168 一部始終を見ていた赤いヤツ
俺たちは冒険者ギルドに向かっている
昨日の大宴会の飲食代を支払うためだ
ついでに一件だけ依頼を受けようと思う
依頼達成をしたらここのギルドの実績にもなる
これもお礼の一つのつもりだ
それはそうとアンナが無言なのが恐い
サクラさんも同じ気持ちなのだろう、苦笑している
サクラさんの肩に乗っていたレッドが小さくため息をつく
「どうしたのレッド?」
「サクラ様とケンタのせいでしょ」
「「え?」」
レッドはアンナの方へ飛んでいった
「どういうこと?」
「わたしにもわからないわ」
レッドがアンナになにやら話している
するとアンナの無表情が解けて呆れ顔で俺とサクラさんを見た
そしてバッカじゃないといった感じで蔑んだ笑顔をする
おいこらそれはどういう態度だ!
レッドがサクラさんの肩へ戻ってくる
「レッド、アンナちゃんになに話したの?」
「ケンタの部屋で飲み会をやっていたバカ二人のダメっぷりよ」
「「・・・・・」」
え? 俺の部屋で飲み会?
記憶ないけどそんなことしてたのか俺とサクラさん
でもなんで全裸で同衾してたんだ?
まさか酔った勢いでやっちゃった?
いや待て、レッドが知っているということは見ていたということ
さすがに見ていたらレッドが止めるはずだ
それならたんにヨッパ二人が全裸で爆睡したってだけだ
「レッド、俺、サクラさんになにもしていないよね?」
「ええ、バカ二人が全裸になって爆睡しただけよ
あんたが手を出すようなら止めるつもりだったけどね
まったくそんなことはなかったから助かったわ」
良かった、酔った勢いでなんて最悪だからな
いやまあ全裸で同衾自体ダメなんだけどさ
それでもホッとした
「レッド、あなた見てたの? 部屋にいたこと気づかなかったわ」
「サクラ様がお手洗いに行くとき千鳥足だったから付いていったの
戻るときケンタの部屋へ入ったから一緒に入ったわ」
「ケンタくんの部屋に入る前に止めてよ!」
じつにそのとーりだ
「ケンタに夜這いをかけるのかしらと思って邪魔しなかっただけよ」
「しないわよっ!」
本物のビッチではなくファッションビッチだからするわけないよな
「二人とも酔っててわたしがいることにまったく気づかないんだもの
それに全裸になるなんて予想しなかったわ、ふっ」
鼻で笑うレッド
くそう、見ていたんなら声かけろよ!
サクラさんを部屋へ連れて帰れよ!
というか全裸になる前に止めろ!
「サクラさん、覚えていたんだろ?」
「えーと、えへっ♪」
可愛く笑ってもダメだよ?
まあ酔った勢いで全裸になったなんて言いづらいだろうけど
・・・あれ?
俺も全裸になった、ということは見られた?
覚えている、ということは
「・・・サクラさん、見た?」
「うん♪」
きゃああーーーーーっ!
俺はサクラさんの裸を見たこと覚えていないのにずるいぞ!
違う、そうじゃないぞ俺!
ひいぃぃっ! 恥ずかしいぃっ!
かつてないほどに俺の顔が超・絶紅潮しているのがわかる
今すぐ宿屋に帰って引きこもりたい!
もうやだ、消えたい・・・
冒険者ギルドに着いたが俺のライフはゼロだ
生ける屍のようにフラフラと歩いていた
「ようケンタ大丈夫か? ぷっ、大変だったな♪」
レッドがアオイくんとベンケイさんにまで話したらしい
俺が思い悩んでいる間になにしてやがるレッド!
(うう、うらやまけしからんでござる)
アオイくんがモジモジしている
アオイくんには刺激の強い話だったろう
「それで依頼は受けるんですかお兄さん
精神的ダメージが大きいならやめておきますか?」
アンナがニヤニヤしながら聞いてくる
このやろうアンナこのやろおうっ!
「お兄さん元気出して」
「ドンマイですケンタさん」
「元気を出して下さいケンタ殿」
ポチャとサスケとヨシツネが慰めてくれる
「依頼は受けるよ、お礼を兼ねているからな」
「では私たちは依頼を探してきますから支払いしてきて下さいね」
アンナたちは依頼板へ向かった
俺は昨日の大宴会の飲食代を払いに受付へ行く
「こんにちは」
「こんにちはケンタさん」
ケイトさんから請求書をもらう
結構な額だったが余裕で払えるぜ
「たしかに受け取りました、昨日はごちそうさまでした」
「高いお酒を夫婦揃って飲んでましたからね」
「奢りですから遠慮せずいただきましたよ♪」
ネミロフさんがケイトさんの後ろから悪びれず言う
「まあ俺が言ったことですからね」
「それで依頼を受けるのですか? 今回は急ぎの旅ではないようですね」
「ええ、ゆっくり楽しく冒険の旅を満喫するつもりです」
「冒険の旅、いいですね♪」
元Aランク冒険者だったネミロフさん
冒険者時代のことを思い出しているのだろう
懐かしむような笑顔をしていた
俺も依頼板へ合流してみんなと依頼を探す
ゆっくりするといってもいろんな場所をたくさん巡りたい
だからなるべく軽めの依頼にするつもりだ
「これなら簡単そうだぞケンタ」
「ふむふむ悪くないな」
「ついでに討伐もできますねベンケイ殿」
ミズムシ街の南方にある村への物資配達の依頼
受付に依頼書を持っていく
「あなたたちBランクよね? Cランク以下の仕事よこれ」
「でも受けるのは可能でしょ」
「ええ構いません、確認しただけですから」
ここでの依頼が決まった
配達する物資を収納庫に入れて出発する
ミズムシ街の南へまっすぐ進む
目的地の村の名、その名はワキガ村!
あけましておめでとうございます、2026年もよろしくお願いいたします
ケンタハーレムに向けて動いていく恋模様
冒険にバトル、再会と新たな出会い、盛りだくさんでやっていきます
ケンタたちの戦いはこれからだ!(終わりません)




