力測定になったのでEランクにしてもらえた
アオイくんは天ぷらトリオを瞬殺しただけだ
「アオイくん、実力測定の申請をしよう」
「うう、受験地獄から解放されたのにこの世界でも試験ですか」
大学受験で煮詰まっていたからな
アオイくんはたまに愚痴をこぼしていた
「でも受験と違って冒険者としての資質を調べるだけだから」
「そうですね、つい受験地獄のトラウマが甦ってしまいました」
冒険者ギルドへ行き、ケイトさんに実力測定の申請をする
「ではギルドカードを預からせていただきます」
「はい」
アオイくんはケイトさんにカードを渡す
水晶板に置いて何やら操作している
「終わりました、カードをお返しします」
「え? は、はい、、、」
カードを受け取る
ケイトさんは何も言わない
とりあえずアオイくんと俺たちは実力測定の準備を待つ
まだ待つ
まだまだ待つ
いつまで待たせるの?
「あの、ケイトさん、わたしの実力測定は?」
「え? 終わっていますよ、カードを確認して下さい」
「え? あれ? あ、Eランクになってる」
俺とアンナもカードを見せてもらう
たしかにEランクになっていた
「あの、わたし何もしていませんけど」
「登録に来られたときに模擬戦をしましたよね」
「あの三人と戦ったことですか?」
「はい、あの三人、アレでもCランクです
それを瞬殺でしたからアオイさんの実力は充分です」
マジか、あんなに弱くてCランクなのかよ
いや、アオイくんが強過ぎただけか
「だったら登録のときにEにしてくれてもよかったんじゃ」
「登録後に行った模擬戦ですよ?」
そうだった、カード作ったあとに戦ったんだった
俺とアンナは作る前に戦ったからな
「ですのであの戦いのあと、すぐに申請すればEになっていました」
「言ってくれてもいいんじゃない?」
「カードを作るときに説明はしましたが?」
「そうなの? アオイくん」
「えっと、多分、聞き逃していました、、、」
「なんでそんな大事なことを・・・・・」
「これでやっと冒険ができると思って浮かれていました、、、」
気持ちはわかるけど、説明は聞いておこうよ
「まあこれで討伐もできるのでいいじゃないですか」
「そうですよねアンナさん、いいですよね」 アセアセ
そういやゲーム時代もはしゃいで人の話を聞いてなかったことあったな
「ケンタ殿、怒っていますか?」
俺が懐かしんでいるのを怒っていると勘違いしたようだ
「いや、怒っていないよ
人の話を聞かないことがよくあったなと思い出していただけだよ」
「それはそれでなんかイヤです、、、」
ともかく、これで討伐依頼も受けれるようになった
「多分、これも聞き逃していると思うので言っていいですか?」
「うう、お願いします、今度はちゃんと聞きます、、、」
アオイくん、頑張れ
「実力測定では最高がEまでですがランク昇格試験と言うものがあります
それに合格すればD以上にランクアップも可能ですよ」
昇格試験のことは知っている
俺はゆっくり上げればいいと思っているから受けないけどね
「仲間のお二人はDですよね、アオイさんもDになってみては?
そうすればパーティーランクもDになります」
パーティーランクはメンバーの一番下のランクと同じになる
たしかにパーティー的には全員同ランクがいいよな
「どうするアオイくん」
「受けます!」
「焦らなくてもいいですよアオイさん」
「アンナさん、わたしもみんなと同じになりたいです」
決意は固いようだ
「それではどのランクの昇格試験を受けますか?」
自分のランクより2つ上まで選択できる
アオイくんはEなのでCかDの試験を受けれる
「もちろん、みんなと同じDでお願いします」
次回、ランク昇格試験、ついでにゴブリン




