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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
4 俺たちの戦いはこれからだ

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177 ヒマワリと少女

アキラとワッフル討伐をした翌朝

俺はカブでサクラさんと二人でサイショノ村へ向かった


アキラの仲間が来るまで待つことになった

だけどハジメノ街だけでじっとしているわけにもいかない

だから最初の目的を果たしにサイショノ村へ行くことにした


サクラさんのもう一つの固有スキル<辿り着く場所>

記録したい場所を記録させるとどんなに離れていてもそこへ行ける転移スキル


記録できるのは5つまで

現在、俺たちの屋敷とハジメノ街を記録している

野良精霊を保護したらすぐにサイショノ村へ連れて行きたい

だからサイショノ村を記録することにした


アンナたちはアキラの仲間がすぐに来るかも知れないので残してきた

特にアンナはすぐにセンと会いたいだろうからな


ハジメノ街からサイショノ村へは馬車で約一日半

カブなら飛ばせば3、4時間で着く


「ツギノ村は素通りね」

「ああ、なるべく用事を早く済ませて戻りたいからな」


ツギノ村で俺とアンナと出会った

そういや出会った当初は俺をからかうような感じだったな

でも今はなんか容赦のないおかんのようだ

言ったらしばかれるから言わないけど




サイショノ村に着いた

俺たちはカブから降りて村へ入る


「サクラさん、どこらへんを記録する?」

「入ってすぐのところでいいわよね」

「そうだね」


村に入ってすぐの地面に手を置くサクラさん

これでいつでもこの場所に来れる


「あら?」

「どしたの?」


「記録できないわ」

「なんで?」


記録できない場所があったのか、それは困ったな


「待ってね、レッドにアンナちゃんに聞いてもらうわ」


レッドへ念話で話しかけるサクラさん

念話が終わってサクラさんが説明してくれる


「ここって神域だからスキルの対象外なんですって」

「デリートが入れないだけじゃなくそういう制限もあるんだな」

「村の外なら大丈夫らしいわ」


俺たちは一旦村から出る

村の出入り口手前の地面に手を置くサクラさん


「記録できたわ」

「よかった」


神様がこの世界を創ったときの最初の地がこのサイショノ村

そのためここは神域になっている


デリートは神域を侵すことができないため入れない

入ると消滅するらしい


サクラさんのスキルが対象外のように他にも制限がありそうだな


「じゃ戻ろうか」

「そうね、でもお腹が空いたわ」


そういやもう昼だ

村の宿屋で食事だけすることにした


「ついでにヒマワリに会っていこうか」

「いいわね♪」


村に再び入り宿屋へ向かう


「いらっしゃいませー、っておじさんとお姉さんじゃないですか」

「よう、久しぶり」

「やっほー♪」


どうやら今回は覚えていてくれたらしいミキっぺ


「二人だけ? もしかして」 ニヤニヤ

「なにを妄想してやがる」


「だって男女二人でお泊りだなんて~♪」

「このマセガキ! 今日は食事しに来ただけだ」


「なーんだつまんない(ゴン!) いたーいっ!」

「おまえは接客もまともにできんのか!」


宿屋の親父さんがミキっぺにゲンコツを落とした


「すまんな、いつも言い聞かせてるんだが」


親父さんも苦労していそうだ


「それで今日は泊まりか?」

「いや、食事だけです」

「そうか、おわびに安くしとくよ」


ラッキー♪ ミキっぺのおかげだな、あまり感謝したくないけど




昼飯を食べ終えて裏庭に入らせてもらった

ヒマワリは元気かな


「そうなんだよ、ぽんぽん殴らないで欲しいよまったく!」

「そうですね、ですがミキさんもいけませんよ」

「え~、わたしの味方してよ~ヒーちゃん」


俺とサクラさんは固まった

ヒマワリとミキっぺが楽しそうに会話していた


待てヒマワリ、なんでしゃべっているんだ

ミキっぺよ、なぜしゃべるヒマワリを恐がらないんだ

というかすごく仲良しさんじゃないか


「あ、ケンタさんとサクラさんではないですか、お久しぶりです」

「おじさんとお姉さん、ヒマワリ見に来たの?」


「そうだけど、なんでおまえらしゃべってんの?」

「ミキちゃん、えっと、平気なの?」

「なにが? ヒーちゃんとは友達だもの」

「ミキさんは友達です」


俺たちと別れてから何があったんだ!?


「ていうかヒーちゃんってなんだよ」

「この子、名前がないからヒーちゃんって呼んでいるの」


ヒマワリだからヒーちゃんか、安直だな   ※人のことは言えない


「それよりもなんで動いてしゃべっているんだよ

 魔物と思われて討伐されちまうぞ!」


「ヒーちゃんは魔物じゃないよ、お花の精霊さんだもの」


たしかに精霊、ガイド精霊ではあるが・・・


「なにがあったの?」


動揺している俺の代わりにサクラさんが聞いてくれた


「夜中に手洗いへ行くとき歌声が聞こえたの」

「月明りと星の輝きが綺麗だったものでつい口ずさんでいたのです」


なにしてんのヒマワリ


「最初はなんでお花が歌っているのか驚いたけど恐くなかったわ

 ちょっとかすれた声だけど綺麗な声だったから聞き入っちゃったの」


「歌い終わってそばにいたことに私も驚きました

 けれど目を輝かせて話しかけて下さったのでつい会話をしたのです」


「それで精霊って教えてくれたから友達になってもらったの

 お花の精霊さんと友達になれるなんて嬉しいもの♪」


とりあえずガイドうんぬんは隠しているらしい

そこらへんはわきまえているようだ


「このことって親父さんや他の人には?」

「知っているのはお父さんだけだよ」


親父さんも知っとるんかい!


「あれ? そういやお母さんは知らないのか?」


この宿屋では親父さんとミキっぺしか会ったことないな


「お母さんはお星さまになっているもの」

「・・・ごめん」


こういうとこだよ俺がダメなのは

少し考えればわかるじゃないか

二人としか会えないってことはいないってことだ

小さな村のたった一軒の小さな宿屋

そこで出会えるのが二人だけならその二人だけなんだ


「おじさん、なんで悲しそうな顔してるの?」

「ケンタさん、どこか痛いのですか?」


ミキっぺとヒマワリが心配してくれる

いかんいかん、過去を少し思い出してしまっていた

6歳のとき俺の両親は事故死した

ガキだったがそれなりに悲しかった


「ケンタくん、大丈夫?」


サクラさんが手を握ってくれる、温かい


「みんな、心配させてごめん」


少し落ち着いてきた


「ミキっぺ、ヒマワリとこれからも仲良くしてやってくれな」

「もちろん♪」




親父さんにも挨拶してサイショノ村を出る

戻ろう、アンナたちのいるハジメノ街へ


「帰りは楽だよな、ハジメノ街を記録しているから」

「そうよね♪」


村から少し離れて人目につかない場所に来る


「それじゃ転移するわよ♪」


その言葉と同時に転移する

ハジメノ街の宿屋の一室、借りている俺の部屋に転移完了

俺の部屋を記録してもらっていたのでここに転移した


「じゃみんなのところへ行きましょう」

「うん」


あのあとからサクラさんが優しい

いやいつも優しいけどさ

手を握ったままでいてくれていた

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― 新着の感想 ―
以前から軽く流し読んで通り過ぎるくらいにサラッとケンタの家族観が時折話の流れの中で出ていて、おそらくは物心つくかつかないかくらいに身内をなくしてるか離散していたかと色々と想像してました。
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