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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
4 俺たちの戦いはこれからだ

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164 サクラの固有スキル

「そろそろ冒険しようぜ」

「そうだなベンケイさん、冒険をしよう!」


この世界を楽しもう、純粋に冒険を楽しみたい

その気持ちを思い出して即答した




「これより永遠の混沌(エターナル・カオス)定例会議を始める」


某特務機関Nの総司令官のように顔の前で手を組み会議開始宣言をする俺


「定例会議なんてやったことないじゃないですかお兄さん」

「いやそこは雰囲気というか気分というか」


ジト目でツッコむなアンナ


「冒険することにしたのはいいけど問題があることに気づいたんだよ

 その問題をどう解決するかを話し合いたい」


「なんだ? 問題なんかないだろケンタ

 この世界を自由に旅すればいいだけだろ」


「ベンケイさん、俺たちだけならそれでいいんだよ」

「ベッキーちゃんたちですねケンタ殿」

「アオイくんの言うとおり、ベッキーたちのことだ」

「ああ、そういうことか」


ベンケイさんも察してくれた


俺たちだけならどこへなりと行こうが問題ない

しかし旅に出てあちこちへ行くとなると長期間屋敷を留守にする

そうなるとベッキー、トム、ハックが留守番となる

子供たちだけを屋敷に置いておくことできない

家族になったばかりなのに放置というのはよろしくない

だからと言って連れて行くこともできないし

ベッキーはこっちで仕事も見つかったし

この問題について話し合おうと思ったのだ


「定期的に戻るとなるとあまり遠くへは行けなくなる

 それだと他の大陸へは渡れない」


「それは困ったな、他の大陸にも行きたいよな」

「難しいでござる」


「領主様にお願いしてみるとかは?」

「アンナ、さすがにそこまで領主様に世話になるわけにはいかないだろ」

「そうですね、でもどうしたらいいのかな」


うーんと俺たちは迷う


「みんな、悩む必要はないわよ」

「サクラさん?」


「その問題はわたしの固有スキルで解決できるわ♪」

「サクラさんの固有スキルって<優雅なお茶会>だろ?」

「あれは味方の補助スキルだからこの件とは関係ないだろサクラ」


<優雅なお茶会>はパーティーメンバーの自動即効回復と状態異常無効化

戦闘時ならともかく旅には関係のないスキルだ


「違うわよ、もう一つの固有スキルの方よ」

「いや固有スキルは一人につき一つだけだよサクラさん」


「わたし二つ持っているもの」

「ええっ!? どういうこと?」

「わたしの職業<魔女>が神級なのは前に言ったわよね」


それは聞いたけど何の関係が?


「神級になるとね、もう一つ固有スキルがもらえるの

 わたしも神級になっていきなりもらえたときは驚いたわ」


「それなら俺も頑張って神級目指せばよかった!」


今更だがもったいないことをした


「それでそのもう一つの固有スキルってどんなの?」


「固有スキル<辿り着く場所>、記録した場所に瞬間転移できるスキルよ

 わたしと半径10メートル以内の仲間を転移させることができるの

 記録できる場所は5つまでだけど入れ替えできるわ♪」


風の戦士団のザキと戦ったときにも使ったそうだ

手を置いて記録させた場所に自由に転移できるスキル

ザキの背中に手をあてて記録して背後をとったらしい


「たしかに瞬間転移は便利だけど距離は?」


他の大陸だと屋敷からはものすごく離れている

こういうスキルにはある程度制限があるはずだし


「記録した場所ならどんなに離れていても無制限で転移可能よ」


めっちゃチートじゃん!


「デメリットは入れ替え可能とはいえ5つまでしか記録できないってとこだけね」

「そんなのデメリットにすらなっていないよ」


「それでそのスキルで解決って具体的にはどうするんだサクラ」


「まずこの屋敷の敷地内で一つ記録しておくの

 いつでも戻って来れるようにね

 そして旅先から戻る前にその場所を記録させる

 そうすればその場所から旅を再開できるでしょ」


なるほど、それならいつでもここへ戻って来れる

そして最後に立ち寄った場所から再スタートが可能

ゲームのセーブポイントみたいだな


「ここを除いてあと4つ記録できるから

 他の大陸で拠点にしたい場所を記録してもいいわね」


この世界、この大陸を含めて5大陸ある

各大陸に拠点を置くことも可能だ


「すごいや、まさにチートだわ」

「ね、これで問題はないでしょ♪」


これなら遠くまで行っても定期的に屋敷へ戻れる

そして最後の場所から再スタートできるからその先へも行ける

遠くの場所に行ったけどまったく問題ない! ということだ


「サクラさんのおかげで憂いはなくなった」

「あとは旅の準備だけだなケンタ」

「荷物は収納庫に入っているから準備というものはほとんどないな」

「そんじゃ明日にでも出発するか?」


ベンケイさんは冒険がしたくてうずうずしていたらしい

だけど俺のことを考えて言わなかった

ベッキーたちのことが落ち着いたからようやく言ってくれたそうだ

待たせてごめんなベンケイさん


「一応ベッキーたちにも話さないといけないから明後日にしよう

 いきなり明日になって出発したらあいつらも困るだろうしな」


「たしかにそうだな、わりぃ気が急いていた」


この日はおのおの旅支度を整えるだけにした




翌日、ベッキーたちに旅に出ることを伝える

さすがに不安そうな顔をする三人


サクラさんのスキルでいつでも戻って来れることを話す

一週間から十日以内には定期的に戻ってくることを約束する


「別に毎日屋敷に戻ればいいじゃないですか」


アンナが宿代がもったいないから夕刻には屋敷へ戻ればいいと言う


「それじゃあ旅の楽しみがないじゃないか」

「そうでござる、旅の雰囲気が台無しでござる」

「節約もいいけど味気なさすぎるわアンナちゃん」

「宿だけじゃなく野営とかも冒険の醍醐味だぜ」

「はいはい、わかりました、私が悪かったです!」


さすがにアンナも折れてくれた


「あと四神は三人残していくからね」


四神は三人を残して一人だけ同行させることにしたサクラさん

定期的に戻るのでそのときに連れて行く四神を交代させるそうだ

ポチャ、サスケ、ヨシツネは常に同行する


「おじさん、ちゃんと帰って来てね?」

「もちろんだ、安心しろ」


ベッキーが不安そうに言うから笑って頭をなでてやる

シッドさんが迷宮から帰らぬ人になったことを思い出しているのだろう

大丈夫だぞ、俺は絶対に帰って来るから

なにより心強い仲間も一緒に行くんだ

簡単にくたばったりしないぜ


問題も解決して憂いは去った

さあ、明日はいよいよ冒険への旅立ちだ!

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