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クリスマスイベント5

「あっぶねーー」


後ろを振り返り、ウシくんは呟く。


『ご主人様マスター!次、来ます!』


しろっちが告げる。


「うえっ⁈」

吹雪ブリザード‼︎』

「ひえっ⁈」

彩雲オーロラ‼︎』

「うわっ‼︎」

『ダイヤモンドダスト‼︎』

「わわっ‼︎」


次から次へと繰り出される、ジャンボスノウマンの攻撃に、ウシくんはバタバタとただ逃げ回るのみだった。


『やれやれ。そんな事じゃ、いつまでたってもクリア出来ないじゃにゃいかーー』


ふわふわと宙に浮いたまま両手を広げ、呆れた。と言うポーズをとる黒い妖精猫ケット・シー。


「だって!近づけなきゃ攻撃出来ないんだよ!俺はっ!」


反論するウシくん。


『チッチッチッ。オイラを誰だと思っているにゃ。』

「黒猫」

即答するウシくん。


『頼りにならない黒猫』

ドサクサに紛れる、しろっち。


『もーーーー誰が『頼りにならない』にゃんだよ‼︎もうっ‼︎オイラはこれでも『時間の狭間』に住む妖精猫にゃんだからにゃーーーー』


『でも。3秒しかもたないんですよね?』

しろっちの棒読みな声。


『うっ……』

言葉に詰まるケット・シー。


「3秒…」

剣で攻撃をかわしながら、プッ。と笑うウシくん。


『もーー‼︎だからっ‼︎オイラに考えがあるんだってばにゃ‼︎』


両手を下に。大声で叫ぶケット・シーだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




『リスタート…3回目ですね。』


心配そうに声をかける、しろっち。


「うーーん。結構キツイんだよ。これが。」

息を整え、返事をするウシくん。


「でも。なんとなくタイミングは掴めてきた気がする。」


改めて剣を構えたまま、ウシくんは前を見据える。

ちなみに制限時間内なら何度でも復活は可能。


ケット・シーの作戦はこう。


まず、繰り出される攻撃の間を縫って、ウシくんがジャンボスノウマンの懐に入る。

大技の為、両手を上げて呪文を唱え、魔方陣を作成しているところで、ウシくんが、お腹に捕らえられている、アーズとフィンの2人を風の剣で助ける。

助けたら、安全な端っこに逃げるまでの時間をケット・シーが止める。

いずれも時間内に助けられなかったり、逃げてる途中に攻撃を受けたりして失敗に終わってしまった。



「今度こそ‼︎」


ウシくんは真剣に剣を握り締め、ジャンボスノウマンの周りを走り始めるのだった。



ドコン‼︎ドコン‼︎ドコン‼︎


スノウマンの拳直接攻撃。そして、大技『超氷結槍ハードコールドスピア』の為に両手を空に上げる。


「‼︎」


それを目視して、ウシくんはスノウマンの正面。お腹に斬撃を入れる。

黄緑色に光る剣筋を残して、アーズとフィンの2人が斬りつけたお腹から現れる。


「2人共!起きて!」


ウシくんの声に目を覚ます2人。


『うん…なに?』

『……うにゃ?』


いまだ夢の中の2人。


「端っこまで逃げるよ!」


そう言って走り出すウシくん。




時間凍結タイムフリーズ‼︎』



ケット・シーが魔法で時間を止める。


1・2・3…


3秒は早い。魔法が解けた光輝く氷の槍が一斉に落ちてくる。



「うえーーーー‼︎‼︎」


ウシくんがいきなり叫んで、回転斬スピンソードを頭上で展開し、少しの空間を作る。

その間に2人は逃げ切って救出は無事に成功。

エリアクリア音楽が流れ始める。


「やったーー‼︎‼︎」


ウシくんはガッツポーズをとる。


「長かったぁーーーー」


つい、しみじみと呟いてしまう。


『良かったです。』

『良かったにゃーー』


しろっちもケット・シーも束の間、胸を撫で下ろすのだった。






『ありがとう!君のおかげで助かったよ!』



息を切らしながら光の王子。アーズが口を開く。


『いったい何がどうなったのよ!訳わかんない!』


フィンは状況をいまだ理解出来ていない様子。




『フッフッフッ…時は満ちたにゃ……さぁ!次はみんなでジャンボスノウマンをやっつけるのにゃーーーー‼︎』


満を持したように、ケット・シーがジャンボスノウマンを指で差す。

と。

ここで音楽が途切れる。それと同時に地の底から響くように低い聞き覚えのある声が大地を揺らす。



『お前達…こんな所に居たのかーーーー』



遥か上空から腕を組んだ状態で


ーーーーゴゴゴゴゴ……ーーーーーーーー


と、いう爆音と共に地上に降り立った、大きな大きな巨人の神。その姿は双子の姉弟フィンとアーズの父親。

闇の王。ファハトだった。



『パパっ⁈』

『『げっ⁈』』


驚くフィンに焦るアーズとケット・シー。


『ママが心配しておるぞ。2人共。さっさと帰るぞ』


闇の王の大きな手が、ズイッとみんなの目の前へと突き出される。


『まーーてーー』


そこへエコーのかかった、ゆっくりとした声を発し、ジャンボスノウマンが闇の王の肩へと手をかける。


『なんだ、お前は。』


『こいつらは、オラの子供達をさらったんだ。返してもらうまでは、帰らせられないなーーーー』


『なんだと?』


睨み合う2人の巨人。その巨体はほぼ同じくらいの大きさ。


『ひぇーー』

思わず声を出すアーズ。


『パパ!やめてパパ!こんな所で戦ったら、町が全部壊れちゃう!』


つられて声を出すフィン。


「ま。これ、ゲームだけどね。」


フィンの言葉に思わずツッコミを入れるウシくん。


その言葉を受けて、冷めた目をし


『まあね。町なんて、壊れてもいいんだけどね。私には関係ないし。』


本音をボソッと呟くフィン。




「………」


思わず点目になるウシくんとケット・シー。


今にも戦いが始まりそうな、そんな緊迫感の中。空からキラキラと美しい光の花や虹色の花びらがゆっくりと降ってくる。



『あらあら。こんな所で何をしているのかしら?』


優しい声で。でもなんとなく怖い声で、双子の母親。光の女神ミアンが現れた。


『ママっ⁈』


フィンが叫ぶ。ミアンはゆっくり微笑んで、フィンを確認すると、父親のファハトに向き合う。




『……本当に…何をするにも遅いのね、貴方は。』




ミアンの笑顔を受けて、闇の王ファハトは一歩後ろに下がる。


『お、お前…しかし……』


『あら?口ごたえする気?私はお昼ご飯にと、キャロットパンと肉団子のクリームシチューを作って、ずーーーーっと待っていたのに?』


『そ…それは……』


『あんまり暇だったので、ついでにコーヒークラッカーまで作ってしまったというのに?』


『そ…それは…とても美味しそうだ……』


妻ミアンに睨まれて、オロオロとし、しどろもどろに弁解しようとする、夫ファハト。

その背中にはまるで滝のように、汗が滴り落ちているのだった。



その様子を、唖然と見つめるジャンボスノウマンと、ウシくん達一堂。


と。


ハッ‼︎と気をとりなおして、ジャンボスノウマンが口を開く。


『とーーりーーあーーえーーずーーオラの子供達を返してもらうぞーーーー』


そう言って、ウシくんの持っている鳥籠に手を伸ばそうとする。


『……子供達に何をするの?』


パシッ!と光の小さな魔法が、スノウマンの手の甲に、ミアンの言葉と共に飛んで来る。


『なーーにーーをーーするーー』


怒りを溜めた状態で振り返ろうとするジャンボスノウマン。



『もう!2人共、大きくて邪魔なのよ。』


ニッコリと笑うミアン。右手を上げて『リトルフラワーマジック‼︎』と唱える

途端、溢れんばかりの色とりどりの花が渦を巻いて眩しい光と共に、視界を遮る。

しばらく経って……

目を開いたその先には……

双子の姉弟と同じくらいに小さくなったジャンボスノウマンと、同じく小さくなった闇の王ファハトの姿があった。


『えっ?』

『パパっ⁈』

驚くアーズとフィン。



『裏ルート入りました。ラスボス登場ですね。』


しろっちが淡々と呟く。


『えっ⁈マジにゃ?』

「ええっ⁈」


そうしてイベント用音楽が流れ始め、画面が切り替わる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


最終イベント


光の女神ミアンを倒せ‼︎


このイベントでは、小さくなったジャンボスノウマンと一緒に戦います。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『そう……元の大きさに戻して欲しかったら、私を倒してみることね。』


光の女神ミアンは、とても優しく、とても怖く光の花を纏って微笑むのだった。


「えぇーーーーーーっ⁈⁈」


ウシくんの驚きの声は、広いイベントフィールドに高く響き渡ったのだった。























寒中お見舞い申し上げます。


本当にお久しぶりです。


更新はゆっくりゆっくりですが、これからもよろしくお願いします。


ここまで読んでくださって、ありがとうございます。



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