22 ウソピョン 2
「さあイクわYooo! もっとアタシを楽しませてちょーだい♪」
ウソピョンはゼンへ攻撃を始める
今度はゼンが防戦一方だ
それでも躱し捌いているのはさすがだ
「ヤルわね♪ 楽しいわYo♡」
「くっ、、、」
だがかなりキツそうだ
ウソピョンの背後からコホウが仕掛ける
「アナタも可愛がってア・ゲ・ル♡」
身体を回転させながら二人に攻撃をするウソピョン
コホウも防戦一方になってしまった
もう二人の攻撃は当たらない
いや攻撃をさせてもらえない
徐々に疲弊していく二人
「あらあら、もうお終いなのかしらあ~?
最初のイキの良さはドコへイッちゃったのかしらあ~♡」
「く、くそっ!」
「こうなったら」
コホウが腰を落とす
左足を軸にしてコンパスのように右足を伸ばす
そのまま右回転を始める
魔力を右足に集中させている
ウソピョンの足へローキックのように回転蹴りをする
「ナニソレ?」 ぴょん
軽く飛んで躱される
このとき回転が速くなりコホウの身体を中心に竜巻が起こる
その竜巻にウソピョンを巻き込む
空中に浮かせるためのローキックだったのだ
浮いて竜巻に巻き込まれたウソピョンは更に高く飛ばされる
「竜巻落とし!」
巻き込んだまま地面に頭から叩き落す
ドンッ!
ウソピョンは両腕を地面に置き激突を防ぐ
「何っ!?」
「ざーんねん♪」
ベキッ! 「がはあっ!」
地面に手を置いたまま身体を回転させてコホウの頭を蹴り飛ばす
遠くまで飛ばされるコホウ
ダメージが大きくうずくまってしまう
「う、く、くそぅ、、、」
ウソピョンは身体の上下を戻して立つ
トン 「あら?」
ゼンがウソピョンの背に手を当てる
「波動掌!」 ドゴォッ!
名前は違うが発勁である
「おもしろいけど、効かないわYo? ざーんねん♡」
バキィッ! 「ぬぐぅっ!」
ゼンが強力なビンタで叩き飛ばされる
コホウと同じく動けなくなる
「ぅう、つ、強い、、、」
倒れている二人を見下ろすウソピョン
「最初に笑ったことのイミを教えてア・ゲ・ル♪
アンタたちのお師匠サンがアタシの同胞を屠ったって言ったわよネ
それは大したお師匠サンだと思うわYo
そのお師匠サンだったらアタシを倒せたかもネ♪
でもネ、アンタたちはそのお師匠サンじゃなくてタダのデ・シ♡
鍛えられて認められている? だからナニ?
お師匠サンが勝てるからって弟子も勝てるなんて思ったの?
バッカね~♪ そんなアッマ~イドリームあるわけないわYo☆」
ウソピョンは一拍置いて
『 舐めてんじゃねーぞクソ雑魚があッ!! 』
ビリビリと空気が震える
愕然とするゼンとコホウ
完全に戦意を砕かれている
二人が戦ってくれている間に回復薬で俺は回復していた
だがウソピョンに勝てるか不安になっている
いや、俺まで戦意喪失してどうする!
まだだ、まだ戦える!
残るは俺とラインハルトだけになってしまった
そのラインハルトが小声で話し掛けてくる
(ケンタ、頼みがある)
(何だ? 何か策があるのか?)
(策と言うか俺があいつを倒すために必要なことだ)
(倒せるのか?)
(ああ、と言うかケンタも倒せるだろ?)
(倒せると思うけど苦戦はしそうだ)
(だから俺が先にやるからダメだったら後を頼む)
(・・・・・わかった)
(それで俺が勝つためにやって欲しいことがある)
(俺ができることならやるよ、何だ?)
(俺に攻撃魔法をぶつけてくれ)
(何を言っているんだラインハルト???)
(大事なことなんだ、頼む)
(いやいやいや、おかしいでしょ)
ゴスッ! 「ぐはっ、、、」
「つまんないわねえ~、起きなさいYo」
ウソピョンがゼンを軽く蹴ったりして嬲っていた
(俺たちには固有スキルがあるよね)
(あるね)
(俺の固有スキルの発動条件が攻撃魔法を受けることなんだ)
なにそのマゾな発動条件
(受ければ受けるだけ俺の能力値が跳ね上がる)
(キツそうな条件だね)
(だけど今やらないとヤバいだろ)
(たしかに)
(頼むケンタ、俺に力を貸してくれ)
(・・・・・わかった、やるよ)
(ありがとう)
発動条件がおかしい固有スキルだけど躊躇している場合じゃない
俺も倒せると思うけど万が一がある
アシュラのときのようにボスには知識外の能力があるかも知れない
ラインハルトに賭けよう
「さーて、アトはアナタたちだけね♪」
ゼンを嬲るのに飽きて俺たちに標的を変えるウソピョン
「まあ待てよウソピョン、今から面白いものを見せてやる」
「あら、ナニかしら?」
ラインハルトがウソピョンの興味を惹かせる
「ケンタ、やってくれ」
「おう」
ファイアボールをラインハルトに向けて放つ
当たってラインハルトを燃やす
「なにヤッてんのアンタたち!??」
さすがにウソピョンも驚いている
そりゃそうだろ、仲間に攻撃しているのだから
「まだだケンタ、もっとガンガンぶつけろ!」
「ワケわかんないケド、おもしろーい♡」
俺もわかんねーよ
でも攻撃魔法をラインハルトにガンガンぶつける
ただし下位魔法で威力を抑えている
威力のデカい魔法をぶつけてラインハルトに何かあったら困る
「・・・・・んんー? これはどうやらイケない感じがするわ」
何かに勘付いたウソピョン
「ジャマしちゃお♪」
俺に向かって来るウソピョン
「「しまった!」」
凄い速さで近付いて来る
拳が唸りを上げて俺を襲う
ガィィィンッ!
「あら、結界? アタシのパンチで砕けないなんて」
俺は攻撃魔法を放っていたので結界は使っていない
仮に使っても俺の結界は弱いから砕かれていたはず
この結界は・・・・・
「危機一髪でしたねお兄さん」
アンナ復活
「お嬢ちゃんってばカッコイイ~♪
じゃアナタから可愛がってあげるわ♡」
アンナに近寄ろうとするが結界に阻まれる
「私とお兄さんとラインハルトさんに結界を張っています
ついでに倒れている三人にも張っておきました
これで心置きなく準備して下さいラインハルトさん」
「アンナ、ありがとう」
「結界張っていたら攻撃魔法が通らないんじゃ」
「いえ私たち三人は一つの結界内ですから大丈夫です」
「そうか、それなら!」
俺は攻撃魔法をラインハルトに掛け続ける
「あとどのぐらいだラインハルト」
「そうだね、ラストにデカいのを一つ頼む
それであいつに勝てるから」
「でもデカいのは危険じゃ」
「大丈夫、今の俺なら受け止められる」
ラインハルトを信じて<メテオバースト>を放つ
巨大な隕石群がラインハルトにぶつかる
「さすがに死ぬでしょ、バカなのねアンタたち
もういいでしょ、結界を解いて遊びましょ♡」
「そうだね、遊ぼうか」
ラインハルトは無傷で立っていた
「アンナ、結界を解いてくれていいよ」
「準備は出来たようですね」
「ケンタのおかげでバッチリだ」
俺、仲間に攻撃してただけだけど
ホント、おかしな固有スキルだ
アンナ復活、ラインハルト万全で挑む!
仲間へ攻撃しただけのケンタ、主人公とは?
次回、ラインハルト(中二病)無双!




