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2-2-3 魔道具屋さんその2、アイシャさん♥ ②

本日3話目の投稿です。

 

「ふふ…なにをお探しかしら?」


 あ、これもゲームと同じ!

 わかった、ゲームでは魔導書を売ってるお店だ。現実だと戦闘に使うマジックアイテムを扱うお店ってことで、魔道具屋さんその2ってことか。


「えっと…とりあえず見せてください」

「ええ、どうぞ? わからないことがあったら、なんでも聞いてちょうだいね…?」

「はいっ」


 近い近い近い!

 ミランシャさんは健康的で近づかれたらご褒美って感じだったけど、アイシャさんは色っぽ過ぎて、なんか違うことを聞かれてるような気持になる!!


「おーい、少年。おまえが言ってた宝珠はこっちだぞ」

「はい…」


 なんで買物するだけでこんなに消耗してるんだ……。

 ピルピルさんは俺をからかうのも飽きたらしく、俺を呼んだあとはつまらなそうに店内を見回して、くわっとあくびをしてる。

 床や壁に使われてる石が黒いからってのもあると思うけど、このお店は店内自体が暗いな。

 窓も黒いカーテンをしっかり閉めてるし、光源はカウンターのところの魔法ランプだけだ。

 それでも商品がちゃんと見えるのは、そういう風にしているからだろう。


「こっちが魔導書の棚だ。中級までの四大元素魔法(エレメンタルスペル)がある。読めそうなものはあるかー?」

魔法(スペル)の基本はばあちゃんに習ってるから、まだいいかな。それに今の手持ちだと払えないし」


 あーなるほど。魔導書を読んで術式を覚えたら、その魔法(スペル)が使えるようになるってことか。

 それなら俺はここにあるものはぜんぶ覚えてはいるな。使えないだけで。

 それに初級の魔導書でも一万ダルム、中級になると五万ダルムだよ。高い!


「じゃあやっぱりこっちの札だな」

「はい。へえ、攻撃魔法(スペル)の札でもなんでも、こっちは高額な分一枚ずつ扱ってるんだ」

「そうだぞー。札は高価だし使い捨てだけど、いいポイントもある。ボクたちが使う攻撃魔法(スペル)は使用者の魔力に応じて威力が上下するが、札は固定だ。少年が使っても、ボクやレオンハートが得意属性のものを使っても、同じ威力になる」

「じゃあ魔力が低いうちは札の方が強いってことですか?」

「そうさ。おまえだと間違いなく札の方が強い」


 うーん、強くなりたいとまた思ってしまった。

 ここにあるのは中級までの四大元素魔法(エレメンタルスペル)の札と、光魔法(リントスペル)の中級札か……。これはアンデット系特攻だ。一応火も効くけど、光魔法(リントスペル)がアンデット相手に与えるダメージは火の比じゃない。

 四大元素魔法(エレメンタルスペル)の初級札で一枚五百ダルム、中級だと千ダルム。

 光魔法(リントスペル)は初級に攻撃魔法(スペル)がないから中級札からで、一枚千二百ダルム。

 さらに範囲指定札は一枚三千ダルム。上級の指定札は五千ダルム!

 これは使用者の任意で魔法(スペル)の範囲を広げられるものらしい。下級の札で広げたらその分威力が落ちるけど、上級の札だとそのままの威力で範囲を広げられるから、いい札と合わせて使ったら絶対強い!

 めちゃくちゃ稼ぐ冒険者だったら、お金に物を言わせていろいろできそうじゃないか?

 俺も稼いでこういう札を使いまくりたい!

 杖用の宝珠は、治癒(ヒール)解毒(アンチイオス)。ヒールが五千ダルム、解毒(アンチイオス)が一万ダルムか。ゲームだと治癒(ヒール)で三十回、解毒(アンチイオス)が十五回で壊れたけど、これ一つで何回使えるかはわからないな。ゲームだとヒールは千ダルムだった。差額分は使用回数が増えててほしい。

 サーチでも…だめだ。「治癒(ヒール)の宝珠」としか出ない。まあ、壊れるまでは使えるってことでいいのかな?

 宝珠の棚の下段には、淡く光るビー玉みたいなのが籠にこんもり入ってた。これはなんだろう?


「ピルピルさん」

「んー?」

「これはなんですか?」

「空の宝珠だ」


 なんだそれ。詳しく聞きたいのに、ピルピルさんの興味は向こうの棚の呪い人形みたいなのに移っちゃってる! 小人族(リルビス)ってゲームでも子どもっぽかったけど、本当にそうなんだな。

 案内してくれるなら最後までしてくれないと困るよ!


「なにかお困りかしら…?」

「ごめんなさい、アイシャさん。これってなんでしょうか?」


 困ったなあと思って見ただけでアイシャさんが声をかけてくれて、これ幸いと聞いてみた。


「ピルピルの言うとおり、空の宝珠よ…。それは使用者が自分で魔力を込めて使うの」

「え、どういう…? 札じゃなくて?」


 なんだそれ。札じゃダメなの??


「白紙の札に術式を書き込めるのは一種類だけだし、危険だから店には置いてないの…。そんなことができる人には、そもそも札なんて必要ないしね…?」

「なるほど」

「でもそれなら、二種類まで自分で好きな魔力を込められるわ…。もちろん多過ぎる量はダメよ? たとえば、投げつけて攻撃魔法(スペル)として使えるほどの量だと、割れちゃうわ…」


 二種類までか。いろいろ使えそうだなあ。

 それに一個百ダルムってお値打ちじゃない? いや、使い捨てだったら高いのか。

 こっちの商品が全体的に高いから、だんだん感覚が麻痺してきた。


「これも使い捨てですか?」

「ええ、そうね…。自分で攻撃魔法(スペル)を扱える人は自分で込めるし、魔法(スペル)を使えない人でも依頼して水と風の魔力を込めてもらって…、野営中の洗濯に使う人も多いわよ」

「十個ください!」

「戦闘用じゃなくて洗濯用が先かよ!?」

「絶対必要なんで!」

 

 すかさずピルピルさんに突っ込まれたけど、超便利じゃないか! コインランドリーを使って一回千円って高いけど、旅をするなら洗濯って絶対したくなるよね!?


「うふふ、じゃあもう一つ教えてあげる…。洗い終わった洗濯物に火と風を込めた宝珠を入れたら、すぐにすっきり乾くわよ…?」


 洗浄から乾燥まで! そんなのまさしく携帯できるコインランドリーじゃないか!!


「わー、せめて十個までにしとけ! 五個でも十分だぞ!? そんな急いで乾かすようなことはめったにないから!!」

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