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クリスマスイベント6

「こっ…これは…終わりが見えな…い…」



ウシくんの疲労の色が濃くなってゆく。倒すべき光の女神ミアンのHPバーは5本ある。

決定的に強い攻撃はこないものの、この持久戦はかなり苦しいものとなっていた。


『回復ポーション。あと1本です。』


しろっちが告げる。


「ふぇーーい…」


ウシくんは力なく答える。


…………………………



戦闘が始まってすぐ。ジャンボスノーマンは、ミアンの魔法でカード化され、ウシくんの手元に降りてきた。

驚くウシくんに、ミアンは『いざという時に使いなさい。』そう言って、にっこり微笑んだのだった。



バトル中盤で試しに『翼竜』のカードを使ってみたのだが…

『カラーフラワーマジック』で、大量の色とりどりの花びらの塊に押し流されてしまった。


「てか。ジャンボスノーマンと一緒に戦う。って言ってたのによーー」


ウシくんの持久戦はまだまだこれからだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ミアンとの戦闘が告げられたその時、ウシくんは助けを求めるべき後ろを振り向いた。

だが。

フィンとアーズ。2人の父親ファハトは首を振り、手を振り、後ろへと後退りをし、協力を辞退した。


そして、ケット・シーは『ママさんは怒ると怖いんだにゃ。でも、こっそり回復魔法は飛ばすんだにゃ。』そう言って、同じく後ろに下がっていったのだ。


前に1人残された、ウシくんは繰り出される『フラワーマジック』に焔の剣で応戦し、降り掛かる花びらを焔で散らす。


ケット・シーの回復魔法のMPも切れ、そうして、持っていたポーションも、いま、最後の1本が尽きたのだった。


けれど、『フラワーマジック‼︎』淡々と繰り出される、ミアンの攻撃で、ウシくんのHPは、ギリギリ1残った状態となった。





「ふーー」


ウシくんの諦めのため息。と。《ピコーン‼︎》無機質な電子音が鳴り。

『ジャンボスノーマン』のカードが光り、勝手にウシくんの目の前に飛び出してきた。


「えっ⁈」


驚くウシくん。くるくると光をこぼしながら回るカードの下に文字が現れる。


『ホワイト アウト』

『ブラック アウト』


咄嗟に心の中で考える。


ーーーーこれって技名?ブラックアウトは宇宙の何かに似てる……とにかく使っちゃダメだ‼︎ーーーー


ウシくんはスウゥゥ………と息を吸い。大声で叫んだ。




「ホワイト アウト‼︎」




途端、世界は真っ白になり、何も見えなくなった。



ーーーーーーしばらくの間ーーーーーー



………パチパチパチ………どこからか拍手の音が聞こえる。


「あれ?」


やがて視界は少しずつ開け、緩やかに音楽も流れ始める。

そこへ光の女神ミアンがゆっくり近づいてきて……


『裏ルート攻略おめでとう。あなたにこちらを授けます。』


そう言って、真っ白い剣をウシくんに手渡した。


「……ぇ?」


驚くウシくん。


「本当に?」


ウシくんの問いかけに、にっこり微笑んで答えるミアン。


「……ありがとうございますっ‼︎‼︎」


全身で嬉しさを表現するウシくん。優しく見守るミアン。




『あ。そうそう。忘れていたわ。』


ミアンはそう言って右手を高く上げる。

と。


ボワン‼︎‼︎


ボワン‼︎‼︎


と、続けて、雲のような煙が2つ弾けて、小さくされていた、ジャンボスノーマンとファハトが元の姿へと、元の大きさへと、戻ったのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「いいなぁーー『裏ルート』俺なんか、スノーマン倒して、それで終わりだったぞ。」


原野が羨ましそうにため息をつく。


「同じく。」


少し苦笑いの野崎。


「でも、ケッコー大変で、ケッコー疲れたぞ、スッゲー時間だったし。」


バタバタと手を振って弁明するウシくん。でも、やっぱりどこか楽しそうに笑っている。

ここは学校近くのコンビニの前。ついついここにたむろってしまう。



「でも、それなら、ケット・シーで行けるかも。」


ふんっ‼︎とガッツポーズをとる原野。


「でも、またチビだるま集めから始めなきゃ。だよ。」


野崎が少し笑って、いつものように返す。


「……だよなぁーー」


脱力する原野。それを見た野崎が……


「原野は誰と行ったのさ?」


珍しく自分から聞いてきた。



「俺?俺は『フィン』だけど?」

「「フィン⁈」」


2人の声がハモる。


「なんだ?なんかあるのか?」


不思議そうな原野。


「いや…その…」

「フィンはあんまり…」


口籠もる2人。


「そうなのか?ま。ただのゲームだし。ビジュアル的に選んだ。」


「ビジュアル?」


ウシくんが首を傾げる。


「そっ!戦う俺に(キャラは女の子)ツンデレフィンが回復魔法をかける。絵柄的によくね?」


「えーーーーっ……」


ウシくんが点目で答える。


「と。言う事は、野崎はアーズか?」


「うん。僕のキャラは、魔法使いだからね。」





…………………………






ウシくんの貰った剣は『ホワイトムーンソード』

光と氷の属性を持つ、このゲーム世界では、8本しかない貴重なレアアイテム。


ウシくんが選ばなかった剣は『ブラックムーンソード』

闇の属性。このゲーム世界では、たった2本しかない貴重なレアアイテム。

その1本は物語の最終戦争イベントで『ジョーカー』が持っているのだった。

















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