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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
1 愚者の楽園

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28 クノイチと猫

「お兄さんはロリコンではないと思いますよ、多分」

「そこは断定してくれ、多分とか言わないでくれ」

「どっちなんですか」

「私に何もしてきませんからロリコンではないと思います」

「それはあなたに魅力がないだけとかでは?」

「・・・・・・・しばきますよ?」 ニッコリ


ヤメロ、よけいこじれる


「よし、わかった、俺はここで座って待っとく」


俺は座り込む


「アンナだけ会わせてやってくれ」

「お兄さん」


「アンナが話をしてきてくれ

 多分だが10代後半ぐらいの女の子なんだろあんたの主は

 だからロリコンとか乱暴者を会わせたくない、違うか?」


「ふむ、きちんと思考は出来る方のようですね

 その通りです、男性と会わせるのは慎重にせざるを得ません」


FPOは最低年齢が15歳からだから10代後半がいてもおかしくない


「アンナだけならいいだろ、女子でガイド精霊だし」

「そうですね、わかりました」

「アンナ、頼んだぞ」

「はい」

「念のためにあなたを結界で囲っておきます」


俺の周りを結界で囲む


「中に入ってる隙にこっそり入られては困りますからね」

「おう、好きにしろ」


まあ仕方がないよな、ガイド精霊はパートナーを守る存在だから


俺はポチャと待機することになった



1時間経過、出て来ない


俺は暇なので横になる


ふて寝してやる



「お兄さん、起きて下さい」

「ん、、、 話は終わったのか?」

「はい」

「てか、長過ぎだろ、どんだけ話がこじれてたんだ」

「いえ、こじれはしなかったです」

「じゃなんでこんなに掛かったんだよ」


「あの、すみません、わたしがアンナさんに色々聞いていたもので」


背の低いショートボブの女の子がいた

高校生ぐらいかな、大人しそうな子だ

装備がクノイチなのが少し気になる


「うちの子が色々失礼なことを言ってごめんなさい」


「いや、主を守るためにやったことだ、構わない

 まあちょっとだけ傷付いたけどね、あはは」


恐くない気さくなおじさんっぽく見せようと必死な俺がいる

アンナが察してジト目で見る、見んなっ!


「俺はケンタ、君と同じくFPOプレイヤーだ、よろしく」

「僕はガイド精霊のポチャです♪」

「すでに名乗っていますがアンナです、改めてよろしくお願いします」


「わたしはシュリです、よろしくお願いします」 ペコリ

「私はガイド精霊のサスケです、先程は失礼いたしました」 ペコリ


ガイド精霊がサスケ、装備がクノイチ、シュリは忍者好きなのかな


「ところでそろそろ結界を解いてくれないか」

「忘れていました」


サスケが結界を解除してくれる


「ええと、俺は敵でもないし何もしないから信じてくれ」

「私が何もさせませんから安心して下さいシュリさん」


アンナよ、俺が何かするみたいなことを言わないでくれ

クスリと笑うシュリ、笑顔が可愛かった


「それでどうしてこんな山の岩穴にいるのか教えてもらえるかな」


アンナは中で聞いただろうけど俺は知らないからな



シュリはこのブリダイコン山に転移させられた

どこの山かわからなかったが魔物の種類とかでわかったようだ

シュリはそれなりにやり込んでいるプレイヤーだな


サスケがシュリの魔力を感知して会いに来た

サスケから色々聞かされてこの世界のことを知る

パートナー契約もすぐに行ったようだ

シュリは順応力あるな、これか若さか


山を探索していてこの岩穴を見つける

ここは魔物にも見つかりにくいので住処にしたようだ

シュリは人見知りらしくサスケとここで暮らすことに決める

サバイバルを辞さない人見知りさんか


そして俺たちがやって来て今に至る



「それじゃあこの山から出ないのか?」


「ゲームキャラの姿だったら他の人にも会いたかったです

 でもリアルの姿だから絡まれたりしそうなので・・・・・」


「でもこのまま一人でこんなところってのもどうかと」

「一人ではありません、私がいます」


そりゃサスケはいるけどさ


「俺としてはこのままにしたくない、一緒に山を出よう

 きっと他にも女性プレイヤーはいると思う

 今は俺しかいないから不安だろうし信用もできないだろう

 でもサスケと二人だけで山の中だけってのは勿体無いぞ」


「勿体無い、ですか、、、 ダメ、とは言わないんですね」


「ダメとは言わないよ、サバイバル生活が好きな奴もいるからね

 だけどシュリはそうじゃない、ただ人見知りなだけだ

 それにFPOのこと好きそうだと思う、違うかな?」


この山はやり込んでいないとすぐに死ぬような場所だ

FPOが好きでないとやり込むことなんてできない


「はい、FPOは大好きです」


「せっかくこの世界に来れたんだ

 リアルのFPO世界を冒険しないなんて勿体無いだろ」


「たしかに・・・・・」


「シュリ、不安とか色々あるだろうけど、行こうぜ」


俺は右手を差し出す


バシッ! ペシッ!


「我が主に手を出すな」

「どさくさに女の子の手を握ろうとしないで下さい」


サスケとアンナに手をしばかれる


「おまえら・・・・・」

「大丈夫ー?」


ポチャだけが俺の味方だ ホロリ


そのやり取りを見てクスリとシュリが笑う

うん、やっぱり可愛いな


「わかったよ握手も求めないよ、ホントに何もしないよ

 だけど一緒に街まで行こうぜシュリ」


「イヤなら断ってもいいのですよシュリさん」

「主、断りましょう」


ホント、おまいら、、、


シュリが少し考えて


「ケンタ、さん、街まで一緒に連れて行って下さい」

「おう♪」


「シュリさん、無理はいけませんよ?」

「主、考え直して下さい」

「キミたち、いい加減にしないと泣くぞ?」


泣きじゃくるオッサンは鬱陶しいんだぞ?


「サスケ、いい加減失礼なことを言うのは止めなさい」

「・・・・・はい、申し訳ございません」

「アンナさんも自分のパートナーを大切にして下さい」

「う、すみません、、、」


やーい、怒られたー♪


「「なんかその顔ムカつく」」



シュリとサスケが俺たちと山を出て街を目指すことになった

旅の仲間が増えて楽しくなってきた


そういやおじさんとか言われなかったな

名前でちゃんと呼んでくれているし

シュリは可愛いし良い子だな

もう少しアンナも俺を敬って欲しいものだ


五人パーティーになった俺たちは山を進む

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