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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
1 愚者の楽園

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32 ミズムシ街

宿屋を確保したので俺たちは冒険者ギルドへ向かう


「うう、人がいっぱいです、、、」

「それなりに大きい街だし、オシリペンペン街も近いからね」


ギルドへ向かう途中、行き交う人の多さに委縮するアオイくん

ギルドで他の冒険者の視線に耐えられるのか心配だ



冒険者ギルドに到着


「ゲームのときと違って緊張します」

「手続きとか色々あるからね、ゲームだと自動で1分ほどで済むし」


ギルドの扉を開けて中に入る

どこのギルドでも同じく視線が集まる


(おっさんとクノイチと少女と犬猫?)

(クノイチの子可愛いな)

(おっさん邪魔だな)


うぜぇ


品定めされているようでアオイくんが更に緊張している

受付に着いて俺とアンナがアオイくんの後ろに立つ

これでアオイくんを視線からガードだ


「わたし、冒険者登録したいのですが」

「ではこちらの用紙に必要事項をご記入下さい」


俺やアンナと違ってサクサク進む

登録用紙を渡して説明を受けるアオイくん

そしてギルドカードが出来て受け取る


「ケンタ殿、登録終わりました」

「見せてもらってもいいかな?」

「はい♪」


カードが出来て嬉しそうだ



アオイくんのギルドカード


名前 アオイ・キリガクレ

年齢 18

性別 女

職業 忍者

ランク G

称号 なし



ゲームのときと同じく職業が忍者だ

ランクはGからか、実力測定をしていないからな


「じゃ俺とアンナはカードの更新をするからちょっと待ってて」

「はい」


今度は俺とアンナの後ろにアオイくんが立つ

さっさと済まさないとアオイくんが心配だ


「更新ですね、カードをお預かりします」


受付嬢は20代半ばぐらいのかっこいいお姉さんだ

肩より少しだけ下ぐらいの長さの銀髪で切れ長のブラウンアイ

その受付嬢にカードを渡す


そういやこの人の名前が気になる

ハジメノ街のジョーさんやガカリさんみたいなのかも


「失礼ですがあなたの名前を教えていただけますか?」

「私ですか? 私はケイトと言います」


普通じゃねーかっ!


いや普通なのが当たり前か、あっちがおかしいんだな、うん

ケイトさんは悪くない、でも俺の期待を返せ神様!


馬鹿なことをやっていると


「キミ、登録したばっかりなんだよね」

「俺たちのパーティーに入らないか?」

「一緒に冒険しようぜ♪」


三人組の冒険者がニヤニヤしながらアオイくんに声を掛ける

アオイくんは緊張してるし人見知りだ、止めないと!


「・・・・・お断りします、ごめんなさい」


真っ直ぐ野郎どもに向かってはっきりと断るアオイくん

意外だった、俺が過保護過ぎたのかも知れない


「えー、いいじゃん俺たち優しいよ?」

「そうだぜ恐くないよー♪」

「一人だと危険だよ」


おまえらの方が危険だよ


「わたしはこの方たちのパーティーメンバーなので」


俺とアンナを見て言う


「はあ? こんなおっさんと?」

「そっちの子もそんなおっさん止めて俺たちと行こうぜ」

「おっさん、邪魔だからさっさとパーティー解散しろよ」


ほんとウザい、ちょっと軽くひねってやろうか

一歩前へ出ようとしたら


「この方たちへの侮辱は許しません、成敗しますよ」


アオイくん自ら前に出た


「成敗? なんだそれ」

「優しくしてりゃつけ上がってんじゃねーぞ」

「ちょっと痛い目見せてやろうか?」


「ギルド内で暴れないで下さい!」


ケイトさんが注意する

すると三人組はビクリと怯む


「そ、それじゃ裏へ行こうぜ」

「訓練場があるから俺たちが稽古をつけてやる」

「泣いて謝っても許してやらねえからな」


なんかケイトさんを恐がっているようだ

受付嬢にビビるってザコすぎないか?


それにしても天ぷら、いやテンプレな奴らだな

まあアオイくんなら余裕で倒せるだろうけど心配だ


ギルドの裏にある訓練場に移動する


相手は三人、女の子一人に卑怯極まりない


「たっぷり可愛がってやるぜ」


本当にテンプレだ、もうおまえら天ぷらトリオって呼んでやる


「わたしが勝ったらこの方たちへ謝罪していただきます」

「いーぜ、勝てたらな」

「おまえが負けたら俺たちのパーティーに入れよ」

「負けたらですね、いいですよ、負けませんけど」


そうだった、アオイくんは普段は人見知りで緊張しいだけど

意志が強く、心を決めたら揺るがない子だった


こりゃ天ぷらトリオは瞬殺だな

いや三人相手だから瞬殺は無理か


「それでは始めて下さい」


ケイトさんが合図を掛ける


ガスッ! 「うぐっ!」

ドスッ! 「ぎゃっ!」

ビシッ! 「ぐおっ!」


「成敗完遂!」


一瞬だった、瞬殺だった


あいつらがアオイくんより弱いのはわかりきっている

でもさすがに三人相手に瞬殺できるとは思わなかった

こんなに速く強かったのかアオイくん


「しまった、気絶しているから謝罪してもらえません、どうしよう、、、」


そんなこと気にしなくても


「いいよアオイくん」

「でも、、、」

「こんな奴らほっとけばいいよ、これ以上関わりたくないし」

「ケンタ殿がいいなら、わかりました」


ギルド職員とギャラリーの冒険者に医務室へ運ばれる三人

俺とアンナのカード更新も終わってギルドを出る


「ケンタ殿とアンナさんはDランクなんですよね」

「そうだよ」「はい」


「わたしはGだから採取や雑用しか依頼を受けられません

 依頼は別行動になってしまいますね」


「そんなの俺たちが同行するよ」

「それだと二人のDランク依頼ができないじゃないですか」


「構わないよ、俺たちはあくせく依頼をする気はないからな」

「私たちはパーティーです、だから気にしないで下さいアオイさん」


「うう、わたしが足を引っ張っていますね、、、」


「違うぞ、仲間なんだからこれは助け合いだ

 例えばこの先アオイくんが大きな功績を上げたとしよう

 それにより俺たちのランクより上になるかも知れない

 すると俺たちのランクに合わせた依頼しか受けられなくなる

 今度は俺たちが助けてもらうことになる

 そうやって互いに助け合うのが仲間だろ」


「あ、、、」


アオイくんがハッとした顔をする


「俺何かおかしなこと言った?」

「お兄さんがおかしいのはいつものことですね」


しばきたい


「いえ、ゲーム時代にも似たようなことを言われたなって」

「言ったっけ?」

「はい」

「自分の言葉に責任を持たないなんてお兄さんはダメな人ですね」

「悪かったな!」


俺とアンナのやり取りに笑顔が戻る


「当分FとGの依頼になりますがよろしくお願いします」

「おう、任せろ」

「一緒に頑張りましょうね」


仲間が団結すると言うのはいいものだ


「盛り上がっているところ申し訳ありません」

「サスケどうしたの?」

「アンナさんが気付いていると思い言わなかったのですが・・・」

「私? 何かしら?」


「みなさん、パーティー登録していませんよね?」




「「「忘れてたっ!」」」



登録していないとパーティー専用の依頼が受けられない

それにパーティーでないとアオイくんの依頼を手伝えない

個人でランク外の手伝いをすると罰せられるのだ


「私としたことがすっかり忘れていました」

「ガイド精霊序列一位の名が泣くぞアンナ」

「トッププレイヤーのくせに忘れてた人に言われたくありません」

「な、なんだとう!」

「ごめんなさい、わたしも古参なのに忘れていました!」

「主は悪くありません」

「ごはんまだー?」


グダグダである

次回、アンナよおまえは最初から負けているのだ

ケンタ「ざまあ♪」

アンナ「くっ、中二病どもめ」

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