学園イベント6
「フロスト!」
何度目かの妖精フロストの召喚。ティアの詠唱。巨大ホログラムの下半分が凍りつく。
「大地の波動!」
ソラさんがすかさず詠唱し、大剣を大地に突き刺す。
ーーーーーーパリイィィィ…ン‼︎‼︎ーーーーーー
振動と波動で凍ったホログラムが砕け散る。
「風切牙‼︎」
野崎の詠唱。元に戻ろうとする、欠片を一掃する。
ーーーーーー『オオオオォ…ッ…‼︎』ーーーーーー
ホログラムの体の下半分が砕け散り、上半身がゆっくりと傾いてゆく。
ーーーーーーズダダダダダーーーーン‼︎‼︎ーーーーーー
崩れ落ちた上半身はそのまま紅く青く黒く霧のように細かく振動し、そして霧散して消えていった。
ーーーーーーピピピピピピ………ーーーーーー
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ーーーー巨大ホログラムオールクリアーーーー
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イベント画面が現れる。
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『あーーあーー殺られちゃったか……』
時計塔の上で、崩れ落ちるその様子を確認したK。
自身のHPも一緒に削られていって、HP1となる。
『たぶんアイツら目覚めているわよ。』
少し苦笑いの表情をして、それでもやっぱり面倒くさそうにKは呟く。
と。そこへ。
『K・K‼︎降りてこーいーーそこに居るのは分かっているんだーー‼︎‼︎こんな事を起こしてただで済むとは思うなよーーーーーー‼︎‼︎』
拡声器でアルト先生が呼びかけてくる。
『あーーあーー私もこれで終わりかぁーー…』
「終わりじゃない‼︎謝ってこい‼︎」
ウシくんが、力を込めて叫ぶ。
『これで終わりよ。私、人殺しだから。』
「お前!人殺しだったのか⁈」
翼竜で上空を旋回しながら、原野が叫ぶ。
『そうよ!人殺しはこの世界では即、死刑なのよ!』
そう言うとKはフッフッフッと笑い始め……
『あーーっはっはっはっ‼︎‼︎』
と叫ぶように笑って、十字架を掴んでいた左手を離し、そのまま滑り落ちるように時計塔から飛び降りた。
「原野‼︎‼︎」
「あいよっ‼︎」
パシッ‼︎‼︎
ウシくんの手が瞬間、落ちてゆくKの手を掴む。そして、翼竜に乗ったまま、原野の手がウシくんの腕を掴む。
「原野‼︎このまま俺達を西校舎の2階へ投げ込んでくれ‼︎」
ウシくんの言葉。
「了‼︎」
原野はうなづき、振り子のように反動を利用して、ウシくんとKを2階廊下の窓へと放り込んだ。
ーーーーーーガッシャーーーーン‼︎‼︎ーーーーーー
廊下の窓ガラスが粉々に割れる。
「お前!翼はあるか?」
『翼?ないわよ、そんなもん‼︎』
「そうか!では、何とか自力で頑張れ‼︎」
そう言うと、ウシくんは2階男子トイレにKを引きずり込み『用具室』の扉を開けた。
バタン‼︎‼︎
断崖絶壁の崖からの山風がトイレの中をブオッ‼︎と通り抜ける。
『えっ⁈』
驚くK。
「ともかく頑張れ!」
ウシくんはKを促す。
Kは息をのみ、その風景を見つめる。
『わかったわよ‼︎』
そう言うと少し苦笑いをして、一瞬息を止め、扉の向こうの断崖絶壁へと、その身を踊らせる。
みるみる、まるで吸い込まれるように小さくなる彼女の姿。
それを黙って見守る、ウシくん。
そして、完全に姿が見えなくなったのを確認して、ウシくんはバタン‼︎と『用具室』の扉を、閉めると……
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ーーーーーー第2章学園イベント終了ーーーーーー
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の文字が画面上に表示されたのだった。
「終わったのか?」
遅れて原野が同じく割れた窓ガラスから男子トイレに入ってくる。
「うん。終わった。ありがとな原野。」
「いや。ここか『用具室』」
「うん。」
ウシくんはうなづいて、もう一度『用具室』の扉を開ける。
と。
「え?」
「ん?」
そこには断崖絶壁の崖ではなく、普通にモップやホウキ等が立てかけてある。まさに『用具室』となっていた。
「え?ウソ!なんで?」
ウシくんは驚く。
「さっき!さっきまで断崖の崖で!ウソじゃなくって‼︎」
焦りまくるウシくん。
「うん。わかった、わかったよ、たぶん役目を終えたんだ。」
原野が少し笑う。
「うーーん……」
依然、不可解な顔をしているウシくん。
「さ!アイラちゃんに会いに行くんだろ?」
そう言って、原野はウシくんの背中をポン!と叩いたのだった。
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『それで、K・Kはどこに行ったのだ?』
腕を組み、仁王立ちのアルト先生の声がトイレ中に響き渡る。
「ですよねー」
原野が小さく呟く。
「消えましたっ!開けたらモップとか入ってて!」
焦って説明しようとするウシくん。
『?』
首を傾げるアルト先生。
『……消えたのか?』
「はい!消えました!」
即返答するウシくん。まじまじとウシくんを観察する。
『うん。』と、姿勢を正し。腰に手を『ふん!』と置き。
『消えたのなら、しょうがない。撤収するぞ!』
そう言って、アルト先生はぎこちなく男子トイレを後にする。
「「ほっ。」」
原野とウシくんは2人揃ってため息をつき。
「行って来い!」
「うん!」
原野の言葉に、ウシくんはうなづいて保健室に向かって走り出したのだった。




