最初の寮イベント4
『なんだ、君は?』
映像クラブのDが怪訝な顔をして口を開く。
「私は、音楽クラブのソラ!そんなに気に入らないなら、楽曲も自分で作ればいいのよ!」
珍しく怒りモードのソラさん。
『なるほど……そうか。』
意外にも、あっさりと納得する、D。毒気を抜かれた感じが漂い、その場に微妙な空気が流れる。
と。
『まだ、こっちの謝罪は終わってねぇぞ。』
音楽クラブのGがまだ少し怒りモードで、そう伝える。
『そうか、すまなかったな。悪かった。』
あっさりと頭を下げ、謝罪するD。その姿を見て拍子抜けするG。
『ふ、ふん。一応これで、引き下がってやる。だが、しかし‼︎これからは一切Fに関わるな!わかったか‼︎』
そう言って、Gは、涙を押さえている、Fの手をとり、ソラさんの方へと、足を向ける。
『あんたも音楽クラブだったんだな。あんたの『楽曲』楽しみにしてるぜ。ありがとな。』
そう言ってGは右手を上げ、立ち去っていった。
後には「あはは…」と苦笑いする、ソラさんが居た。
『それで?君達の用事は?』
Dの横に座っている、同じく映像クラブのEが原野に声をかける。
「あ…ああ。釣りクラブに『アイスクリーム』の話しをしたのは、Dだって聞いたので、それを確かめに……」
『何?お前ら探偵?』
いぶかしそうにそう言うE。するとDはEの肩を叩き。ぶっきらぼうに口を開く。
『ああ。それは、そこの掲示板に貼ってある情報をそのまま伝えただけだ。本当に甘いのかどうか、奴らに確認してもらう為にな。』
そう言ってDは後ろにある掲示板を指差す。
「……掲示板?」
原野。ウシくん。野崎はパラパラと近づき確認する。
そこには小さなメモ用紙がたくさん乱雑に貼られていて、その一つに
『夕食の時間に裏門の近くに美味しい甘いアイスクリーム屋さんがやってくる。』
と、書かれた大きめのメモが貼ってあった。
『それで?その他に僕に用事はあるのかい?』
上から目線でやっぱり冷たい言い方で、言葉を紡ぐD。
「ないよ。だけど、その言葉使いは直した方がいいよ。」
真面目にウシくんが返答する。
『君は…』
「人の言葉には『言霊』が宿っているんだ。それは言い方でも左右されると思う。もっと言葉は大切にしないといけないと思う。」
ウシくんの真面目な言葉に
『うっ…』
と、言葉を失うD。
沈黙の時間が流れる。
そして…
『はい!はい!ここでインサート入りますにゃーー』
黒猫ケット・シーが間に入る。
「うん。」
ウシくんが答える。
と。
原野がウシくんに小さな声で
「ちょい、ちょい。」
と呼びかける。
「?」
ウシくんが近づくと……
「なぁ、こんなところで『恋人募集』して見つかると思うか?」
そう言って、原野は掲示板に貼ってあるメモを指差し。野崎は…
「はーーーーっ…。」
と、深い深い、ため息をついたのだった。
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『次の『ストーリー開始』は男子寮の浴室前にゃ。
『エッジくんに話しかけたら。』
で、発動で。女子は少し自由待機にゃ。
それから、もうお昼なので少し休憩をとるにゃ。』
ケット・シーから、そう伝えられたので、相談の結果。一時間半のお昼休憩をとる事になった。
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ーーーーーーこちら、女子側ーーーーーー
「ゲームなのに露天風呂があるって、すごいねーー」
と、お湯に入って夕日を眺めるティア。
「ゲームだから、なんでもアリ。なんじゃない?」
「そうだねーーーー」
2人はお昼休憩でもログアウトせず、そのまま寮を探検。露天風呂を見つけたのだった。
アイラちゃんはログアウトしているので、2人で屋上からゲーム内の夕日を眺めている形になっていた。
「そうそう。で。ティアちゃん、お昼ご飯、何食べてるの?」
「パンとカップスープとペットボトルのミルクティー。」
「そうなんだ。私はカップ麺。豚骨醤油が好きなんだーー♡」
「んーーーー……」
のびをするティア。
「でさ。犯人って、この場合、掲示板にメモ貼った人が犯人になるのかな?」
と、ソラさん。
「うん。まだなんにもわからないけどねーー」
「Dの自作自演。って可能性もあるんだよね。これが。」
「うーーん……あの言葉使いだけだと絶対、犯人候補だよね……」
ティアがそう言って、ふと気づくと頭上に矢印が回っているNPCが2人。
名前表示が『H』と『I』とある。
同じく気づいたソラさんが…
「とりあえず、アルファベット表示って何とかならないのかなぁーー調整中だとしても……」
そう呟く。
「確かに…」
苦笑いのティア。
「とにかく話し掛けろ。って事だよね。」
そう言って、ソラさんは同じく湯船に入っている彼女たちに近づく。
「こんにちはーーーー!」
『『こんにちはーー』』
2人共返事を返してくれた。
「ねぇ。聞きたい事があるんだけど…」
ソラさんが尋ねる。すると…
『あーー酔っ払いフィンの事でしょーー!』
楽しそうにHさんがそう言う。
「酔っ払い…」
「フィン…?」
ソラさんとティアは目をまんまるくする。
『そうそう、『甘い物大好きのフィン』だから、職員室で担任のプラノ先生の机の中にあったチョコを勝手に食べちゃって!』
続けて…
『それが、ウィスキー入りで目を回しちゃって!一応保健室に運ばれたけれど、抜け出して。勝手に寮に帰って、爆発事件を起こしたって言う!』
「「はあっ⁈」」
ソラさんとティアがハモる。
『知らなかったの?』
「うん。知らなかったです。」
と、ティア。
「うん。そうだったのね、びっくりした。ありがとう。」
と、ソラさん。
『いやーー良かったお役に立てて…実はフィンの甘いもの好きは、お父さんである魔王さんの甘いもの好きを引き継いでいるとか…いないとか…
あ。それから知ってる?ホルン寮長が怒って、部屋をしばらくそのままにしておくらしいわ。ホントは魔法を使えば一瞬で元通りだけど、そうしたら、フィンが反省しないから。って…
フィンとアーズの部屋は広くて、バルコニーがある特別室だからねーー。で。アーズはしばらくは寮じゃなくリインブルク城から通うらしいよ。』
「そうなんだ……」
と、ソラさん。
『じゃあ。私たちは、お先にあがるね。』
そう言って、NPCのお喋りHは湯けむりの中。必要な情報を伝えてIと一緒に消えていったのだった。
はい。ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
つい最近。星ひとつ。いただきました。
ありがとうございます。
で。
やっぱり頭の中で、あの番組の
「星、ひとつ、いただきましたーーー」
が、再生されたのでしたーーーー☆




