14 ニヤリ(悪い顔)
俺とアンナはパートナーになった
ラインハルトが悔しがっているが放置しとく
料理が運ばれてきたので食べながら談笑する
「ケンタの名前ってケンタ・ウロスなんだな」
「本名がケンタだからそれに合わせたんだよ」
「いいじゃないですか私なんてアンナ・イニンですよ」
「ラインハルトのフルネームは?」
「俺はラインハルト・ハイゲーマーだ」
「「それもどうかと」」
「アンナにまでツッコまれた!」
だって廃ゲーマーでしょ
「ケンタたちはこれからどうするんだ?」
「明日の昼の馬車でここから近いハジメノ街へ行く予定だ」
「ハジメノ街と言うと西の方だな」
「ラインハルトはどうするんだ?」
「俺の精霊はこの村にはいないだろうから移動した方がいいよな
俺もハジメノ街へ行こうかな、街は広いからいるかも知れないし」
「じゃ一緒に行こうか」
「ああ、よろしく」
ハジメノ街、名前の通りFPOで最初に辿り着く街だ
街なので冒険者ギルドがある
カードが破棄されたから新たに登録をしないといけない
「ラインハルトもギルドカード作るだろ?」
「ああ、破棄されたからな、ケンタもか?」
「あれは悲しかった」
うんうんと頷くラインハルト
「ああそうだ、アンナはどこで寝泊まりしてるんだ?」
「私は村の外れの馬小屋跡で寝ています」
「「・・・・・・・」」
「ケンタ、泊めてやれよパートナーだろ」
「ああ、宿屋に部屋借りるからそこで寝ろアンナ」
「別に私は平気ですよ?
お兄さんがこの村に来る前からそうしてますから」
「ダメ、パートナーになったからにはそんなことはさせられん
それにマネキンの仲間が襲ってくるかもしれないだろ」
「それはもう大丈夫です、襲って来ません」
「何でだよ」
「パートナー契約しているのでもう野良精霊ではありません
なので私にはきちんと役割があるのでデリートの対象外です
役割がない者だけを不要な存在として認識していますからアレは」
なるほど、何でもかんでも排除するわけではないのだな
「だが奴らに襲われなくても女の子をそんなとこで寝かせられん」
「お兄さん、そんなに私を宿屋へ連れ込みたいんですか?」
「言い方っ!」
そんな感じで三人で色々しゃべって食べる
「じゃ明日、馬車乗り場で、おやすみー」
「おやすみ、ラインハルト」
「ラインハルトさん、また明日です」
食堂を出てラインハルトと別れた
俺とアンナは俺の泊まっている宿屋へ向かう
もう一部屋追加で借りることにする
「もう一部屋借りたいんだけど空いてるか?」
「すみません、この人の部屋に泊まるのでいいです」
「おいっ!」
「借りるのか借りないのかはっきりして下さい」
「借り「ません」ます」
アンナこのやろう!
「この人の部屋に一人追加でお願いします」
「はいよ、一人追加、と」
押し切られた
「しょうがない、ほら、行くぞ」
「はーい♡」
俺は諦めて部屋へ向かう
その後ろから付いて来るアンナ
宿屋の主の視線が痛い
絶対誤解している目だ
違うからな?
部屋に入りどっと疲れが出た
「わーい、ベッドふかふかー♪」
ベッドに飛び込みぴょんぴょん跳ねるアンナ
「ベッドで跳ねて遊ぶんじゃありません」
「はーい」
父親になった気分だ
「とにかく座れ、明日からのことについて話すぞ」
「はい」
ちょこんとベッドの上で正座するアンナ
「昼の馬車でハジメノ街へ向かう
夜中か明け方には街に着くだろう
まず宿屋の確保をして冒険者ギルドへ行く
登録したらその日は街を軽く見て回る
初日はそんなところだな
その後は街全体を把握していく
同時に依頼を受けて冒険者活動だ
特にあくせくやるつもりはない
俺はゆっくりこの世界を楽しみたいからな」
「お兄さんって結構あれこれ考えているのね」
「何も考えず行動してると思ってたのかよ」
「うん♪」
しばくぞこのやろう!
「そういやお前はどうするんだ?」
「お前じゃなくてアンナですよ」
「アンナお嬢様はどうするのでございますかー?」
「お兄さん、大人気ないですよ」
「へいへい、で、どうするんだ?」
「どうするって何を?」
「冒険者登録とかするのか?」
「そうですねえ、一応登録しておきます」
「精霊だけど登録できるのか?」
「そこはちょっとだけズルします♪」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫です♪」
まあ精霊の力で何とかできるのだろう
そう考えるとプレイヤーよりチートじゃないのか?
「それじゃ俺は風呂に入ってくるからここで大人しくしてろよ」
「はーい、ベッドで待ってるわね♡」 チュッ♡ (投げキッス)
イラッ
無視して風呂に行く
風呂から上がって部屋に戻る
「・・・・・・・こいつ」
ベッドでスヤスヤお姫様がお眠りになっていた
俺はシーツを敷いて固い床の上で寝た
街ではツインルームを借りよう・・・・・
出発までまだ時間がたっぷりあるので買い物に行く
俺とアンナは服屋に来ている
アンナは今着ている服しか持っていないそうだ
マネキンに襲われたときに少し破けたりしている
そんな格好の少女を連れ歩いていたら俺が白い目で見られる
下手しなくても通報されることは間違いない
今はコートを着せているので破れは隠せている
しかしずっとこのままというわけにはいかない
というわけでアンナの服を何着か買うことにした
服以外にもアレとかも買っておく
しかし女子の服やアレとかを俺が選んで買うのは恥ずかしい
なので女性店員に丸投げする
「お兄さん、私は平気なので買わなくていいですよ」
「俺が変質者にされてしまうからダメだ」
「じゃあ一着だけでいいです」
「替えの服も必要だろうが、それにアレも、、、 ゴニョゴニョ」
アレと言うのは下着のことだ
恥ずかしくて言えないんだよ!
それに俺が買ったら変態扱いされるだろ?
俺は照れながら口篭もる
察したのかアンナがニヤリと笑う
「私の下着姿でも想像しているんですかあ?
お兄さんってばヘンタイさんですねえ♡」 ニヤニヤ
こいつ調子に乗りやがって!
「店員さん、ちょっと」
「はい、何でしょう?」
「予算はこれだけある」
女性店員に札束を渡す
具体的には100万ほどだ
「こ、こんなに!?」
「これでこの子の服とか必要なものを見繕ってくれ
女子の服はよくわからんから店員さんに任せる」
女性店員はチラリとアンナを見る
(あら可愛い♡) キュン♡
「わかりました、お任せ下さい!」 フンス!
女性店員がやる気になったようだ
アンナよ、あまり大人をなめるなよ ニヤリ(悪い顔)
「な、何ですかその悪人顔は、、、」
「お嬢様、こちらへどうぞ♪」 ニッコリ(悪い顔)
「店員さんまで!?」
女性店員に連れて行かれるアンナ
女性店員によるアンナファッションショーの開幕だ
「次はこちら、コレもソレもアレも、、、」
「ひいいっ! ちょ、ちょっと待って、、、」
白ワンピに麦わら帽子
健康的だが清楚な感じもあって悪くない
黒ブラウスにデニムのフレアスカート
カジュアルな感じで悪くない
お嬢様っぽいフリルのドレスにアンブレラ
服屋なのになんでアンブレラがあるんだ?
ベージュのシャツに空色のロングスカート
腰の少し大きめな赤いリボンが可愛い
などなど抵抗虚しく女性店員に着替えさせられまくるアンナ
アンナの可愛らしさを引き出す服ばかり選んでくれていた
この女性店員、デキるな
(予算は潤沢、素材は美少女、燃える、萌えるわあー♡)
エキサイトし過ぎて際どいのまで着せ始める女性店員
長めのスリットがあるチャイナドレス風の服
うむ、スリット最高!
背中が全開のミニドレス
さすがにそれは止めてやれ
パレオ付きの赤ビキニ
いやそれ水着じゃん!
ちょっとだけアンナが不憫に思えてきた・・・・・
そして女性店員オススメの服とアレを大量に買った
アンナは買ったばかりの服に着替えている
フリル付きの白ブラウスと膝丈のふんわりした白スカート
胸元の細めのリボンは黒というコーディネートだ
「ありがとうございました、またの御来店お待ちしております♪」
女性店員がとてもご満悦だった
「うう、ひどいですお兄さん~」
「大人をなめるからだ」
「でもお金は節約して下さいよ?」
「金ならアホみたいにあるから節約の必要はない」
「うわー、ダメな大人だー」
少し早い昼食を食べてから馬車乗り場へ向かった
「ラインハルト、お待たせ」
「こんにちは~」
「二人ともこんにちは、アンナどうかしたの?」
「聞いて下さいよ~」
アンナはラインハルトに愚痴る
「それは俺もケンタと同じことするよ」
「大人って、、、」
出発時刻が来たので馬車に乗り込む
始めの街、ハジメノ街へいざゆかん!
アンナいじられ回でした ニヤリ(悪い顔)
村の服屋ですが街が近いのでそれなりのものが入荷されています
ただ安物が多いので100万で色々たくさん買えるのです
ずっと村ばっかりでしたがやっと街へ行きます
次回、額に肉!
女性店員「ふう、良い仕事したわ♪」




