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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
3 ただいま

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148 敵前逃亡

俺はサクラさんと二人でベッキー救出に向かう

この廃村は小さい街ぐらいの規模なのでそれなりに広い

そして廃屋とはいえたくさんの建物が密集している

おかげで道が入り組んでいた


そんなところを通っていたら間に合わない

だから俺たちは空を飛んで一直線で行くことにした

サクラさんはホウキで、俺はフライで飛ぶ


「見つけた」


サジンがベッキーの腕を掴もうとするが弾かれる


「私の結界はまだ壊されていないみたいね」

「よかった、間に合った」


するとサジンの横にいた男が魔法を使う


「あ、結界を解除されたみたい」

「くそ!」


サジンが再びベッキーの腕を掴もうとする

俺は急降下しながらアイスランスをサジンの肩へ撃ち込む


「っ!?」


感づいたサジンがその場から素早く大きく下がる

氷の槍が地面に刺さり霧散する

その場所へ俺は降り立つ


「感づいて避けたか、さすがSランク様」


嫌味を言いながらベッキーを抱き寄せる


「お、おじさん、、、」

「遅くなって悪かったなベッキー、ケガはないか?」


少し震えている、恐かっただろうな


「わたしは平気、でもトムとハックが!」

「二人なら助けが行ったから大丈夫よ」

「お姉さん!」


サクラさんはチンピラたちの後方に立っていた

いきなり現れたためチンピラたちが驚きざわつく


「そんじゃさっさと片付けようかサクラさん」

「そうね、やっちゃいましょケンタくん♪」


「そんな簡単にいくと思っているのか?」

「そうですよ、あなたたちCランクが私たちに勝てるとでも?」


サジンともう一人が俺たちを馬鹿にした笑い方をする


「おいお前ら、慌てていないでさっさとそいつらを潰せ」


サジンがチンピラたちに命令する

チンピラたちは一番近いサクラさんから捕まえようとする


「バインド」


足を拘束されて次々と転倒するチンピラたち


「役に立たねえなお前ら、ザキ解除してやれ」

「しょうがないですね、<強制解除>」


バインドが消された


「へえ、効果も含めて解除できるのね」


サクラさんのバインドは破壊されても自動生成される

その効果ごと解除したらしい


「よくもやってくれたな」

「捕まえたらたっぷりお返ししてやる」


チンピラどもがニヤニヤしながらサクラさんを包囲する


「それは無理よ」

「この状況で強気だな」

「この状況がわかってないのはあなたたちよ?」


サクラさんは空を指差す

なんだ?とチンピラたちとサジンたちも上を見る


上空に大量の雷の矢が下に矢先を向けて鎮座していた


「魔女の裁きを受けなさい、雷の流星群(ウィッチ・ジャッジメント)!!」


雷の矢が降り注ぎチンピラどもが喚き叫んで次々と倒れていく

俺は知っていたのですでに範囲内からベッキーを抱えて離脱していた


「ちっ、やるじゃないか」


サジンは少し大きめの剣を地面に突き刺し魔力を流す

剣が輝きその光がサジンを包み込む

雷の矢はすべて弾かれていた


『多重結界』


もう一人の男は結界を何重にも張って防いでいた

風の戦士団、パーティーランク5位は伊達ではないということか


「その程度で俺たちを倒せると思っているのか?」

「チンピラどもは全滅したからあとはお前たちだけだ」


「そこのザコどもがいなくても問題はない」

「そうですよ、私たちがあなた達に負けるはずがありません」


「俺たちがCランクで格下だからか?

 ランクだけで物事を判断してると足元すくわれるぜ」


「言ってろ」


サジンが剣を構える

サクラさんがホウキを持つ

俺は自身に身体強化をかける


「どんな魔法も私が消してあげますよ」

「ザコ相手だが全力で潰してやる」


サジンともう一人が俺たちを嘲笑う


「サクラさん、行くよ」

「ええ、ケンタくん♪」


サクラさんはホウキに乗って全速力で飛んで行く

俺はベッキーを抱えて全速力でその反対方向へ逃走


「「はあ!?」」


クソ野郎どもが驚いているがお構いなしに俺たちは逃げた




「なんなんだあいつら・・・」

「呆けている場合ではありませんよ、追いかけましょう」


挑んでくると思いきや逃げられたため呆けていたサジン

同じくポカンとしていたがザキはすぐに我に返る


「私は女の方を追います」

「なら俺は娘を連れた方を追う」


「あの女があの結界を張ったのでしょう、なかなか面白い魔法を使う

 いろいろ聞き出さないといけませんねえ♪」


「ほどほどにしろよ、あれだけの美人なら高く買い取ってもらえる

 マニーさんへのいい土産ができたぜ」


サジンとザキはそれぞれの相手を追って走り出す




「ここらへんでいいかしら、よっと」


廃屋の屋根に下りて屋根に手を置く

廃屋から下りて地面に手を置く

少し離れた廃屋の壁に手をつける


「これでよし、あと一つは敵さんが来てからね」


ホウキに乗り上空に上がる

敵さんの姿を探します、いた!


「おーい、こっちですよー♪」


敵さんがわたしに気づきました

わたしは下ります

敵さんがやって来ました


「速いですねそのホウキ、追いつけないと諦めかけていましたよ

 もしかして私たちを分断させて誘い込んだつもりなのですか?」


「そうよ♪」


やれやれといった感じで苦笑する敵さん


「馬鹿ですねえ、そのまま逃げ切れたはずなのに

 分断させれば勝てるとでも思ったのでしょうが失策ですね」


「そうかしら?」


「私はあなたに勝てるしサジンもあの男に勝てますからね

 むしろあなたの魔法の援護がない分、あの男は瞬殺になりますよ」


「あはは♪」


思わず笑ってしまいました


「SランクだからCランクなんて瞬殺?

 わたしの援護がないからケンタくんが弱い?」


「どう見てもあの男は弱いでしょう?

 あのアイスランスは不意打ちだから通用しただけですし

 まあそのアイスランスもかわしましたがね」


「そう、侮ってくれているなら尚更ケンタくんは勝つわ」

「話になりませんね、どこからその自信がくるのやら」


呆れる敵さん


「あっちのことはもういいです、私はあなたを捕まえに来たのですから」


敵さんが杖を構える


「一応名乗っておきましょう、私はザキ、僧侶です」

「僧侶がこんな悪事を働くなんて生臭坊主もいいところね」

「僧侶とて人です、酒も飲みたいし女も抱きたいのですよ」


ニヤニヤとわたしを見る、見ないでほしいわ


「わたしはサクラ、あなたに裁きを与える者よ」

「はは、勇ましい、それは楽しみだ♪」


「バインド」

「強制解除」


ザキの手足を捕縛する

しかしすぐに解除される


「アイスアロー」

「多重結界」


氷の矢を数十本放つ

しかしすべて結界に阻まれる


動きのない魔法は強制解除で解除する

動きのある攻撃は多重結界で防ぐ


「なるほど、大したものね」

「あなたの魔法は通じません、理解しましたか?」


「ええ理解したわ」

「それはよかった、大人しくしていれば手荒なことはしませんよ♪」


「あなたが相手なら余裕で勝てることを理解したわ♪」

「はあ?」


わたしは素早くホウキに乗りザキの背後をとる


パシン! ザキの背中を叩いて距離を取る


「驚きましたが背中を叩くだけ?

 攻撃していれば私にダメージを与えられたのに?」


「あなた僧侶でしょ、簡単に回復するでしょ」

「そのとおりですよ、よくわかっているじゃないですか」


それに攻撃魔法より先に結界を張るでしょうしね

瞬間だから多重ではなく一枚だけしか張れないだろうけど

でもこれで準備はできた


「ところで僧侶のあなたに攻撃手段はあるのかしら?」


「なるほど、攻撃手段がないと思ったから余裕で勝てると

 ありますよ、攻撃手段なら」


「いや、あっても余裕で勝てるから」

「強がりはいい加減やめた方がいいですよ」


ザキが杖を掲げる


「眠れ、<スリープ>」


攻撃というか眠らせて無力化するってとこね


「起きた頃にはあなたは奴隷になっていますよ♪」


勝ち誇るザキの前でわたしは目をつむる

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