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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
3 ただいま

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117 あっちもこっちもピンチ

「お兄さんそろそろ気付いてくれたかなあ?」


ニヤニヤしながら聞いてくる


「おまえ、またなんかしたな」

「せいか~い♪」


楽しそうに言いやがるぜ


「お兄さんはもう<回復>できないんだよ♪」


(お兄さんが「回復する」ことを除去したよ♪)


「やっぱりか」


ヒールを掛けても体力が戻らないな

やべ、今のでまた魔力が減った


「魔力回復薬を飲んでみなよ、回復しないけどね♪」

「そりゃどーも」


試しに飲んでみる、それをニヤニヤ笑いながら見てやがる

全然回復しないな、くそったれ!


「もうすぐ魔力も尽きるよね? 体力も落ちてきたよね?

 まだマネキンもたくさん残ってるよ、どうするう~?」


うぜぇ、勝ち誇った顔しやがって


だけどそのとおりだ

魔力が尽きたら魔力枯渇で動けなくなるだろう

すでに兆候が出ているし体力もやばい


「お兄さんが倒れるまで僕は高みの見物だよ♪

 マネキンたち、お兄さんと遊びな!」


マネキンたちが俺に向かってくる

もう魔法を無駄撃ちできない、体力もほとんどない

ガチでやばいな






ベンケイちゃんが崖から落ちてヨシツネくんが追って行った

崖だけど落ちてすぐのところが緩い斜面になっている

これならまだ助かってる可能性が高い

ううん、きっと助かってるわ!


「わたしはベンケイちゃんを助けに行くわ

 みんなはゴーレムとイノシカチョウをお願い」


「わかったわ、でも無茶したらダメよサクラ様」


わたしはフライで浮きながら崖下へ向かう

同時に探索も発動させてベンケイちゃんを探す


通常の探索だと魔物も人も白い点

わたしの探索は魔物が赤、人が白に分かれている


水音が聞こえた、川があった

これは流されたわね


下流へ進むと滝に繋がっていた

どうしよう、こんなの助からない、、、


駄目よ! 弱気になってどうするの!


わたしは両頬を叩いて弱気を払う

お願い、無事でいてベンケイちゃん


滝に飲まれないように離れて下へ行く

また川に沿って飛ぶと川はいくつか枝分かれしている

探索で見るとどのルートもまばらに魔物が少数いた

白い点が見当たらない


「仕方がないわね」


高度を上げて一望する


「ベンケイちゃん、受け取ってね

 フラッシュボール、対象はベンケイちゃん!」


対象指定型のフラッシュボールを放ちます

眩しいだろうけど我慢してねベンケイちゃん


自動でベンケイちゃんのところへ飛んでくれます

探索を見ながらフラッシュボールを追います

白い点が表示されました


「あら? 白い点が三つ?」


人じゃないけど魔物じゃないからヨシツネくんも白い点

よかった、ベンケイちゃんと合流できたのね

もう一つはベンケイちゃんだけど他に誰かがいるってことだわ


この山に討伐に来た冒険者かも

ベンケイちゃんを助けてくれたのかな


フラッシュボールがその近くの木々に入ろうとしたとき


ズバンッ! フラッシュボールが打ち消されます


ダークボールをぶつけられたようです

魔法が使える魔物はこの山にはいない

ベンケイちゃんは魔力がないから魔法を使えない

ヨシツネくんは炎系のみだから闇系は使えない

だとすればもう一人の誰かだ

敵なの? 味方なの? 急いで白い点のところへ向かった






回復薬で傷は塞がった、けど血が足りない

少しフラつくがゴーレム程度なら倒せる

だけど横から来たイノシカチョウを躱せなかった

突き飛ばされて崖から落ちる


「くそっ!」


すぐ斜面になっていたので地面に激突とかはなかった

でも転がり落ちて川に流される、どんぶらこどんぶらこ

私、意外と余裕あるなと自嘲する


血が足りなくて上手く泳げそうにないから身を任せる

そしたら滝だよコノヤロウ!


「姫!」


ヨシツネが追って来てくれた

滝に飲まれて落ちる私に飛びつくヨシツネ

私を庇うように包んで一緒に落ちる


おかげで滝下へ叩きつけられる衝撃が抑えられた

でも戦闘形態になれないヨシツネは大ダメージだ

ごめんなヨシツネ


私も体力が消耗しているため二人とも気を失う



少し意識が戻る、星空が見える、木々が見える

川ではなく陸地に上がっているようだ

川のそばではないから誰かが助けてくれたのか?


横目にヨシツネが見えた、誰かと話していた

よかった、ヨシツネも無事のようだ

よく見えないがヨシツネといる誰かがこっちを見る


「姫姉ちゃん気が付いたみたいだよよっくん」

「おお姫、目が覚めましたか!」


二人が近付いてくる


「あんたが助けてくれたのか?」


まだ意識がはっきりしない


「うん、でかい魚が流れてきたと思ったら人と狐だった」

「この方に助けていただきました姫」

「そっか、ありがとう」


かなり身体を休めたみたいで意識もはっきりしてきた

助けてくれたのはアンナぐらいの女の子だった


黒目で軽くふんわりとしたセミロングの黒髪

後ろを蝶結びにした赤い鉢巻

上下白のセーラー服、襟と裾に群青色の二本ライン


「もしかして、FPOプレイヤーか?」

「よくわかったね姫姉ちゃん」


黒髪黒目だし、その装備はゲームのガチャで見たことあった

セーラー服と赤鉢巻はどっちも神レア装備だ


「改めて助けてくれてありがとう、私はベンケイだ」

「うん、よっくんから聞いたから知ってるよ」


ニコニコ終始笑顔で受け答えをしてくれる

でもこの笑顔は本物の笑顔だ、嘘が混じっていない


「というか、よっくんって?」

「私のことです姫」

「ヨシツネだからよっくんだよ♪」

「私もそう呼ぼうか?」

「それは勘弁して下さい姫」

「冗談だよ」(ちょっとだけ呼んでみたかったけど)


「わたしはカエデだよ、よろしくね姫姉ちゃん♪」

「その姫姉ちゃんって呼び方やめてほしいんだけど」

「おことわりしまーす♪」

「私のよっくん呼びもやめていただけませんでした」


まあいいか、悪気はないようだし


「それでカエデはなんでこの山にいたんだ?

 おかげで助かったけどさ」


「適当に旅しててたまたまこの山で遊んでいただけだよ」

「適当に遊ぶにはこの山は厳しいと思うけど」

「そうかなあ、ゴーレムと鬼ごっことか楽しいよ」


どんな遊びだよ、すごいなこの子

カエデがいきなり立ち上がる


「どしたん?」

「なんか魔法がこっちに飛んできてる」


そんなんわかるの?


「迎撃するね、ダークボール!」


木々の間をすり抜けて空へダークボールが放たれる

光の玉がこっちに飛んで来ているのが見えた

光と闇の玉がぶつかり合い相殺する


「どんな魔法が来ているのかわからないのによく対応できたな」

「属性ごとに魔力の感じが違うもん」


いやそんなのわからねえよ?


「あ、撃ってきた人が来たみたい」


それはパンティだった


「ベンケイちゃん、ヨシツネくん!」

「サクラ!」


パンティが空から下りて駆け寄ってくる

一人で探しに来てくれたようだ


「心配かけたな、すまねえ」

「本当よもう!」


思いっ切り抱きしめられる


「このぶんだと敵じゃないみたいだね」

「えっと、ベンケイちゃんこの子は?」


カエデが助けてくれたことをパンティに説明する


「そうなのね、ありがとうカエデちゃん

 わたしはサクラ、よろしくね♪」


「うん、よろしく美魔女さん♪」

「美魔女?」

「美人で魔女さんだから美魔女さん♪」


なんかセンスがケンタに似てるな


「それより四神たちのところへ戻ろうぜサクラ」

「そうね、でもカエデちゃんはどうしよう?」

「わたしはこの山でまだ遊ぶから行かないよ」

「大丈夫なの?」


(こんな小さな女の子が一人でなんて)


「サクラ、カエデもプレイヤーだしかなり強いぞ」

「そうなんだ」

「姫姉ちゃん、わたしが強いってわかるの?」

「わかるさ」


この山に一人で平然と遊び感覚でいられるんだから

そんな奴が弱いはずがない


「わたしも姫ちゃんて呼ぼうか?」

「サクラ、キャラ名(パンティ)で呼ぶぞ?」

「ごめんなさい」


「それじゃあなカエデ、どっかで見かけたら声かけてくれ」

「また会えるといいわねカエデちゃん、元気でね♪」

「うん、お姉ちゃんたちも元気でね♪」


カエデに別れを告げて四神たちのもとへ向かう

明るく元気でいい子だなカエデは

ケンタが好きそうな元気っ子妹タイプだ

私も好きだけどな






ベンケイちゃんとヨシツネくんと合流できました

四神のところへ戻りましょう


ヨシツネくんは戦闘形態になれません

だから二人をホウキに乗せて運びます

わたしはフライで飛びます


崖の上から三人が心配そうに崖下を見ていました

わたしたちを見つけて大喜びしています

心配かけてごめんね


「ただいま、二人を連れ戻したわよ♪」


「おかえりなさいサクラ様」

「主様、心配したよお」

「俺は姐さんを信じていたぜ」


ほんとに可愛いわねこの子たち♡


「ゴーレムは? イノシカチョウは?」

「全部潰したわよ」


「そう、じゃケンタくんたちのところへ急ぎましょう」

「おまえらは大丈夫なのか?」

「ああ充分戦える状態までは回復した」

「私も回復はしてますが戦闘形態にはまだなれません」

「そうか、俺もシールドがまだ張れねえ」


厄介な能力よね、消去能力

まだ回数が残ってるみたいだった

使い方次第ではケンタくんたちが危ないわ


「それじゃあ行きましょう」


わたしたちはケンタくんたちのところへ急ぎます






ケンタ殿とアンナさんは大丈夫でしょうか

さっき光るものがケンタ殿の方へ向かっているのが見えました

一旦この上空で止まったようだけどすぐに飛び去った


もしもあれがさっきの少年だったら・・・

パンティ殿とベンケイ殿はどうなったのだろう

二人が強いのはわかっているけど心配です


それにケンタ殿とアンナさんも心配です

わたしとブルーを見逃したのは脅威ではないからでしょう

それは少し悔しいです、弱いと言われているみたいだから


「侮らせておけ、我らには託されたことがあるであろう?」


ブルーが察して言葉をかけてくれます


「そうですね、ケンタ殿から大事なお役目を託されました」


ここで別れるときに大事なお役目をいただきました

わたしとブルーはそれを全うしないといけません


しばらくすると遠くから大量になにか白い物体が近付いてきます


「マネキンだな」

「マネキンですね」

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