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愚者の楽園に転移したけどまったく問題ない  作者: 長城万里
3 ただいま

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113/178

113 イレイ・ジャー

ブリダイコン山の麓でアオイくんを待つ

少し高台になってるところなので街の中が少し見える


白い塊が東へ進もうとしている

だけど中央あたりでせき止められていた


「みんな頑張ってくれているなあ」

「次に行ったらなにかお礼をしないとですね」


アンナの言うとおり労おう


「アオイちゃんが戻る前に説明しとくわね」


パンティさんが山越え担当だ

ブルーとレッドに乗せてもらって山を越える


ブルーに俺とアンナとアオイくんを乗せてもらう

レッドにパンティさんとベンケイさんを乗せてもらう


もう夜なので暗いけど二人とも夜目が利く

高度も高くて速いのですぐに山越えできるだろう


準備をしてるとアオイくんが来た


「勝手してごめんなさい」

「いいよ、ケイトさんに会いたかったんだものな」

「ありがとうケンタ殿、みんな」

「それより急ぐぞ」


ブルーとレッドが元の大きい姿になる

と言っても少しだけ大きさを抑えている

完全に元の状態だと山が崩れる


それぞれブルーとレッドの背に乗る


「それじゃレッドお願いね♪」

「任せてサクラ様♪」


「ブルー、ケンタくんたちを頼んだわよ」

「お任せあれ御主人様」


ブルーとレッドが夜闇の空を飛び始める






敵の動きが変わりましたね

さっきまで歩いていたのが走り出しました

まあ叩き潰すだけですが


ふと山の方を見ると遠目でもわかりました

大きな何かが二つ、山の向こう側へ飛んで行っています


恐らくケンタさんたちでしょう

アオイさんは間に合ったようですね


敵が走り出したのはあれを追うためでしょう

残念ですがここで殲滅させていただきます


冒険者たちが敵を粉砕しています

私も頑張りましょう


一直線に並んでいる敵を棒で貫きます、串刺しです

そのまま持ち上げて振り回しながら突っ込みます

敵を敵で粉砕していきます


敵が走るのを止めて後退していきます

おや、諦めて撤退ですか?


ですが後方の敵はまだこちらに向かっているようです

どうやら一ヶ所にまとまろうとしているようです

少し嫌な予感がしました


「やれやれ、これ以上は街を破壊してしまいそうだね

 しょうがないから街からは撤退するよ」


敵の真上に浮いている少年がいた

敵と同じく肌が白いが身体は人間だ


「おまえは何者だ?」


「お姉さん強いね、でも相手はしないよ

 関係者以外に手出しをし過ぎるのは禁止されてるからね

 まったく禁則事項が多過ぎて困っちゃうね」


やれやれと言ったポーズをとる少年

特に大きな魔力などは感じられない

しかし得体の知れない不気味さを感じます

恐らく敵のボスですね


「じゃ、かいしゅうー♪」


少年が空間に穴を開く

下にいた敵たちがその穴の中へ吸い込まれていく

そしてすべて吸い込まれたあと穴は消える


「それじゃあねお姉さん♪」

「待て、どこへ!」


私の制止を聞かず凄い速さで飛んで行った

ケンタさんたちを追ったのだろう

あの速さなら追いついてしまうかも知れない

ごめんなさい、足止めできませんでした






「やばいですお兄さん」

「どうしたアンナ」

「デリートの上位個体が近付いています」

「それだと街は?」


「街は大丈夫だと思います、奴らは関係者以外は無視します

 撤収してこっちを追いかけることにしたのでしょう」


「追いつかれそうか?」

「ごめんなさい、もう追いつかれました」


前進していたブルーとレッドが止まった

その目の前に誰かがいた


「やっと追いついたよ、逃げ足速いねお兄さんたち♪」


少年だった、背丈はアンナと同じぐらいだ

これがデリートシステム上位個体なのか?


「お兄さん、頭に乗せてるそいつ渡してよ

 そしたらお兄さんたちにはなにもしないからさ♪」


「やっぱり庇うから俺たちも敵認定されるんだよな」

「そうだよ庇わなければいいんだよ♪」

「だよなあ、義理もないし厄介事だもんなあ」

「ちょっとお兄さん、なにを!?」


「こいつさえ渡せば俺たち楽に旅ができるんだよなあ」

「話がわかるじゃないかお兄さん♪」

「それじゃキミに渡そうかな?」

「いいねえお兄さん♪」


俺はニッコリ笑う、少年もニッコリ笑う


「渡すかよバーカ♪」


ビュッ! ガスッ! 銀の短剣を投げ刺す


「なにするんだよ、痛いじゃないか!」

「消えろや、決壊死(けっかいし)!」


・・・・・ん? 消えない? 銀の短剣だけ消えた


「騙し討ちなんて卑怯だねお兄さん、でも残念♪」


「なんで決壊死(けっかいし)が効かないんだ?」

「効いてるけど僕には届いていないだけだよ♪」


届いていない? どういうことだ?


「ネタばらしはしないからね♪」

「ケチ」


「あはは、お兄さん面白いね♪

 もういいよね、そろそろ渡してよその花」


そのときレッドが少年に体当たりする

体当たりというか炎の身体で飲み込んだ状態だ

そのまま山へ落ちていくレッド


「ブルー、ケンタくんたちを連れて行って! 頼んだわよ!」

「ケンタ、アンナ、アオイ、こいつは私たちに任せろ!」

「行きなさいブルー! サクラ様はわたしに任せておいて!」


そう言って暗闇の山へ消えていく


「くそっ! 助けないと! って、うわっ!」


ブルーが全速力で飛んでいく


「おいこらブルー! おまえの主人ほっとくのかよ!」

「御主人様に頼まれたのだ、お主たちを連れて行けと」

「俺たちよりサクラさんじゃないのかよ四神は!」


「煩いぞ! 我とて助けに行きたいわ!

 だが飛び立つ前にすでにこの頼み事はされていたのだ

 万が一山で敵と遭遇したら連れて逃げろとな

 我とて苦渋の決断である・・・・・」


パンティさん、予測していたのかこうなることを

俺はなんにも対策考えずにただ東へ向かっていた

くそっ! すまないパンティさん、ベンケイさん


「お兄さん、二人は強いです、だから信じましょう」

「そうですケンタ殿、わたしたちは前に進みましょう」

「そうだよな、ごめん、ブルーもすまない」

「わかればよい」


決壊死(けっかいし)が効かなくて二人が落ちて動揺していた

しっかりしろ俺!


俺たちは猛スピードで山を越えて行った

パンティさん、ベンケイさん、どうか無事でいてくれ






レッドは三位を飲み込み山へ猛スピードで下りる

岩場の方へ三位を叩きつけるように放り投げる

自身は平地になっているところへ着地する


ズゴンッ!


岩盤に亀裂が入るほどに叩きつけられた三位

ベンケイとパンティはレッドから降りて戦闘態勢に入る


「乱暴だなあ、痛いじゃないの」


ゆっくり立ち上がる三位


「お姉さんたちには用がないんだけどなあ

 野良精霊を消すだけなんだから邪魔しないでよ

 じゃあ僕はお兄さんを追いかけるからまたね♪」


飛ぼうとする三位


ゴン!


「いたっ! なに? 空になんかある?」


上空を見上げる三位

クリスタルシールドが展開されていた

上空だけでなく一帯を囲んでいる


(姐さん、これでいいか?)

(ありがとうブラック、これでケンタくんを追えないわ)


「なるほど、邪魔するってことなんだね?」

「そのために山に落としたんだからな」


三位がニヤリとする


「邪魔者なら排除するしかないよね?

 いいよ、お姉さんたちと遊んであげるよ♪」


「そうかよ、ならかかってこい、相手になってやる」


「そうだ自己紹介がまだだったね、僕はイレイ・ジャー

 デリートシステム上位個体序列三位だよ♪」


ベンケイは薙刀を構えて攻撃に備える

だがイレイはかかってこない


「どうした、来ないのか?」


「うーん、囲まれてたら狭くて戦いづらいよね

 僕、広いところでのびのびする方が好きなんだよ♪」


「知るかよ」


イレイはシールドに手を当てる

次の瞬間、シールドが消える


「な、俺のシールドが消された!?」

「いけない、逃げられる! すぐに再展開して!」


だがシールドは展開されない


「どうしたのブラック?」

「姐さん、シールドが出せない」

「どういうこと?」


シールドがなくなってもイレイは飛び立たなかった


「僕は逃げないから安心してよ

 だってお姉さんたちは邪魔者なんだから

 ちゃんと排除してから追いかけるよ♪」


「ストーンブラスト!」


爆発する石つぶてがイレイに全弾命中する

だが爆発せずただの石つぶてになっていた


「だから痛いってば」


パンパンと服のホコリを払うイレイ


「それならアイスプリズン、酸素はなしよ」


イレイの身体を氷が覆っていく、だが途中で消滅する


「鬱陶しいなあ、諦めてくれない?」


(どういう能力を使っているのかしら?)


パンティは色々試して能力を探ろうと考える


「フレイムランス!」


炎の槍がイレイへ向かって飛ぶ

当たる手前で槍の形状が崩れて炎が分散する


「無駄だよ、(ザシュ!)って、うわっ!」


ベンケイが薙刀で斬り付ける

間一髪躱すがほんの少しだけ左腕を斬られる


「私がいることも忘れんなよ?」

「僕、治癒とかできないから困るんだけどなあ」


イレイは飛んで空間に穴を開ける


「二人同時は面倒だ」


穴からマネキンたちを出していく

そこら中がマネキンに埋め尽くされる、その数1万体


「そっちのお姉さんが厄介そうだね、お前らやっつけろ♪」


マネキン軍団はパンティたちの方を囲む


「こっちのお姉さんは僕が遊んであげるよ♪」






全速力のブルーに乗って山を越えた

真下にトナリ街が見えるが素通りする


俺たちの役目はさっさとサイショノ村へ行くことだ

ヒマワリを村へ連れて行けば三位も諦めざるを得ない

奴らはサイショノ村には手を出せないからな


ブルーはまだ全速力で飛んでいる

体力とか魔力とか大丈夫だろうか?

四神だって無敵でも不死身でもない


「大丈夫かブルー、無理はするなよ」

「そうですよ、カブで進むこともできますから」


アンナの言うとおり、山は越えたからカブで走れる


「案ずるな、行けるところまで乗せてやる」


主のパンティさんのことが心配だろう

でもその主から託されたから全力を尽くしている


さらに進んでハジメノ街の上空を通過する

このまま進めばツギノ村だ


「ブルー? なんか少しだけ縮んできてないか?」


ブルーの身体が少しだけ小さくなってきた

速度も緩やかに落ちていく


「すまぬな、あと少しだと言うのに」


ブルーはツギノ村の上空を通過する

そして村から少しだけ離れた場所に着陸した

また少しだけ小さくなっていた

次回、ベンケイ対イレイ

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