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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
4 俺たちの戦いはこれからだ

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166 酒は飲んでも飲まれるな

ミズムシ街の冒険者ギルドでみんなとどんちゃん騒ぎ

楽しくて飲み過ぎてしまった


いつの間にか宿屋に帰って爆睡してしまったようだ

起きてナビで時間を確認すると10時ちょっと前だった


寝ぼけ(まなこ)をこすって大きくあくびをする

二日酔いとかもなく清々しい目覚めだ


「てゆーか裸じゃん俺」


酔って暑くなって全裸になっていたようだ

服やパンツが脱ぎ捨てられていた


「アンナに見られたらだらしないとか怒られそうだ」


服を拾って着るためにベッドから下りようとする

ベッドに手を置き身体を浮かそうとしたら


むにゅ


「ん?」


ベッドに置いたはずの手にシーツとは違った感触がした

柔らかく温かい何かに手が当たっていた


その方向に恐る恐る顔を向ける


「・・・・・」


そっと手を離す

ゆっくりベッドからこそこそ下りて服とパンツを拾う

なるべく音を立てないように迅速に着る

そして確認のためもう一度ベッドの方を見る


「んん・・・」


気持ち良さそうに眠っているサクラさんがいた


きゃーーーーーっ!


なんでいるのっ!?


え? 一緒に寝てたってこと? どゆこと?


オロオロとしながら部屋をキョロキョロ見渡す


落ちていた、脱ぎ散らかされていた


サクラさんの服と、下着類


ということはサクラさん、全裸?


待て待て待て、考えるな感じろ!


ちっがーーーうっ!!


いやとにかく落ち着け俺!


ふと姿見に映った自分の顔を見る


うん、顔面蒼白だ


頭の中も大混乱だ


俺もサクラさんも裸になって一緒のベッドにいた


まさか・・・


いや、きっとなにもなかった! と思いたい


昨夜はたしかに飲み過ぎた

だが宿屋へどうやって帰ったのか記憶がない

だからどうしてこんな状況になっているのかわからない

一体何があったんだ?


サクラさんが起きてから聞くか?

いや待て、この状況で起こすのはマズい

そもそも聞きづらい


なにかあってもなくても問題だらけだ

あったとしたら俺は色々責任取らないといかん、そりゃ取るけどさ

なかったとしてもサクラさんだって恥ずかしいだろう

この先関係がぎくしゃくするかも知れない


ああどうしよう、どうしよう・・・


俺は部屋の中をぐるぐる動きまくる


「んん? なんかうるさあい・・・」


目をこすりながらもそもそと上半身を起こし始めるサクラさん


ヤバい!


俺は逃げるように部屋を出る

逃げるようにというか逃げているのだが


「あ、お兄さんやっと起きてきた」


部屋を出るとアンナと鉢合わせる


「よ、よう、おはようアンナさん」

「さん付け? どうかしたんですかお兄さん」


(いぶか)し気に俺を見るアンナ


「10時を過ぎましたからさすがに起こしに来ました

 こんなに爆睡するほど飲むなんてホントにダメな大人ですね」


はい、ダメな大人です、そのとおりでございます

記憶なくすほど飲むなんてダメダメです

おかげでこんな状況になってしまった


「お兄さんの朝食は残してありますからさっさと食べて下さいね」

「おう、ありがとうアンナ」


ゴトン! 「あいたっ!」


部屋から物音と声が聞こえた


「部屋に誰かいるんですか?」


アンナが部屋の中を覗く


きゃあーーーーーっ!


サクラさんがいるのを見られたらなにを言われるか!

それより服を着てくれてなかったら絶対誤解される!

誤解じゃないかも知れないが・・・


「あら、おはようアンナちゃん♪」

「・・・おはようございます、サクラさん」


「ちょっと椅子に足の小指が当たっちゃった、いたた」

「そうなんですね」


あれ? 普通に会話している?

そっと覗くとちゃんと服を着ていた


「サクラさんの朝食もありますから食べて下さいね」

「ありがとうアンナちゃん♪」


パタンと扉を閉めてこちらを向くアンナ


「ひっ!」


アンナは死んだ魚の目をしていた

怒るでも笑うでもなく無表情で俺を見ている


「・・・・・」

「あの、アンナさん?」


そのままアンナは無言で立ち去った

お願い、なにか言ってくださいぃ~~~


俺はその場で崩れ落ちた

いつもならベッドに潜り込んで引きこもるところである

しかし部屋にはサクラさんがいるからそれもできない


ガチャリ 「あ、ケンタくんおはよう」


何事もなかったかのようにサクラさんが部屋から出てきた

もしかしてなにもなかったってことなのかな?

なにかあったならサクラさんだって態度が変わるはず


だけど俺の部屋で全裸で寝ていたことはわかっているはずだ

それでこの普段どおりの態度というのもおかしい


「えっと、サクラさん」

「なあに?」


「そこ、俺の部屋なんだけど」

「・・・そうね」


「その、なんでいたの?」

「・・・・・」


軽く上を向きうーんと考えるサクラさん


「えへ、秘密♪」


照れ笑いながら言われた


そのまま鼻歌交じりに立ち去るサクラさん


残された俺は呆然と立ち尽くす




混乱しながらもお腹は空いたので朝食を食べに食堂へ向かった

サクラさんの対面の席に俺の朝食があった

気まずいが座って食べ始める


サクラさんは普通に食べている

俺はなにを食べているかも味も感じず黙々と食べる


たまに目が合うと 「えへっ♡」 と照れ笑いをするサクラさん


可愛い、じゃなくて、その反応はどう判断したらいいんだ?



マジで一体なにがあったんだーーーっ!



状況はまったくわからないままだ

だけど一つだけ言えることがある


『 酒は飲んでも飲まれるな 』


俺はもう絶対飲み過ぎないようにしようと固く決意した

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