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魔女の娘として過ごす日々


「うーん、暇です」


 わたしは魔女の家の外に出て、大きく伸びをする。魔女の家の周辺は、少しの林と湖くらい。

 メリッサ・コーンウェルとか呼ばれている魔女の家で生活をして、もう2ヶ月ですか。

 師匠と過ごしていた頃と同じように家事や洗濯をしていますが、他にすることがないです。この有り余ったお昼の時間をどうすればいいのでしょうか。


 魔法やスキルを使うことも禁じられてますし、わたしは、一応、記憶喪失設定ーー……。


 ーーまったく、師匠は甘々ですね。あんな程度の魔法、わたしが解除できないとでも。きちんと魔法にかかっているか確認もしないなんて。師匠失格です。



 まあ、今は師匠の昔の女を探っておきましょう。他にもいるかもしれないです。それに、これは、きっと愛の試練です。

 昔のお話にもあるように、引き裂かれた二人ほど運命の愛は燃え上がるのです。歳の差も愛の障害の一つに過ぎないのです。次に会った時に、あまりにも綺麗になったわたしで悩殺です。


「アリアー、ちょっと来なさい」


「はーい、おばさーん」


 ん、初級魔法のファイアボールが飛んできました。まあ、避けますけどね。

 ふふん、わたしに、当たるわけないじゃないですか。

 たまには、身体を動かさないと鈍ってしまいますし、ちょうどいいです。


「あなた、わたしのことはメリッサさんと呼びなさいと何回言えば分かるのかしらね」


「ごめんなさい。つい、反射的に」


「もう、いいわ。アリア、あなた、次の日曜日から都市に行くのよ」


「はい?」


 都市とは、何ですか。


「学園に通うの。そこで少し礼儀、いえ、一般の生活を学びなさい。湖で裸で泳いだりしないでよね」


「大丈夫です。誰にも見られてませんよ」


 気配は感知できますし、師匠以外の男の人に見せるわけないじゃないですか。

 ところで学園って何ですか。

 メリッサさんが、すごい勢いでため息をついている。


「あと、スカートで激しく動き回らないように」


「スカートは履きませんけど(師匠以外の前では)」


 ああ、師匠のことを忘れたふりをしてないといけないなんて。


「学園ではスカートだから」


「ーーはい?」


 どうやら学園という場所では、スカートを着用しないといけないらしい。どんな特殊な場所なんだろう。


「あのー、学園って、まさか、男の子もーー」


「ん、ええ、いるわよ」


 いかがわしい場所かもしれません。師匠、まさか、わたしの愛から逃げるために、そこまでの手段をーー。

 いえいえ、そんな、まさか。師匠はわたしにゾッコンなんです。娘はやらん、とか言ってましたし、いつまでもそばに置いておきたいはず。

 あれ……、でも現状、外に出されてるっ!?

 というか、今すぐにでも戻りたいのですが、師匠の居場所が分からないのです。


「やっぱり、少しは常識というものをーー」


 常識ーー、たしか師匠が常識や世間が嫌いみたいなことを言っていましたね。


「常識は敵です」


「はいはい、生活に必要最低限の知識を身につけようね〜」


 ん、わたし、いま、すごいバカにされてる。

 メリッサさんが可愛い子どもにするように、頭を撫でているのですが。わたし、もうレディなんですけど。


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