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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
3 ただいま

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149 サクラ対ザキ

ザキがスリープをかけてきた

わたしは目をつむりそのまま倒れる


「余裕で勝てるとか言って余裕で倒されているじゃありませんか」


絶対ニヤけながら言っているわね

近づく足音が止まる


「さて、どうしてあげましょうか♪」


しゃがんだようで声が近い

恐らく手を伸ばしてきている

でもその手はわたしには届きませんよーだ


「え? 消えた?」


倒れていたわたしが消えたため驚いている

立ち上がって左右をキョロキョロするザキ

残念、わたしはあなたの背後ですよ?


「ファイアボール」 ボスン


「うわちぃっ!?」


ちっちゃいファイアボールを後頭部へぶつけてやりました


「い、いつの間に?」


ヒールで治すザキ


「さすが僧侶、回復はお手のものね」


「そうですよ、ですからあなたの攻撃は無意味です

 そもそも今のだって強力な魔法を使えば・・・ ああそうか」


「なに?」


「魔力が足りないのですねあなた

 さっきザコどもに大きな魔法を使いましたからね」


そのわかっていますよ的な顔やめてくれないかなあ


「それと転移系の魔法を使ったようですがそれも何度もできないでしょう?

 転移系は魔力消費が大きいですからね」


だからそのやれやれといったジェスチャーも鬱陶しいわ


「だけどスリープが効いていなかったのには驚きました」

「わたしに状態異常系は効かないからやっても無駄よ」


わたしの職業<魔女>は状態異常無効化というパッシブスキルを持っている


「ならば攻撃魔法で倒すまでです、ホーリーランス!」


光の槍が撃ち込まれる

たしかに僧侶だから光属性の攻撃魔法も使えるわね

でもわたしはまた消える


「また転移ですか、まあそれもあと何回使えるのでしょうね♪」


キョロキョロとわたしを探すザキ


「ここですよー」


わたしは廃屋の屋根の上にいます

最初に手を置いた場所です


「ならば、ホーリーアロー!」


光の矢を数発放ってきました

またわたしは消えて少し離れた廃屋の横に現れます


「また転移? ホーリーカッター!」


光の刃がたくさん飛んできました

わたしは消えてその場所からさっきの屋根の廃屋下へ現れます


「そんなに転移を連発してまだ魔力が尽きないのですか?」


さすがにおかしいことに気づいたようです


「ちょっとだけネタばらしをしてあげる

 これ転移系魔法じゃないから魔力消費はゼロよ」


「魔法じゃない? まさか固有スキル持ちなのですか?」


わたしたちFPOプレイヤーは固有スキルを必ず一つは持っている

でもこの世界の住人は持っている人は稀です


「さて、そろそろ反撃しましょうか」

「また消えた!?」


ザキの背後に現れます


「ストーンランス」


岩の槍をぶつけますが結界で防がれます


「驚きましたが背後から来ることはバレバレですからね

 私の結界でいくらでも防げますよ」


「ふうん、それはどうかしらね」

「って、また屋根の上?」


雷の流星群(ウィッチ・ジャッジメント)!」

「な、そんな大きな魔法、何度もできるわけが! 多重結界!」


慌てて多重結界を展開するザキ

すべての雷の矢を防ぎきって結界も壊れる


「どうですか、私には通用しませんよ!」


わたしはニッコリ笑ってあげる


ザクッ! 「あがっ!?」


笑った瞬間、わたしは背後へ移動して短剣を振り下ろす

杖を握っていたザキの右手首を斬り落としました


「油断大敵よ? 大きな魔法を防いだあとほど警戒しないとダメよ」

「くっ、ホーリーカッター!」


至近距離から光の刃を乱れ撃ちをしてくる

でも結界を張って防ぎます


「わたしも結界を張れることは知っていたでしょ?」

「うるさい! 死ね、ホーリーバースト!」


光の球が爆発する

でもわたしはザキの背後に立っていた


「バインド」

「うぐっ!」


首輪のようにザキの首にバインドを巻きつける


「強制解除!」

「バインド」

「ふごっ!」


解除されたならすぐにかけ直せばいいだけ


「馬鹿ですか? 強制解除とバインドの繰り返しなんて無意味ですよ」

「ごめんね、わたしのバインド、こんなこともできるの♪」

「っ!? んぐぐっ!」


バインドを縮小させる

ザキの首が絞めつけられていく


(きょ、きょうせい、かいじょおっっ!)


「言葉にしなくても使えたのね、お見事♪」

「はあはあ、、、」

「ハアハアなんていんやらしいっ♡」


「ふざけるなっ!」


左手で杖を振り上げて殴ろうとするザキ


「ファイアバースト」 ズドン!


その杖を盛大に爆破してあげる


「うわあっ!」


燃え盛る杖を手放すザキ

持ってたら大火傷だものね


「お、お前、なんなんだ! 魔力が尽きる気配もない

 固有スキルに魔法も普通じゃない、本当にCランクか!」


口調が変わったわね、こっちが素なのかしら


「ランクだけで判断しているから負けるのよ?

 あ、そうだ、せっかくだから言っちゃおうかな?」


「なんだ?」


わたしはザキを指差してニヤニヤ笑いながら言ってやる


「弱過ぎでしょあなた♪ ざあこ♡ ざあこ♡」


「はああ~?」


なんとも言えない顔で大口を開けるザキ


「ホーリーバーストーーー!!」


もはやヤケクソ気味に光の爆弾を連発するザキ


「ヤケクソってかっこ悪ーい♪ ざあこ♡」

「むきー!」


ホーリーバーストを数十発放ってザキは倒れる

怒りに任せて連発したためザキは魔力切れになったみたい


「それじゃ尋問タイムといきましょうか♪」


わたしはザキに手をかざして数秒あることを念じてバインドをかける


「・・・解除すればいいだけですよ?

 それに回復する時間を与えてくれるとは甘いですね」


「あら、回復なんてさせないわよ?」

「なにを馬鹿な、現に私はヒールをさっきから・・・」


「気づいた? できていないでしょ回復♪」

「な、なぜ・・・」


「もちろんバインドも解除できないでしょ♪」

「さっきまでは解除できていたのに、一体・・・」


「これに関しては教えてあげない♪

 まあ知ったところでどうしようもないでしょうけどね」


回復も解除もできない状況に焦りが見えます


「ではいくつか聞きたいことがあるから答えてね」


ザキが睨んでいますが気にせず聞きます


「そうね、まずはシッドさんの借金について

 借用書のサインが本物だったのはどうしてかしら?」


「知りませんねえ」

「あっそ」


ザクリ 「ぐあっ!」


わたしはザキの左足親指に金串を刺します


「ちゃんと答えてくれないと悲しいなあ」


泣きマネをします

痛がっていて見てくれません、ちぇ


「借用書のサインについて教えて♡」


わたしの笑顔にザキは顔面蒼白になります

失礼ね、もう一本刺しちゃうぞ?


ザクリ 「ぎゃあっ!」


わたしは優しくない、こういうことも平気でできます

でもケンタくんたちにこういう姿を見せたくない

だから二手に別れて助かったわ

ベッキーちゃんにも嫌われちゃう


「もう一回聞くわね? 借・用・書、どうやったのかなあ~?」


ザキはガクブル震えて口をパクパクさせている

どうやら話す気にはなってくれたようで一安心です♪

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