最初の寮イベント2
「寮って個室なのな。」
光に飛ばされた先で原野が呟く。
ベッドがひとつ。机と椅子がひとつずつ。物入れのようなドアが2つある。
「殺風景だなぁーー」
ぐるっと見回す。
「イベントとかで物やアイテムが増えてゆくのかな?」
そう言うと、原野は部屋のドアを開ける。外にはずらっと個室のドアがまるでホテルのように並んでいる。
自分の部屋の部屋番号を見ると『????』と表示されていて。
「あーはい、はい、調整中ーーって事ねーー」
ひとり納得して食堂へと向かう。ご丁寧に『食堂』の矢印まで貼ってある。
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「うん?なんだこれ?」
食堂の前には『ウシくんの等身大看板』が置いてあった。軽く叩いてみると、後ろは木の木目で、バタン!と倒れた。原野が看板を立て直していると。
「あれっ、早い。」
後ろから声がした。その声に振り向くと、ソラさん。ティア。アイラちゃん。野崎がパラパラと現れた。
4人共看板に気づいて「なに、これ?」とハテナマークを飛ばしていると、野崎が。
「なんか、昔のドラマ…再放送でこんなの見たような…」
そう呟く。そうしていると。
「あれっ!みんな早っ!」
そう言いながら、ウシくんが走ってきた。後ろにケット・シーを連れて。
「遅いぞー!」
原野が声をかける。
「ごめん、ごめん、いろいろ開けてたら遅くなっちゃった。」
手を振りながらウシくんが答える。
「いろいろ?」
「だって、どこに繋がっているか、わからないじゃん、現に学園のトイレの……あれ?これ俺?」
ウシくんが不思議そうに看板に触れると、フッ‼︎と看板が消え
『イベント再開』
の文字が画面に出る。
「「「⁈」」」
全員で一瞬の戸惑い。と、同時に。
ーーーーーードッカーーーーン‼︎ーーーーーー
どこかで爆発が起こった。
「どこだ⁈」
見回す原野
「あっちから聞こえた!」
野崎が指を差す。
「行こう‼︎」
ウシくんが先頭を切って飛び出す。
「裏門か?」
そこは正面玄関の反対側。そこでの光景は……
煙が立ち上がる地面。爆発の跡らしく黒く放射線状に焦げている。
3人のNPCが居て、2人は目を回して、その場に大の字に倒れている。1人はそんな2人に必死に声をかけている。
「大丈夫ですかーー?」
ウシくんが声をかける。
『あ。わからないです。いきなり爆発して…』
戸惑うようにNPCが答える。
「地雷か?」
原野も声をかける。
『それもわからないです。』
そう答えるNPC。ふと見るとNPCの上に『釣りクラブA』の文字が……
慌てて倒れている2人のNPCを見ると、2人の頭の上にも『釣りクラブB』『釣りクラブC』の表示が現れている。
「これは…」
原野が真面目な顔になる。
「大丈夫ーーーー?」
ソラさん達が走ってくる。その後ろに、ホルンさん。野次馬のNPCがバラバラと駆けつけてくる。
「2人共HPが1になってるから、誰か回復魔法をーー」
ウシくんがみんなを見て声をかける。
「はい。私が。」
ティアがそう言うと右手をパッ!と上げ、回復魔法の光を放った。
キラキラキラ……
光が舞い散り2人のHPが回復した。
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謎の声:………チッ。
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イベント用の表示画面が現れる。6人はそれをしっかり見たけれど、口には出さずにうなづいた。
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『さぁ!どうして、こんな事になったのか説明しなさいーーーーーー』
ホルンさんが釣りクラブ3人に詰め寄る。
『えっと…』
『その…』
『なぁ…』
3人は顔を見合わせ口ごもる。
『説、明、し、な、さ、いーーーーーー‼︎‼︎』
ホルンさんが渦巻く圧を背中に背負って怖い笑顔で3人に迫る。
『『ひぇーーーーっ‼︎』』
怯えるBとC。と。Aが観念したように口を開く。
『俺たち…聞いたんです。『映像クラブのD』から…』
『なにを。です?』
『寮の裏門近くに『美味しい甘いアイスクリーム屋さん』が出没する。って…』
「美味しい…」
「甘い…」
「アイスクリーム…」
ソラさん。ティア。アイラちゃんは途端、瞳を輝かせる。
『そ、れ、で?』
更に詰め寄るホルンさん。
『…それで、裏門に来たら、突然足元が爆発して……』
それを聞いたホルンさん。フン!と鼻を鳴らして。
『自業自得ですね。買い食いは禁止ですからーーーーーー‼︎』
そう、寮中に響き渡るような大声で叫んだのだった。
で。
ーーーーーーいや‼︎そこ⁈ーーーーーー
ほぼ全員のツッコミが入ったのだった。




