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(三)-3

 おもちゃ屋の店主は警察を呼んだ。やってきた若い二人の制服の警察官は、彼女を交番へ連れて行こうとしたが、彼女は俺の前をテコでも動こうとしなかった。

 涙が涸れてもなお、まだ店の前を動こうとしなかったが、おもちゃ屋の閉店時間少し前になって、母親の幸子が戻ってきた。そして意地でも動かない彼女に、俺を買い与えた。

「もう二度とこんなことしないからね」

 幸子は彼女にそう言って。

 そうしてようやく彼女は立ち上がり、彼女は母親の手に引かれ、俺を抱えて家に帰ったのだった。

 結局、これ以後、母親の幸子が自分の娘の美幸に何かを買い与えることは一切なかった。これが最初で最後であった。


(続く)

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