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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
4 俺たちの戦いはこれからだ

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156 着せ替えベッキー

空は快晴、買い出し日和だ

ベッキーたちの家財や衣類などを買いに行く

ついでに周辺の案内もしておく

ここで暮らすのだから知らないと迷うからな


「うちから東へ徒歩10分のところに領主邸がある」

「そうなんですね」

「まあ覚える必要はないけどな」


ベッキーたちが領主邸へ行くことなんてないだろうし


「ここが冒険者ギルドだ」

「ここが本当の支部なんですね」


街が広いから支部は中央区画にある

街の四方の端には出張所がそれぞれにある

北端に住んでいたシッドさんは出張所を利用していた


「ここが商業ギルドだ」

「冒険者ギルドよりも大きいですね」


商人や一般人が主に利用するから利用者が多い

それに街の運営における様々なことに使われるから大きいのだ


「ここが中央広場だ」

「バザーの近くにあったところに似てるね」

「おいしそうなニオイがする」


中央広場には噴水があり屋台や露店がたくさん並んでいる

トムとハックが食べ物の匂いにお腹を鳴らす


「朝ちゃんと食べたでしょ」


そういいながらもベッキーも屋台が気になるようだった


「ほれ」


串焼きを三人に渡す


「ありがとうございます」

「ありがとうおじさん」

「わーい、ありがとー♪」


ベッキーはいつものように拒否らないで素直に受け取ってくれた

うんうん、それでいいんだぞベッキー


「・・・ベッキー、なにを書いているんだ?」


サクラさんからもらったであろうメモ帳になにやら書き込んでいた


「串焼きの値段です」

「なんで?」

「お給金が入ったら返すためです」


なるほど、返す前提だったから素直に受け取ったのか

これは手強い、だが負けんぞ!


「ここが商店街だ」

「わたしたちがいたところの商店街より広いです」

「建物も大きいや」

「面白そう♪」


いよいよ買い出し開始だ

これが今日のメインだからな


「それじゃみんな、ベッキーを頼んだぞ」

「はい」

「任せろ」

「委細承知」

「任せて♪」

「え?え?」


女子チームにベッキーを託す

ベッキーはよくわかっていないようだ

俺はベッキーに敬礼をして送り出す


「なんですか? その敬礼はなんですかー!?」


4人のお姉さんたちに囲まれて服屋へ連れて行かれるベッキー

グッドラック、ベッキー


俺とトムとハックは家財の買い出しに行く

着飾るベッキーを見たかったが仕方がない

下着類も買うので俺たち男は同行拒否される(当たり前)






サクラさんたちに連行されて服屋さんに入ります

おじさんのあの敬礼でとても不安になりました

お姉さんたちがほくそ笑んでいます、恐いです


なんか店員のお姉さんと話しています

店員さんがわたしを見て満面の笑みで親指を立てました

とても恐いです


そして始まりました

お姉さんたちそれぞれわたしに着せたい服を持ってきました


「あの、安くて丈夫で大人しめな服が二着ほどあればいいです」


今着ているのとで三着もあれば充分です


「なにを言うのですかお嬢さん!」 ガシッ!

「ひっ!」


店員さんががっしりわたしの肩をつかみ熱弁します


「せっかく可愛いのに可愛い服を着なくてどうするのですか!

 10歳とお聞きしました、女の子としてお洒落を始めるにはいい年齢!

 いえ! 遅すぎるぐらいです! 今着ないでどうするの?

 素材も悪くありません、もったいないです!

 着ましょう! 着なさい! 着せます!!」


こわいこわいこわい! 誰か助けてー!

でも助けなどいません、サクラさんたちも店員さんに同意しています

これ逃げられないやつだ、わたしはあきらめました


「まずは私から♪」


アンナさんが持ってきた服を着せられます

桃色のひざ丈ワンピース、丸エリで袖の肩先がふんわりふくらんでいます

少しだけ大きめの前ボタンで胸元は黄色のリボンがついています


「可愛いですよベッキーさん♪ 私の目に狂いはありません!」


たしかに可愛いとは思いますがそれは服が可愛いだけですよアンナさん


「次はわたしのを着てください」


アオイさんが持ってきた服に着替えます

ネイビーのひざ丈キュロット、シンプルなエリ付きの白い長袖シャツ

上着に短めの丈のグレーのジャケットを着ます


「ふふふ、値札との戦いに苦労した甲斐がありました」


やりきった感じのアオイさん、なんの戦いなのですか?


「よし、次は私のだ!」

「え、これ着ないといけないの?」

「つべこべ言わず着ろ!」


ベンケイさんが持ってきた服を強引に着させられました

わたしはよく知りませんがゴスロリドレスとかいうらしいです

白地のひざ下丈ワンピースで桃色の小さなバラの刺繍がちりばめられています

フリルもたくさんあって庶民のわたしには気恥ずかしい

腰はベージュのリボンが巻かれていて後ろで大きな蝶結びになっています

白地で同じ刺繍がされたフリル付きのヘッドドレスを頭に着けています


「ベンケイさん、これ恥ずかしいです」

「なにを言う、似合っていて可愛いぞ」


庶民にお嬢様が着るような服をすすめないでください


「さあ次はわたしの番よ♪」


サクラさんが持ってきた服を広げてみる


「着たくありません」

「ええ!? みんなのは着たのに!」


すがりついて涙目で着て着てと懇願するサクラさん

いい大人がみっともないです


「わかりました、着ますからやめて下さい」


観念してサクラさんが持ってきた服を渋々着ます

太もも真ん中ぐらいのミニの黒色プリーツスカート

オフショルダーの白い半袖ブラウス、しかも背中が結構開いている

なんか小物として茶色のミニバッグを持たせられました


「きゃあ♪ エロ可愛い♡ 最高!」


かっこいいお姉さんだと思っていましたがダメな大人だったようです


「ふふふ、お客様方のコーディネート、素晴らしいです

 ここは店員としては負けていられませんね」


勝ち負けなんですか?


「さあ、お嬢様! こちらにお着替え下さいませ♪」


やっぱり店員さんこわい

もうあきらめたわたしは素直に着ることにしました

だけどこの服、というか服?


「お嬢様、着れましたか?」

「着ましたけど・・・」


試着室のカーテン越しに返事をします


「ささ、カーテンをお開けになってお見せ下さい♪」


店員さんがものすごく楽しそうです


「待って、やっぱり元の服に着替えますから!」

「そんな!? 仕方がありません、失礼致します!」


店員さんがさせるものかとカーテンを開けました


「店員さん、なんてものを」

「ベッキーちゃんよく着たでござるな、拙者なら断固拒否するでござる」

「いいじゃん、可愛いじゃねえか」

「最高よ店員さん!」


サクラさんが店員さんに親指立てて喜んでいます


「そうでしょう、可愛い少女がちょっとだけ大人の階段を上るのです!」

「どこがちょっとですか!」


黒いワンピースのナイトドレス、生地が薄いため少し透けています

ひざ下丈で裾がフリルのレース付き


「皆様が普段着や余所行きだったので夜着を選ばせていただきました!」

「普通の寝巻きにしてください!」


胸元、肩、背中の露出が大きいです

とっても恥ずかしいです


「お嬢様、意中の殿方もそれでイチコロですよ♪」

「10歳の子供に言うことですか!」


意中の殿方なんていませんよ

いてもこんなカッコはしたくありません!


カーテンを閉めて元の服に着替えます

そのあとはわたしの意見を聞きながら服を買ってもらいました

もちろん値段をメモします


服屋のあとは日用品などの買い出しをしました

メモメモ・・・


「必要な物は買いましたからお兄さんたちと合流しましょう」

「待ってくれアンナ、みんなも」

「ベンケイ殿?」


「合流する前にもう少しだけ買い物に付き合ってくれ」

「ベンケイちゃん、なにか欲しい物でもあるの?」

「じつはな・・・」


ベンケイさんから話を聞いてわたしたちはもう少しだけ買い物をしました

そしておじさんたちと合流します

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